TIMEWARP RIDERS CLUB

バイクは少年を大人に、大人を少年に還す。

バイクの防寒発熱下着3種を着替えながら実際に発熱を測ってみた

「発熱下着とかってバイクに乗ってるときには何の意味も無いよ」

ネットで資料を集めるうち、そんな書きこみを目にしました。

つまり、運動時に発生する汗を熱に変えるアンダーウエアは、じっとバイクに乗っている中では不向きだというわけです。

理屈を聞けば納得してしまいそうですが、筆者は長年「電熱系ウエア」に頼らず、「発熱系」を愛用しているのでこのコメントにはわりと懐疑的です。

百聞は一見に如かず。

そこで今回はいわゆる「発熱系」に類するアンダーウエアを3品目用意し、温度計でライディング中の変化を観察してみることにしました。

果たして効果のあるなしはどうなのでしょう?

実験の結果なかな面白い感想を得ましたので、ご参考にしていただけたら幸いです。




「発熱系」三役そろい踏み

今回試したのは、筆者の手持ちの発熱系アンダーウエア3品目。

それぞれの商品をかるーくご紹介します。

まずは庶民の味方お馴染みユニクロのヒートテックから。

厚手、薄手と両方を持っていますが、今回は汎用性の高い薄手タイプをタンスの中からチョイス。

低コストなだけに、競馬に例えて言ったなら、オッズの倍率も高くなりそうな一着です。


お馴染み過ぎる発熱下着、「T」が1個なきゃ電熱高級ウエア?W

そして二着目は筆者が長年愛用しているミズノのブレスサーモ。

イメージキャラクターがでんじろう先生から松岡修造氏に代わってますますアッチ―感じです。

メーカー的に記事の厚さには、スチュエーションに合わせた4種類が用意されていますが、筆者のタンスにあるのはラインナップの下から2番目の厚さである「中厚」タイプ。


ちゃんとランバードが書いてあります。(当然だけど)

かれこれ15年近くリピートして愛用しています。

温度計も購入して、いざ比較と行きたいところですが、二者択一では面白みに欠けます。

そこで、今回新たにmont-bell(モンベル)のZEO-LINE(ジオライン)を購入して、今回の比較に加えることにしました。


ロゴ周りの生地、見た目だけでも肌触りがよさそう。

モンベルは機能性の良い製品が豊富、特にウエア関係はハイキングや登山を意識した軽くてかさばらず、温かいものがそろっていますよね。

筆者も古くから他の製品をいくつか愛用していますので、ジオラインにも期待というか「当然大丈夫」と考えての購入。

今回は手持ちのブレスサーモが中厚タイプなのを考慮して、ジオラインも「中厚手」タイプを選んでみました。

さて、庶民の味方「ヒートテック」、修造さんの「ブレスサーモ」、そして登山家の常識「ジオライン」

役者もそろったところで三つ巴のまさにストーブリーグ、デットヒートの覇者はいったいどの製品なのでしょうか?



テストの前の下準備

今回は株式会社クレセル製のAP-07Wというデジタル温度計を購入。

クレセル デジタル温度計 (AP-07W)

価格:1,013円
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これは本来、家の中と外や冷蔵庫の温度など、2か所の温度を測る為のもの。

これを使って一つは気温、もう一つは外部センサーを胸の心臓付近にバンソコで張り付けて、走行中の肌とアンダーウエアとの間の温度を測ってみました。


お食事中の方には恐縮な映像?まぁだいたいこんな感じということで…。

流石にそのままでは寒いので、アンダーウエアの上には着古したユニクロのフリース、

そしてアウターとしていつも来ているタイチのライディングジャケット。

これらを着込んでのテストです。

ちなみにヒートテックとブレスサーモは上下で持っていますが、今回予算の都合でジオラインが上下揃わなかったので、テストは上だけということにします。

そして使用マシンは当ブログでもお馴染み?の愛車XJR1300Lです。

ありがちなスチュエーションで比較

それぞれの発熱アンダーウエアを着て同じ条件で3回テストしたいと思いましたが、予算や日程の都合でやむなくこの一回のテストツーリングの中で着替えながらの計測となりました。

そうしたこともあり、今回の比較テストに際して一つお断りをしておきますが、温度計の数値はあくまで筆者のフィーリングを可視化して補足するためのものです。

そのため厳密な計測ではなく、数値も絶対的なものではありません。

また意見には個人差があることもご考慮いただければと思います。

※神経質な方はここでページを閉じていただいて結構です。

さて、コースは多摩市内から中央自動車道を経て山梨県都留市から道志みちに入り、再び多摩市に戻るという全141㎞。

日帰りツーリングとしてはよくありがちなコース。

ですが、市街地・高速・冬季の山のワインディングなどテストにはふさわしい環境を盛り込みました。

テスト日は2017年11月27日、午前8:55~13:10までの間に実施。

この日は晴天、平均して10℃~14℃と、この時期の関東地方としては穏やかな気候に恵まれました。

厳冬下でのテストではなくなりましたが、今回チョイスした発熱アンダーウエアにはおあつらえといったところです。


いよいよテスト開始

どの順番で着て、どこで着替えるか?

