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新型CB1300シリーズその全貌が明らかに
2021年12月21日、先日お伝えした新型CB1300について、ホンダからさらに詳細な情報が公開されました。
前回の発表には、従来の4-2-1から4-1に改められたエキゾーストシステムの他、スロットルバイワイヤーの採用などが概略的に示されたのみ。
諸元情報などは含まれていませんでした。
そこで、ポジドラでは、現行車と外観などを徹底比較。
新型のディテールを探り、公式には発表されていない変更点や、それによる乗り味の予測をしながらお伝えしていました。
果たしてそれらは合っていたのかいなかったのか?
今回の公式発表を基に、答え合わせをしてみたいと思います。
今のCBと似てるけど、どこがどう変わったの?
一見いつも通りのCB1300。
恐らく現行車のオーナーさんでなければ、外観から現行車との違いをにわかに見つけるのは難しいかもしれません。
ただ、今回のモデルチェンジは、これまでのCB1300の歴史を振り返る中で非常に注目されるべき内容を含んでいます。
それは、スロットルバイワイヤーを要する電子制御デバイスの搭載。
「スロットバイワイヤーって何?」という方は、前回の記事をご参照いただくとして、今回は”あの”CB1300にそれがどういった形で収まっているのか?
そんなところから見ていくことにしましょう。
CB1300+電子制御はこうなった
跨ってイグニッションをONにすると、まず目に入るのがこのメーターパネル。
現行モデルと比較しても、ぱっと見に大きな変化には見えないのですが、まず中央のファンクションメーターの文字が赤くなったのが新しさを印象付けるところでしょうか。
中でも、ギアインジケーターの文字が大きくなって視認性を高めたのは、私のような老眼ライダーにはありがたい変化ですね。
注目はその下の「STANDARD」の文字。
これは今回新しく搭載されたライディングモードの表示で、写真のように「STANDARD」のほか、「SPORT」と「RAIN」という3つのモードがあり、
左側のハンドルスイッチに新設されたMODEスイッチで切り替えることができます。
- STANDARDは、市街地走行から高速中心のロングツーリングもカバーできるオールマイティーな走行モード。
- SPORTは立ち上がりにキレのある設定で、ワインディング走行などではメリハリの効いたレスポンスを楽しめる走行モード。
- RAINは文字通り雨天や未整地での走行に適した設定で、トルクを制御して穏やかな加減速特性の走行モード。
同じアクセルの開け方をしても、それぞれのモードによって、味わいの違う加速感が得られるようになっているわけですね。
また、タコメーターのパネル上には、
新たにHonda セレクタブル トルク コントロール(HSTC)の設定表示も加わりました。
HSTCは、トラクションレベルを3段階のレベルに切り替えることができるシステムで、一番低い「ロー」から、段階に応じて介入度が大きくなるようになっています。
基本的に上記3モードに連動していて、SPORTでは介入度を最弱にし、STANDARDでは中程度、RAINでは介入度が最大になるようになっているのですが、路面状況やライダーの好みに応じ、任意での設定も可能。
例えば、寒い冬の早朝など、不利な路面を警戒しなくてはならないときなどは、RAINモードで走りだし、高速のICに入ってSPORTモードに、けれどまだ路面の色が怪しい、といった時に保険的にHSTCの介入度を強めればメンタルにも安心感が高くなりますね。
私も他車でこのようにモード設定ができる車種に乗っていますが、まず「これからこんな風に走りたいな」というその時の気分にあったモードがあるのは、遊びの幅を広げてくれる感じがしてなかなか愉快ですよ。
「バイクに電子制御なんて」という方の話もよく伺うわけですが、もし今後試乗車がお近くのDream店に配備されたなら、食わず嫌いをせずに体感して欲しい感覚だと思います。
さて、これらのモード設定は「アクセルバイワイヤー」でスロットルを電子化したことによるものですが、今回の新型CB1300シリーズではもう一つ、
クルーズコントロールが追加されたのも注目されるべきところですね。
これはセットした速度を保つ速度維持装置として便利な機能。
例えば、上り坂や下り坂など路面の傾斜に変化があってもマシンの方で自動的に速度を保ってくれますし、設定速度を+-でスムースに変更できるので、高速道路を主体としたロングツーリングを実に快適なものにしてくれます。
ロングツーリングを愉しむCB1300なら、これはあってしかるべき装備といえるでしょう。
さらに電制パーツについてはもう一つ。
これは前回、Hondaからの広報には載っていなかったのですが、
UP側/DOWN側双方に効くクイックシフターがオプションとして用意されてました。
個人的には『標準装備でもよかったのでは?』と思うのですが、大人の事情もあったのでしょうか?
