ツーリングなら養老渓谷へ ライダーズカフェ Club BIG ONE が仕掛ける「育成型ツーリングスポット」

目次

ニッチな立地の観光地

一般的に観光地というと、特急電車で気軽に行けていけたり、旅行会社のツアーなどで観光バスで行くことができたり。

多少距離があっても便の良さが整っていたりしますよね。

行楽先と言えば多くの人々が自然とその土地の名を思い浮かべるような、親しみやすいところを言うのかもしれません。

もちろん、そういった人気のスポットが素晴らしいところなのは間違いないことだと思いますが、逆に人にあまり観光化されていないニッチな場所だからからこそ魅力的な場所というのもあるものです。

今年(2020年)8月1日。

千葉県大多喜町の養老渓谷に、新たなツーリングスポットが誕生しました。

今回ご紹介する「山の駅 養老渓谷 喜来里(きらり)」はまさにそんな場所。

しかもライダーをターゲットに招致されたスポットなので、私たちライダーであれば要注目でですよね。



「よーろーけいこく」って知ってますかぁ?!

ところで皆さん、養老渓谷ってどこにあるかお分かりですか?

「なんとなーく聞いたことはあるけれど、そういえば行ったことはないなぁ。」

という方も多いと思います。

養老渓谷は千葉県の大多喜町にあり、アクアラインを使えば、都心から1時間半ちょっとで行ける小さな秘境。

都会にはまずないであろうほど広くて青い空の下には、まるでトトロの世界に迷い込んだかのような懐かしい田園風景が広がっています。

ここには小さな温泉街やキャンプ場などもあり、

渓谷の涼を愉しめる6つの滝が人気のスポット。

山中にありながらも勝浦や鴨川といったシーリゾートにも近く、春には菜の花、秋には紅葉が色づく自然豊かな景観は、心の洗濯をしに来るのにぴったりな場所です。

癒される風景が満載の養老渓谷。

気動車が単線を走る風景は、今でこそ鉄道原風景として静かに人気を集めていますが、直通の特急があるでなし、観光バスがひっきりなしに客を入れ替えていくような商売っ気もここには感じられません。

平たく言えばメジャーな観光スポットではないともいえるわけですが、それゆえに自分だけのとっておきの場所を持ちたい方には特にお勧めなスポットです。

 新たなライダーの基地が動き出す

開業したばかりと言うこともあって、

「山の駅 養老渓谷 喜来里(きらり)」(以下、きらり)

と地図検索をしてもなかなか出てこないかもしれませんね。

こちらは2020年5月まで、「養老渓谷やまびこセンター」として運営されてきた小さな地域振興スポットでした。

現在は、喜来里は同年6月より新たに指定管理を受けた「養老渓谷観光センター運営共同企業体」がここをリニューアルオープンさせたニュースポット。

きらりの運営共同事業体には、「ライダーズカフェ Club BIG ONEが中心的に参画していて、同店のキッチンカーが、9:00-15:00に「養老渓谷ビッグワン号」として常時出店しています。

※休業日等は公式Facebookに動向が載りますので、ご来訪には事前にそちらをチェックなさってください。

本店の「ライダーズカフェ Club BIG ONE」(以下ビッグワン)は同じ大多喜の山中にあり、千葉方面のツーリングスポットして既に多くのライダーに愛されているハンバーガー&カレーショップです。

Cafe Club BigOne

看板メニューのハンバーガーは、「肉を食らう」のコンセプト通り、USサイズのメガボリューム。

高級山形和牛をあらびきミンチにして作られたパティーや、香辛料に至るまで自家栽培にこだわったその味は、本場アメリカのバーガー通も太鼓判を押す美味しさ。

この味を求めて平日でもひっきりなしにライダーやサイクリストたちが訪れています。

ビッグワンはこうしてライダーの間で人気のツーリングスポットなわけですが、こちらのお店が養老渓谷に支店を出す意義はそれだけにとどまりません。

彼らは、これまで社会悪として偏見の目にさらされることの多かったバイク周りの環境を醸成し、「バイク乗りが集まるからこそできること」を世に発信していくことを使命と考える団体。

例えばクリスマスにはライダー全員がサンタクロースに扮し、児童養護施設を訪問するツーリング、サンタライダーズをこれまで11年間行いながら施設との交流を深め、施設の最大課題である卒園生の就労についても積極的に支援を行ってきました。

また、昨年からはこうしたバイクによる社会奉仕活動をより本格化させるために、一般社団法人ピースメーカーを設立。

2019年の台風・風雨災害で打撃を受けた千葉の観光資源の復興援助や町おこしの意味合いも込めた(自転車を含む)二輪車によるソーシャルツーリングとして、児童虐待防止啓発のためのオレンジバイカーズラリーを千葉県・市の児童福祉部局の公式行事として開催し、このイベントは今年もさらなる発展が期待されています。

千葉県職員の皆さんに見送られてスタート

こうしてビックワンは、様々なアイディアを「この指とまれ」という形で官・民に投げかけながら一つ一つ形にしてきた団体。

こうした活動が地域の行政に理解され、今度は街の呼びかけに応じる形で、きらりの運営の中核を任されることになりました。

また、「千葉をバイクツーリング立国に」というのが彼らの掲げる大きな夢。

街の発展が彼らに託された今、その夢の実現の新たな一歩として、喜来里は今後ライダーの基地として大きく化けてゆく予定です。



町も一緒に「ライダー目線」で盛り上げる

今現在、きらりの全景としてはこういった雰囲気。

道幅は狭いながらも、緩やかなワインディングの清澄養老ラインから続く小田代勝浦線に入ってすぐのところにそれはあり、広い敷地の中で青い空と緑(秋には紅)の景色がライダーの目を癒してくれます。