言ってしまうとこれは全くノープランで走りながら決めていきました。

ユニクロ・ヒートテック

そんな中でトップバッターは庶民の味方ヒートテック。

ひとまずヒートテックを着て自宅前でバイクにまたがった数値がこちら。

上がウエアと肌の間の温度(だいたいですよ)

下が気温です

ヒートテックに関しては、「自宅から市街地を抜けて高速に入ったらさっさと冷えちゃうのかな」と正直あまり期待はしていませんでした。

しかしジャケットが黒くて晴天ということもあり、国立インターまでは全く普通。

冷えてくる感じもなく、「意外と」と言ったらユニクロさんに怒られそうですが、薄手なのに優秀だなという印象を受けました。

更に高速に入り、80㎞/h ~100km/hで巡航。

山間部に入ってアウタージャケットがが冷えてくるのを感じます。

高速なので走行中に写真が取れないのは残念でしたが、気温は10℃まで落ち込んで約30分くらいの高速走行。

ジャケット内は27℃~28℃を保ってくれて、高速でも「寒い」とは思いませんでしたが、ヒートテックでは腕周りを中心に徐々に冷え込んでくる感覚がありました。

恐らく数時間に及ぶ走行、あるいは日没後の走行ではもう少し厳しい感じになる予感がします。

そのまま藤野パーキングエリアへ。

バイクを止めてグローブを外しているうちにエンジンの熱気で気温は1℃上がりましたが、結果はまずますといったところですね。

ミズノ・ブレスサーモ

さて、藤野のトイレで半裸になりながら、次にと選んだのがミズノのブレスサーモ。

お高いので上下1セットしか持っていませんが、ずいぶんと長く愛用させていただいている筆者にとっては定番アイテムでもあります。

でもこんなふうに連続して比較するのは当然初めて。

やってみるといろいろ発見があるものですね。

ひとまず、着替えて跨ってみます。

ブレスサーモを着て走り出す直前がこの温度。

ここから再スタートです。

生地はヒートテックの薄手に対してこちらは中厚。

ちょっとずるい気もしますが、手持ちのウエアを使ってのテストなのでご愛敬ということで…。

さて、このブレスサーモの生地は今はやりの「裏起毛」でヒートテックよりふかふかな感じがします。

高速区間は都留下り出口までのおよそ30分。

走行中の気温は幸い10℃を下回ることがなく10℃~12℃付近で安定。

しかし、ジャケット内の温度は27℃⇒26℃まで落ちていきました。

これは意外。

「え?いつも着てるし中厚だよ、なんでなんで?」と考えますが、結局その場では答えが出ませんでした。

そのまま都留で中央道を降り、道志へ向かう山中のちょっとしたワインディングへ。

ここで松岡修造がいえ、ブレスサーモが真価を発揮します。

都留の出口から標高が上がり、日陰の路面も凍結の跡が残る状況。

気温が初めて10℃を下回り、温度計は6℃~8℃を平均して表示するようになり、さらには足先に冷たさを感じるようになりました。

しかしそんな中、ジャケット内の温度は着替えて間もなくの時より1℃~2℃上昇!

しかも27.5℃~28℃を保ってくれています。

ちなみにワインディングと言っても、慣れていない道で凍結の恐れもあり、汗をかくようなライディングは全くしていない状況。

実際リュックを背負って密着している背中付近から徐々に温かさを感じて、その範囲がゆっくりと広がって来る感じがありました。

つまり「発熱」はちゃんと起きていて、バイクの上で実感できるまでに「ちょっとしたタイムラグがあるんだな、」と思って納得した次第。

寒い中のワインディングを抜け、道の駅にたどり着いたときの温度がこれ。

これもグローブを取っている間に気温表示が上がったので、外気温7℃でジャケット内の温度は28℃。

これなら、このまま気温が下がっても多分3℃か4℃付近までは持つ気がしました。

また、ミズノ・ブレスサーモの場合は今回の中厚の上に「厚手」と「ウール厚手」という上のグレードがあるので、そちらを選べば相当の寒さも行けそうです。

長年の愛用品、流石に期待を裏切らないなぁと感心しました。(ありがとう修造さん!)