バックトルクを逃がすアシストスリッパークラッチも装備されているので、ワインデングなどで減速しながらコーナーを切り返すような場面も安心感が高くなると思います。
また、立ち上がりもスムースになって、よりアグレッシブな走りも楽しめるようになるので、車両の購入を検討されるなら是非装着をお勧めしたい装備ですね。
【CB1300用クイックシフター】
■品番:08U70-MFP-JC0
■価格:¥26,950 (消費税抜本体価格 ¥24,500)
諸元で比べるエンジンの違い
前回はエンジンについての詳しい諸元は発表になっていませんでした。
ただ、エキゾーストパイプがこれまでの4-2-1から4-1に変更されたということで、
トルクアップや立ち上がりの伸びやかさなどが向上しているのではないかと予想したのですが、実際のところはどうなっているのでしょうか?
今回は新型の諸元情報が発表されたので、それを基に現行車のものと比較して確かめてみたいと思います。
2021年型/各SPも同様 | 2017~19年型/各SPも同様 | ||||
車名・型式 | ホンダ・8BL-SC54 | ホンダ・2BL-SC54 | |||
CB1300 SUPER FOUR |
CB1300 SUPER BOL D’OR |
CB1300 SUPER FOUR |
CB1300 SUPER BOL D’OR |
||
エンジン型式 | SC54E | SC54E | |||
エンジン種類 | 水冷4ストローク DOHC4バルブ直列4気筒 |
水冷4ストローク DOHC4バルブ直列4気筒 |
|||
総排気量(cm³) | 1,284 | 1,284 | |||
内径×行程(mm) | 78.0×67.2 | 78.0×67.2 | |||
圧縮比 | 9.6 | 9.6 | |||
最高出力 (kW[PS]/rpm) |
83[113]/7,750 | 81[110]/7,250 | |||
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) |
112[11.4]/6,250 | 118[12]/5,500 | |||
変速比 | 1速 | 3.083 | 3.082 | ||
2速 | 1.941 | 1.940 | |||
3速 | 1.478 | 1.478 | |||
4速 | 1.240 | 1.240 | |||
5速 | 1.074 | 1.074 | |||
6速 | 0.967 | 0.963 | |||
減速比(1次/2次) | 1.652/2.222 | 1.652/2.222 | |||
燃料消費率 (km/L) |
国土交通省届出値: 定地燃費値 (km/h |
28.0(60)〈2名乗車時〉 | 26.8(60km/h定地走行テスト値) <2名乗車時> |
||
WMTCモード値 (クラス) |
17.2(クラス 3-2)〈1名乗車時〉 | 16.8(クラス3-2) <1名乗車時> |
さて、比較は上記のようになりますが、なかなか面白いことがわかりますね。
まずエンジン形式は現行のSC54Eのままで、基本的に同じもの。
排気量・ボアストローク・圧縮比共にも変化はありません。
それでいながら、最高出力を2ps上げて、その発生回転数を500rpm上昇させ、逆に最高トルクは6N・m落としながらその発生回転数を750rpm上に設定しています。
つまりエンジンの性格としては、微妙に高回転化しての伸びやかさを楽しめる形になったようです。
にもかかわらず、きっちり燃費を上げているというのもマジカルな点ですが、ボアストロークを変更せずにこうした味付けの変更をどうやっているのか?
諸元上ではギアの在り方(減速比)を微妙に変えていることもわかりますね。
また、電子制御系の変更やなども数値に反映されているのだと思います。
加えてHondaの発表によると、吸気系に外側1番4番と内側2番3番とで長さの異なるφ36mmのエアファンネルを採用しているとのこと、
そして排気系には4-1化に加え、2室構造のマフラーを採用して、
- 車体の重量を感じさせない低・中回転域でのリニアなトルク特性
- 高回転域での出力向上、直4らしい伸びのある走り
を追求したということで、数値以上に写真には写ることのない感覚的な変化がまだまだあるようです。
いずれにしてもこの味付けの変更は「CBらしさ」をさらに豊かにしているようで、これは比較試乗が楽しみです。
前回の記事で予測したあの部分は?
前回の記事を執筆している段階ではまだ、Hondaから特に諸元情報もなく、
「電子デバイスがついて、エキパイが4-1になりました」
ということが写真と共に概要的尾に示されたのみでした。
ハンドルポジションは変わったのか?
その中で現行車との外観写真を新型の写真と重ね合わせたとき、どうしてもピッタリ重ならなかったのがこの部分。
判りますか?