「養老渓谷ビッグワン号」がほぼ常駐している他、

夏の暑さ(冬なら寒さ)を退避できるお土産物屋さんがあり、特産の琵琶(びわ)やピーナッツなどのお菓子も結構おいしかったりするんですよ。

駐車場にはビックワンの提案により、これまでの旧やまびこにはなかった駐輪場を新たに設置。

また、オートバイに限らずサイクリストの基地としても利用してもらえるよう、

サイクルスタンドも新しく設置されました。

Peacemaker 代表;道家 直巳さん

ビックワン、そしてピースメーカー代表の道家さんにお話を伺うと、ツーリング基地としてのリニューアルを図る過程では、やはり不安要素というのもあったのだそうです。

具体的にあったのは「バイク乗りがたくさん集まると、柄が悪くなって、ファミリーのお客様が寄りづら くなるのでは?」という話。

しかし、近隣の道の駅に話を聞けば、駐輪スペースはあるものの、その数はわずか「数台」で休日ともなればそこに50台強のバイクが訪れるという状況では駐車場を占拠しているかのようにどうしても見えてしまうため、無法者のように見えてしまい柄が悪く見えてしまう可能性も否定できない。

つまり、それだけの数のラ イダーが訪れる中でライダーを迎えるための環境を整えないことに問題がある。」 という道家さんの意見が町に取り入れて頂けて、こうして駐車場に駐輪枠を整備されたのだそうで す。

町の中でもバイカー誘致に対する理解が深まり、8月1日のオープン時にはなんと町の方から

二輪歓迎の意思を示す「バイカーの皆さん!養老渓谷へようこそ!」の横断幕が贈られ、これがきらりの入り口に掲げられました。


ライダーが創る「育成型ツーリングスポット」

道家さんのお話によると、いまの喜来里で完成というわけではなく、現段階ははじめの一歩に過ぎないとのこと。

かつて荒れていたという敷地の草はきれいに刈られ、若い柿木が木陰を創る広場になっています。

「この柿の木はちょっとした憩いのシンボルみたいにずっと残しておいてね、

この周りにもたくさんバイクが置けるスペースをつくって木陰でみんなが休めるようにするんだ。

この広場は広いから、貸し切りにしてイベントスペースとしても使えるよ。

それから今は立ち入り禁止だけど、この先にはさ、

※特別に撮影させていただきました。

これぞ養老渓谷と思えるきれいなせせらぎがある。

「ここを眺めながら休めるスペースもも作れたらいいですね」と町の方に提案してるんだよ。

既にその構想も協議を始めていて、町の方も前向きに考えていてくれているんだ。

ただ、ひとまず今の現状で様子を見なくてはいけない。

つまり集客の伸びというのも必要だし、最初に心配された「柄」の問題や、事故が増えないことはとても大事で、そこはやっぱり来てくれるライダーのマナーにかかっていることなんだ。

まずはこの場所を多くのライダーに知ってもらってどんどん来てもらいたいな、そうすればここも大化けすることは間違いない。

それに、ここを基地に房総ツーリングを愉しむライダーが増えてくれれば、大多喜・いすみ・勝浦・鴨川・南房総市ひいては千葉全体のツーリングが街ごと面白くなるはずだからね。」

と、微笑みながら語ってくれました。

「山の駅 養老渓谷 喜来里(きらり)」はライダーの夢が立てた「この指とまれ」の壮大な人差し指。

みんなでマナーよくこの指に止まって、ニッチな場所をリッチな場所へ。

始まったばかりの小さなツーリングスポットを育てながら、千葉のツーリングが大きく変えていきたいですね。

ライダーズカフェ Club BIG ONEの最新イベント予告!

「ツーリング立国千葉」を目指すビックワン、そしてピースメーカーがその夢の実現にまた一歩を踏み出します。

それが、今週末2020年8月15日(土)~10月31日まで、房総を舞台にして行われる「BOSO COFFEE TOUR RALLY」です!

こちらはモーターマガジン社刊、オートバイ誌と東本昌平先生描き下ろしの同誌別冊付録「RIDE」とのコラボ企画。

ツーリングルート上にあるお店や施設が「協力店」としてラリーポイント取得店となり、この活動で訪れるバイク乗りさんたちを歓迎してくれます。

実はそれぞれのお店が、度重なる台風・大雨そしてコロナの被害によって多かれ少なかれダメージを受けたお店。

このラリーのもう一つの呼び名は「房総復興支援コーヒーツーリングラリー」となっていて、令和元年房総半島台風の甚大な被害に加え、新型コロナの影響で元気をなくしてしまった房総エリアの飲食店や観光業を応援する、いわばバイクによるソーシャルアクション(災害被災地域経済復興支援)を目的としたツーリングラリーなのです。

と言っても、堅苦しいことはナッシング。

参加には事前のエントリーが必要ですが、バイクで千葉を安全に愉しもうという気持ちがあれば十分!

エントリーを済ませれば、後日運営本部より「参加記念コーヒーボトル・ラリーポイントカード 他」素敵なグッズが送られてくるので、これも楽しみですね。

ルールや参加方法等、その他詳細ついてはオフィシャルサイトのご熟読をお願いいたします!

なお、エントリー数に限りがありますので、ご参加申し込みはお早めにどうぞ!

もちろん、今回お伝えしている養老渓谷のきらりも、コースに入っていますよ!!

みんなで千葉をツーリング王国にして盛り上げましょうね!!

 

取材協力;ライダーズカフェ Club BIG ONE / 一般社団法人 ピースメーカー

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