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2020年12月8日、Hondaはコミューターとして人気のPCXシリーズをフルモデルチェンジし、ホームページ内でその姿とディテールが公開しました。
ただ、写真を一見して「え、どの辺が変わったの?」という人もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに現行車のイメージから遠くない新型PCXの外観。
下の写真で右と左、どちらが新型かと訊かれたら…?
正解は右側です。
流石に現行車のオーナーさんやショップの方はもちろんお分かりですね。
- 「フェイスがさらにスマートになったね。」
- 「足回りがちょっとカッコよくなった感じ?」
- 「フロアまわりのカウルの形状が変わったなぁ。」
といったお声が聞こえてきそうですが、そうですね、外見を一見して比べる限りはそれくらいの変化なので、「マイナーチェンジなの?」と仰る方もおいでかもしれません。
でもでも、中身は正真正銘フルモデルチェンジ。
とにかく何もかも新しくなってるんですよ。
既にいろいろなデーターを比べながらこの記事を書き始めているわけですが、逆に『こんなに造り変えているのに先代モデルの印象を変えず、中身を上手に進化させているHondaさんって流石だなぁ』と感心しているところ。
2018年以来のフルモデルチェンジ。
今回は新しくなったPCXの進化を皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
目次
PCXらしさとは?
2009年以来、
- 「高級感のあるスタイリング」
- 「快適で上質な走り」
- 「優れた環境性能」
を持つスクーターとして“Personal Comfort Saloon”をキーワードに参加を続けてきたPCX。
今回のモデルチェンジでは車体構造・エンジンを一新し、装備をさらに充実させることで、初代から受け継がれるコンセプトを保ちつつも、快適性と利便性を向上させているようです。
フェイス&テールのデザインがシャープに
曲線的でグラマラスな印象だった先代のフロントマスクに代わって、新型は直線的でシャープなイメージになったフロントデザイン。
先代に引き続き、ロービームハイビームを横一列の配置したヘッドライトのデザインを踏襲しながら、被視認性を高めるシグネーチャーランプをライン状の5本の光で構成。
PCXらしさをたもちつつ、これまでよりもキリリとした印象になりました。
「X」型に配置されたテールデザインもまた先代から受け継がれたもの。
新型では、左右両サイドからの被視認性を高めるためにより立体的になり、フロントのデザインとともに、PCXのシャープな走りを印象付ける形になりました
メーター&ハンドル周りも「らしさ」強調
メーター周りのデザインも外観同様、曲線を主体としたものから直線的なデザインに。
強調されたシンメトリーデザインの中に表示されるデジタルの数字は、フォントもやや太く視認性をより高めたものとなりました。
また、ハンドルは初代から継承されるクロームハンドル。
ハンドルホルダーの煌めきはもはや、PCXのアイコンとも言えるものですね。
新型ではこのハンドルホルダーにラバーマウント構造を採用。
ラバーの材質徹底してや硬度を検討しながら最適化し、車体から手元に伝わる不快な振動を軽減し、快適なライディングが実現できるよう配慮されています。
PCXとしての足回りを追求
アルミ製ホイールは、剛性バランスに優れる5本Y字型スポークを採用してデザインを一新。
タイヤについては、下記のように
PCX(2018年モデル) | PCX/160/e;HEV(新型) | |
フロント | 100/80-14 | 110/70-14 |
リア | 120-70-14 | 130-70-13 |
組み合わせを変更し、従来より前後を太く豊かに見えるよう外観的にも演出され、ハンドリングに安定感が期待できる内容になりました。
またブレーキは、これまでPCX150ABSにのみ設定されていたフロントのみの1チャンネルABSを、今回から全タイプに設定。
フロントπ220mmのディスクブレーキに加え、新型ではリアにも同じπ220mmのディスクブレーキが採用され、制動時の安心感を高めています。
フレームの進化で一層豊かになった使い勝手と乗り味
スマートになった新型PCX。
それは外見だけでなく、フレームの大幅な改良によって、その使い勝手もよりスマートなものになっています。
これまでのPCXのフレームの進化を見ていくと、
初代の一般的なアンダーボーンフレームから、2018年型ではダイヤモンドフレームを採用するなど、スクーターとしても前衛的な進化をしてきたとこが見て取れます。
今回のモデルチェンジでは、これをシンプルな1本パイプで構成し、パイプ径の肉厚・材質、さらには接合方法までを最適化した完全新設計のフレームへと進化しました。