そうなんです、ハンドルの高さと角度が微妙に違うように見えるんですよね。
この辺りもまた、車体関連の諸元から確認してみましょう。
2021年型/【は各SP】 | 2018~19年型/【は各SP】 | ||||
車名・型式 | ホンダ・8BL-SC54 | ホンダ・2BL-SC54 | |||
CB1300 SUPER FOUR |
CB1300 SUPER BOL D’OR |
CB1300 SUPER FOUR |
CB1300 SUPER BOL D’OR |
||
SC54E | SC54E | ||||
全長(mm) | 2,200 | 2,200 | |||
全幅(mm) | 795 | 825 | 795 | 825 | |
全高 (mm) | 1,125【1,135】 | 1,205【1,215】 | 1,125【1135】 | 1,205【1,215】 | |
軸距(mm) | 1,520 | 1,520 | |||
キャスター角(度) | 25゜00′ | 25゜00′ | |||
トレール量(mm) | 99 | 99 | |||
最低地上高(mm) | 130【140】 | 125【135】 | |||
シート高(mm) | 780【790】 | 780【790】 | |||
車両重量(kg) | 266 | 272 | 268 | 274 |
前回、「ハンドルは若干高めになって、ライダー寄りになり、小柄なライダーには有利な形になったのではないか?」と予想したハンドルポジションの変更。
諸元上の比較では意外にも全高・全幅を見ると数値的には全く同じも形のようですね。
確かに今回の発表でホンダはハンドルポジションについて特に言及をしていないのですが、これは(ミラーを除いた)車両の一番高いところを計っている数値。
同寸で写真を並べると確かに高さは一緒なのですが、やはりハンドルのたれ角は少し違うものになり、新型の方がややアップライトなものになるようです。
また、車体に関するその他の部分では、最低地上高がそれぞれ5mmUPしていますが、これはエキパイ集合部の形状変更によるものだと思われます。
これにより、若干ですがマスの集中が図られ、車重全体が2㎏の軽量化されたことと相まって、コーナリング中の切り返しや駐輪場での押し歩きも軽くなっているのではないでしょうか。
フレームに変更はあったの?
そしてもう一つの予想は、フレームの強化。
こちらも2枚の写真を重ね合わせて比べて不一致(ぴったり重ならない)が起きる点でした。
注目はピボットとエアクリーナーの間あたりのフレーム形状。
現行車のフレームより新型のフレームの方が若干サイドカバーよりも外側にあるように見えたため、「フレームが強化されている」と予想したのですが、結論から言うとこれはハズレ。
Hondaの発表には
「サイドカバーの幅を極力スリム化することで足つき性の良さも追求した」
とあるので、サイドカバーの方が若干奥に入ったというのが正解のようです。
いずれにしても、これは小柄な体系の私たち日本人には優しい進化。
試乗できる機会があれば、この変化もまた確かめたいところですね。
カラーバリエーションはもう一色。
前回発表されたカラーバリエーションは、CB1000から続くパールサンビームと、
SPのキャンディークロスファイアレッド
そして同じく
パールホークスアイブルーの3色が発表されていましたが、
今回の発表ではCB1300SUPER FOURとCB1300 SUPER BOL D’ORに、
ベータシルバーメタリックも追加発表されました。
この色の鋭さと渋さ。
素敵だと思います。
CB1300の走りを作るパーツたち
CB1300は重量車でありながらその重さを感じさせない軽快な走りが魅力のビックスポーツツアラー。
ココではそんな走りを支え、CBらしさを構成するパーツ群を簡単に紹介しておきましょう。
既にスタンダードが高水準
SPはオーリンズとブレンボでさらにしなやかな足周りに
CB1300って、観てるだけで安心しますよね
1992年のCB1000SF(SC30)登場以来「Bigone」をコンセプトに掲げながらビッグスポーツツアラーを牽引し続け、気づけばいつの間にか唯一の存在となったCB1300シリーズ。
今後さらに強化される環境規制や、モビリティーの電化の中でどこまでCBらしさを保ちながら私たちを楽しませてくれるのか心配な情勢もありますが、ひとまず厳しいユーロ5を乗り越えてくれたことには「おめでとう」と言ってあげたいですね。
「CBが存在していてくれることで、なんだか安心する。」
私は他車オーナーでありますが、ビックマシンの標準機としてそういった親しみを持っているのは私だけではないでしょう。
装備の強化で益々円熟味を増し、さらに俊敏なアクセルレスポンスとライダーの意思に繋がるマシンコントロールの楽しさを手に入れたCB1300シリーズ。
愛され続けたその走りに加わった魅力を、早く確かめたいですね。
新型CB1300シリーズの価格は以下の通り。
CB1300 SUPER FOUR(消費税込み)1,562,000円
(消費税抜本体価格 1,420,000円)
CB1300 SUPER BOL D’OR(消費税込み)1,672,000円
(消費税抜本体価格 1,520,000円)
CB1300 SUPER FOUR SP(消費税込み)1,936,000円
(消費税抜本体価格 1,760,000円)
CB1300 SUPER BOL D’OR SP(消費税込み)
2,046,000円(消費税抜本体価格 1,860,000円)
4台そろってHonda Dreamより2021年3月18日(木)から発売されます。
情報提供 ホンダモーターサイクルジャパン