ホンダGROMがモデルチェンジ HRCレースベース車も出るぞ!

目次

見せてもらおうか、カブとは違う原2の面白さとやらを

2020年10月22日、ホンダから新型グロム、しかもそのHRCのレースベース車両が発表されました!

すでに9月21日にタイで発表され、欧州では新型MSX125としてラインアップされている新型グロム。

ホンダUK

タイホンダ(APホンダ)

国内での発売スケジュールなどはまだ発表されていません。

しかし、このレースベース車の発売時期が2021年3月中旬とクレジットされていることから、公道向けの一般仕様の発売がその前であることが予測できます。

いずれにしても、一般仕様の(日本)発表を待たずにレースベース車が先行して発表になったというのはなかなか興味深い話ですよね。

今回は、このレースベース車の外観を眺めつつ、現段階でわかる新型グロム(海外仕様)の諸元等を国内現行車のものと比較し、その乗り味や楽しさを観測していこうと思います。



見るからに楽しそう!

HRCらしい鮮やかなトリコロールカラー、アンダーカウルのHONDAもカッコよく、31㎜径の倒立フォークやショートサイレンサーといった本気装備がその気をそそります。

この車両は先述の通りタイで発表されたばかりの新型グロムをベースに、レースには必要のない保安部品を取り去り、HRC KITパーツのECU、ハーネス、各種切り替えスイッチ等を組み込んだモデル。

具体的には、

(1) 左ハンドルにハンドシフターとモード切替スイッチ、ピットレーンスピード制御スイッチを装備

(2) 専用ハーネスによりシフトアップインジケーター(オプション部品)の点灯が可能

(3) 専用ECUは、レース専用マッピングに加えてセッティングツール対応

となっており、サーキットにおいてライダーの細かな要求に応える仕様にモデュファイされています。

上記写真の姿が標準となるようですが、レースベース車はHRCが供給するサービスショップが独自開発した、カウル・ステップ・マフラー等のスペシャルパーツを組み込んだコンプリート車として販売されるとのこと。

その価格も「小売り価格等はサービスショップにご相談ください」ということで定価設定は無い模様です。

サーキット入門機というと、YSR50やNSR50の2ストミニバイクを思い浮かべる世代と多いと思いますが、現代ではこのGROMレースベース車がルーキーたちを育てる人気の入門機。

 

 

従来型のレースしようと比べてみると今回のモデルチェンジは、タンク周りのボリューム感といい、シートの厚みといい、外観的に全体がモリっとした印象ですね。



気になるスペックは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐らくこれはPGM-FIを採用し大きめの2.5Lエアボックスを採用するなど、高効率燃焼に努めたゆえの姿であるようですが、この「太さ」が力強さを感じさせてくれて、なかなかカッコよくまとまっています。

そして、横からショットガンを撃ち込んだような大きな「穴」の存在も気になりますね。

これは外装パネルを簡単に脱着できるようにして、カスタムをしやすくするためのものだそうで、新型GROMのデザインでありギミックでもあります。

なるほど、これならサービスショップがどんなオリジナルカウルを造ってくるのか、楽しみが膨らみますね。

10月22日現在、レースべーっすシャス車に関しての諸元データー等は公開されていませんが、タイと同時に発表された欧州仕様のMSX(公道仕様)の概要を現行車(日本仕様)と比較すると次のようになります。

(各mm) HONDA GROM
[2021 model EU仕様のMSX]
HONDA GROM現行型
(日本仕様)
全長 1760 1,755
全幅 720 730
全高 1015 1,000
軸距 1200 1,200
最低地上高 180 155
シート高 761 760
車重 103kg(装備) 104
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 空冷4ストロークOHC単気筒
排気量 125cc 124
ボア×ストローク 50.0mm×63.1mm 52.4mm×57.9mm
圧縮比 10.0 9.3
最高出力 9.7ps/7250rpm 9.8ps/7,000
最大トルク 1.07kg-m/5500rpm 1.1kg-m/5,250rpm
変速機 5段 4段
燃料タンク容量 6L 5.7L
キャスター/トレール 25°/81mm 25°/81mm
タイヤサイズ F=120/70-12 R=130/70-12 120/70-12 51L・130/70-12 56L

 

まず車体の大きさですが、外観のモリっとした印象とは裏腹に、実際は車重も軽くなり、ややコンパクトにまとめられているのがわかりますね。

そして、今回のモデルチェンジの目玉は、新たに5速ミッションが採用されたこと!