モンベル・ジオライン

残るは新しく購入したモンベル・ジオライン。

色々な情報を物色中に、「登山では汗冷えは命とりで、安い発熱ウエアはかえって危険」

ジオラインは蒸散機能が豊かで、汗をかいてもウエアの内側をさらっとした状態に保ってくれるので、登山家の間では常識的なアイテムなんだとか。

そんな記事を見かけて今回さらに試してみたくなりましたし、5千円以内で手に入れられるのも選択肢に入れた要因ですね。

前評判が高く、お気に入りのブランドだけに期待値はMAX。

高速走行はないものの、寒い山道を降りるスチュエーションにはもってこいだと思いました。

着替えてバイクにまたがったときの温度はこちら。

30分ほどの休憩で再スタートです。

時間的にお昼になっていき、標高も徐々に下がり市街地に近づきます。

ところがここで驚きな結末が…。

当然気温も10℃台を回復し、12℃13℃と徐々に上がっていきました。

しかしジオラインを着てから、ジャケット内の温度は逆に下がって、他の2枚では見られなかった25℃まで降下。

ブレスサーモがそうだったように、発熱までの「ラグ」にも期待したのですが、そのままライディング中に温度が上がっていくことはありませんでした。

アウターと一緒に冷えていく感じは一番感じ、下がっていく数値を見ながら頭の中で幾つも「?」がグルグルしました。

正直、新しく買ったこともあり、ある意味贔屓のつもりで「トリ」を務めてもらったのですが意外でした。

確かに着心地は3着の中で抜群に柔らかくて肌触りもよく、ブレスサーモより自然に馴染んで動きを邪魔しない感じです。

温度計の数値こそ下がっていきましたが、この条件の中で「寒い」と思うほどではなかったと思います。

恐らくですがブレスサーモは「加温」を重視した製品で、ジオライン運動時の体温の「保温」を重視した製品、そういう違いがあるのだと思うと納得できます。

この足でジオラインを着たまま馴染みのバイク屋さんに立ち寄り、うっかり下車するときの温度の撮影を忘れてしまいました。

でもお店を約20分、階段の上り下りを含めて歩き回って自宅に戻ろうとバイクに跨ったときの温度がこちら。

確かに歩いたりしたときの温かさは感じましたし、評判通りさらっとした感じも抜群でしたね。

ちゃんと保温はしてくれているようです。

バイクのライディングという条件下でも、もっと効果を発揮できる着方というのがあるのかもしれませんが、同じ着方をしてライディングした中ではちょっぴりショックな内容でした。



ライディングに適したものを考える

「バイクを運転している中では発熱に必要な汗が得られないので、発熱系アンダーウエアなんか意味がない?」

そういうネット上の疑問から出発したこの企画。

今回の計測と言ってもそうそう厳密なものではないですし、筆者が今回試すことのできたタイプ意外にもメーカーさんは厚さの違う生地を用意してくれています。

なので、今回のテストを「結果」として一概には言えない部分が多いとも思います。

ただ、やってみないとわからないこともたくさんありました。

実はジオラインを着てテストのあと、自転車で丘を越えたのですが、ブレスサーモ以上に汗をかいてもさらっとした感じに驚き「やっぱり買ってよかった」と思いました。

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なので思った通り、ジオラインは動きのある場面でしっかり機能する製品ですね。

例えば、冬にオフロード車で林道に入るという人などにはピッタリかもしれません。

ユニクロのヒートテックも日用品として素晴らしいコストパフォーマンスだと思います。

でもこの二つはメーカーさんがライダーをどこまで意識したかは未知数です。

その点、結果を踏まえて言えば、ミズノのブレスサーモはちゃんとライダーを意識した製品だと思います。

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なので「バイクを運転するのに発熱アンダーウエアは無駄なのか」という問いの答えはノーでもありイエスでもあり。

ついでに「安いもので充分か?」という問いを加えたとすれば、「ある程度までは」というのがその答えでしょう。

このテストを通して思ったのはその製品の狙いをよく考えて賢く選ぶことが大事だということ。

もしかすると、これがこのテストの答えなのかもしれません。

「じゃぁどうやって選ぶの?」

と聞かれると物凄く雑ですが、バイク用品店においてあるものは、バイクに乗ってもある程度以上に機能するから売り場にある。

「幸せの青い鳥」みたいな話ですが、きっとそう考えるのが一番わかりやすいのでしょう。

まとめ

先日「電熱系」のグローブやウエアをご紹介させていただきました。

(関連記事;http://timewarpriders.com/bike+dennnetu+boukan+goods)

この記事の中でのご紹介も、なるべく「コストパフォーマンスの良いものを」と心がけましたが、電源と合わせたセットは2万円を超えます。

今回ご紹介したのは電源に頼らない「発熱系アンダーウエア」。

これも良く用品店で高いものをチラ見しますが、すんなり手を伸ばすには難しい金額ですよね。

「たかだか下着に」として考えれば上だけでも5~7千円、上下となると1万円を超えるのは必至。

特に目に見えない部分にお金をかけたくないというのはライダーとしていたって普通の感覚かもしれません。

ただ、柏秀樹先生もおっしゃるように、ライディングに体の硬直は禁物。

いざというときの対応力を損ない、事故を大きくしてしまう可能性があります。

冬の寒さは硬直をしやすくするため、これを防ぐ安価な防寒手段はやはり必須のものといえます。

なので、ひとまず試しに発熱アンダーウエアを上だけ試してみて、良かったら下も買うというふうに段階的に導入すれば、「電熱系」よりも揃えやすいのではないでしょうか?

また、発熱系アンダーウエアはゆくゆく電熱系の効果を上げるもよし、普段着の下、いつもの下着との違いに驚くもよし。

まず筆者もそうでしたが、一度違いを体験すると、後戻りはできないものですよ。

皆さんもぜひ一度お試しになってはいかがでしょいうか?



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