使い勝手の進化
シンプルになったフレームは-760㎏の軽量化を果たしながら、従来型フレームと同じ幅のまま、燃料タンク容量を8→8.1リットルに増量させることに成功。
同時にラゲッジスペースも従来の28リットルから30リットル(e:HEVでは23→24リットル)に大型化するなど、車体のパッケージングをこれまで以上に充実させています。
また、使い勝手の面では先代に引き続き、USB電源を備えたフロントインナーボックスを備えており、
今回からその容量を1.7リットルに拡大して出し入れがしやすい形になりました。
加えて、増量した燃料タンク給油口には、燃料キャップの置き場に困らないよう、給油口の裏にキャップの留置スペースが設けられています。
そういえば、キャップをフロアに置いててしまうのもなんとなく嫌な感じだったので、こうした細かい配慮がPCXらしさということなのですね。
乗り味の進化
話をフレームに戻しますが、新フレームでは足元周りのパイプワークがシンプルになったことで、フロアスペースの平面部を従来より前方向と外側に30mm拡大しています。
これによって着座位置の自由度が大きくなり、PCXが初代からのポリシーとする「ワンランク上の乗車感」が実感できるように工夫されています。
また、「快適で上質な走り」というのも初代以来掲げられるPCXのポリシー。
新フレームではヘッドパイプ周りの角度(ねじれ)変化を抑えることで旋回時の安定性を向上させていることに加えて、
リアサスペンションをブラケットタイプとし、パワーユニットをリンクで縣架するなど、リアの動きをスムースにしながら駆動輪の路面追従性を上げる工夫が見て取れます。
このフレームの進化は、知れば知るほどワクワクする内容。
上質なユーティリティーと共に、ライダーの気持ちに俊敏に応えるこれまで以上のレスポンスが予見できます。
パワーユニットを刷新
パワーユニットは新設計の「esp+」(イーエスピープラス)を採用。
車載状態であれば外観からその変化を見るのは難しいのですが、その中身はあらゆる部分が、先代から大きく進化しています。
吸気系にも細かな進化
吸気系はスロットルボディーをφ26㎜→φ28㎜へと拡大し、
エアクリーナーボックス内に整流板が設けるという新アイディアで吸気の流れを最適化させるなど、吸気口率を向上にに努めています。
内燃系統を大幅に刷新
エンジンはこれまでのOHC2バルブからOHC4バルブに進化。
これは今回のモデルチェンジの中で、最も注目されるべき進化だと言えるでしょう。
エンジン内部は、クランクシャフトの剛性を上げ、クランク右側のベアリングにローラーベアリングを新採用したほか、
油圧式カムテンショナーリフターを採用するなど、徹底したフリクションロス対策で、振動や騒音制御・さらには燃費性能も向上させる工夫がなされています。
ショートストローク化で出力UP!
先代PCXとエンジン関連の諸元を比較すると次のようになります。
ご覧の通り、PCX150(149㏄)が6㏄UPの154㏄となって、PCX160へと進化したことも目新しいところですね。
PCX2018年
モデル |
新型PCX | PCX150
/PCX150ABS |
PCX160 | |
ボア径㎜ | φ52.4 | φ53.5 | φ57.3 | φ60.0 |
ストローク量㎜ | 57.9 | 55.5 | 57.9 | 55.5 |
圧縮比 | 11.0 | 11.5 | 10.6 | 12.0 |
最高出力(kw[PS]/rpm) | 9.0[12]/8.500 | 9.2[12.5]/8,750 | 11[15]/8,500 | 12[15.8]/8,500 |
最高トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 12[1.2]/5,000 | 12[1.2]/6,500 | 14[1.4]/6,500 | 15[1.25]/6,500 |
4バルブ化でバルブの総面積を拡大し、ボア径を拡大しながらショートストローク化した新エンジンは、揺動抵抗を低減させながら圧縮比を高め、最高出力・最高トルク共にUPしています。
そして、これらの発生回転数がこれまでよりも若干高めに設定されたのがこのエンジンの特長。
これにより、パワー特性は初速の押しと高回転までののびやかさが同居する理想的なパワーカーブを描いています。
125/160で異なる高効率な排気系
さらに今回は排気系統にも見直しが図られ、125㏄クラスのPCXと154㏄のPCX160とで異なる専用設計のサイレンサーが用意されています。
いずれも図のように、サイレンサー内部の膨張室につながるパイプをストレート化することで、排気抵抗を低減させながら同時に触媒の配置を最適化しているのが特長です。
これにより、加速フィーリングを向上させながら国内3次規制値をクリアしています。