加えてエンジンは、50.0mm×63.1mmというロングストローク化が図られ、排気量も1㏄UP しています。

実は先日タイで発表された新型スーパーカブ110も同じストローク長になっているので、これがベースの同じ排気量違いだとすれば、今後はスーパーカブ110の125化カスタムが容易になるのかもしれません。

ひょっとしてC125やハンターカブが今後5速に?(あくまで予想ですが、ない話でもないような…)

この諸元を見ていて「おや?」と思った方も多いはず。

最大出力やトルクが微妙にマイルド化されているものの、それぞれの発生回転数が250rpm UPされている。

一般にロングストローク化すればトルクアップし、ショートストロークに振れば最高出力発生回転数が上がるというのが定説です。

にもかかわらず、ロングストローク化されたエンジンでこの数値は謎。

さらにユーロ5に適応するためなのか、それを差し引いても最高出力やトルクをある程度犠牲にして得ているものは何なのでしょうか?

数値だけでは読み切れない不思議な諸元になっているのが、この比較から分かります。

というわけで、なかなか読み込むのは難しいのですが、これらを加味しながら新型GROMの乗り味を占うならば、次のようになるでしょう。

まず、動力系ではロングストロークの妙によって低速の乗りやすさを極力保ちつつも、シフトチェンジごとにエンジンを回す高揚感を愉しむような味付けに。

同時に、圧縮比の高さからかなり”厚み”というか”押し”の強い加速感を愉しめるエンジンになっているのではないかと思います。

そして、車体ではホイールベースに変化はないものの、全高・シート高ともに微増していている中で車重をやや落としていることから、旋回性や立ち上がりでのキレの良さをさらに楽しめる感じられるような形に。

全体としてエキサイトメントへの強化を図った正当進化モデルとなり、これまでGROMが開拓してきた”原2スポーツ”の楽しさを余すと来なく楽しめるようなっていると考えられます。

とはいえ、これは欧州仕様の公道仕様車と現行日本仕様車との比較予想。

レースベース車ではHRCのキットパーツと合わせ、サービスショップのスペシャルパーツが、その高揚感をどこまで高めてくれているのか?

そのあたりは乗ってみての楽しみということになるでしょう。

 

レース仕様の取り扱い販売店は、ホンダの公式ホームページにアップされていますので、そちらをご参照ください。

カブだけが、バイクの楽しさではないはずだ

最近、とかくカブブームです。

かつて大型に乗っていたライダーたちもこぞってカブに乗り出し、カブの専門誌もここ数年でいくつか創刊されるようになりました。

確かにカブは面白いのですが、最近では「君もカブに乗りたまえ」とか「スポーツライドなんぞさっさと卒業しちまえよ」というちょっとした「肩たたき」にあうようにもなってきました。

しかしどういったらいいものか?

その誘いにはいささか抵抗が…

今だからこそあえて言いましょう。

そもそも、Fun to Rideは十人十色。

ベテランも若い子も一緒になって、ピリッとしたスポーツライドのスパイシーな部分を味わう。

そんな原2の楽しみ方もアリだと思います。

コーナーをスムースに駆け抜ける楽しさをしっかりと味合わいたい。

それをかなえてくれるのが、初代登場以来GROMが持ち続ける「原2スポーツ」としての存在感。

間もなく登場するであろう国内仕様の新型グロムには、様々な層のライダーにその楽しさを広めて伝承する役割も期待しいたいですね。

レースベース車両の価格は先述の通り明確にされていませんが、タイでは(公道仕様車の)Gセンサー付きABS仕様が7万7400バーツ(日本円換算:約26万円)。

スタンダード仕様は6万9900バーツ(日本円で約23万5000円)となっていますから、レースベース仕様車の価格もこれらの価格からは驚くほど遠くないものになるのではないでしょうか。

さらにGROMレースベース車両なら、大型バイクに比べてタイヤその他の消耗パーツも安価で済むため、サーキットをエンジョイするのにはうってつけ。

「昔の勘」を取り戻したい世代の静かなに秘めた熱も、技を磨いて精進したいと願う若い勢いも、このサイズのGROMでなら「手の届く夢」になるかもしれません。

HRCでは、このをGROMレースベース車使ったワンメイクレース「HRC GROM Cup」を全国のサーキットで開催しており、モータースポーツを楽しめる環境も整えてくれているので、

来年は仲間を集めてワイワイガヤガヤやりながら、サーキットでコロナの陰気をブっちぎってやりましょうよ!

 

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