駆動系をリファイン
駆動系ではエンジンの出力向上に合わせ、プーリーのドライブ/ドリブンの各フェイス系を拡大し、形状を最適化。
フリクションの低減を図りながらミッションレシオを見直したことで、より滑らかな動力性脳を獲得しています。
新たにトルクコントロールシステム(HSTC)を装備
今回のモデルチェンジでは、新フレーム+新パワーユニットに加え、電子制御のホンダ・セレクタブル・トルク・コントロールシステム(HSTC)が搭載されたことも注目されるべきところでしょう。
HSTCは、前後輪に設けられた車速センサーの速度差を監視し、後輪の空転を検知した場合にECUが即応。
スロットルバルブの開度に応じた燃料噴射量の制御を行うシステムです。
(PCXではメーター内のインジケーターが点滅して、アシストしたことを知らせてくれます。)
クラッチ操作がなく、主にアクセルのオン/オフで車体をコントロールするスクーターでは、バイク以上に雨天時や未整地での走行は不利な場合もあり、HSTCはとてもありがたい存在ですね。
さて、先述の車体構成もかなりワクワクする内容でしたが、そこにこの4バルブの新パワーユニットとHSTCが組み合わされたというのは実に興味深いところですね。
ハイブリッドモデル PCX e:HEV も同時発表
今回のモデルチェンジで、「PCXハイブリット」は「PCX e:HEV」へと進化しました。
ハイブリッドシステムといってもこれは、自動車のように桁違いの低燃費を狙うものではなく、
スターターとして活用しているACGモーターを活用して、加速時や登坂時のトルクアップするシステムで、スロットルを開けるとリチウムバッテリーから給電されたモーターが約4秒間エンジンをアシストするというものです。
この中でアシスト量は、アシスト開始から最大トルクを約3秒間継続し、その後1秒間で徐々に減少する仕組み。
トルクを(ガソリンPCXと比較して)約33%向上させることにより、走り出しのダッシュ力や登り坂での加速性能アップさせているということで、アクセルを開けるたびに、押しのあるトルク感が楽しめそうです。
そして、このPCX e:HEVの左スイッチにはガソリン車にはないモードセレクターがあり、
モーターのアシスト力の異なる「D」(低燃費モード)と「S」(スポーツモード)の2モードに加え、アイドリングストップ・システムのON/OFFを合わせた4つの走行モードを、走行シーンや好みに合わせて切り替えることができます。
例えば「D」モードはモーターのアシスト時間を若干多くするモード。
なので、平地を長く走る場合に有利ですね。
また「S」モードでは、アクセル開けはじめのアシスト力がDモードよりも強い設定。
ですので、例えば信号待ちの先頭になって、青になってときに後ろの車列から距離を置きたいときなどに便利でしょう。
システムは先代のPCX ハイブリットなものを継承しているようですが、どのような進化があるのか?興味深いですよね。
そこで、PCX ハイブリットと、PCX e:HEVについて出力関連の諸元を下記のように比較してみました。
PCXハイブリット | PCX e:HEV | ||
総排気量 | 124㏄ | 124㏄ | |
最高出力 | エンジン | 9.0[12]/8,500 | 9.2[12.5]/8,750 |
モーター | 1.4[1.9]/3,000 | 1.4[1.9]/3,000 | |
最高トルク | エンジン | 12[1.2]/5,000 | 12[1.2]/6,500 |
モーター | 4.3[0.44]/3,000 | 4.3[0.44]/3,000 |
この比較でみる限り、ハイブリッドモーターは従来と同じものが使われているように見えますね。
ただ、新エンジンの微妙な出力差と進化した車体と相まって、数値以上の走りになることが期待できます。
PCXとの違いと言えば、PCX e:HEVには専用のカラーリングが施されているほか、
ご覧のようにスマートキーも専用のものになっているので、手元からハイブリットの所有感を味わえるかもしれません。
ちなみに、PCXのオプションには、これらのスマートキーと連動可能なトップボックスも用意されているので、
こちらも併せてご検討なさると良いでしょう。
PCXシリーズのカラーバリエーション
125㏄クラスのPCXには下記の5色が用意されました。
また軽2輪クラスでは次の4色。
先述のように、PCX e:HEVは専用色が用意されています。
価格は下記の通り。
PCX 357,500円(消費税抜き本体価格325,000円)
PCX160 407,000円(消費税抜き本体価格370,000円)
PCX e:HEV 448,800円(消費税抜き本体価格408,000円)
2021年1月28日(木)に3車種同時発売なので、お近くの取扱店へGO!ですね。
情報協力;株式会社ホンダモーターサイクルジャパン