防げ!「バイクで熱中症」知識武装&真夏のライダー必須の対策グッズ

「熱中症に気を付けてね!」というのは、もはや真夏のあいさつですよね。

「熱中症」自体、言葉でわかっているのですが、どんなものかというのは何となくあいまい。

意外にそういう人も多くないですか?

実は先日、「ライディング中に熱中症になった」というライダーご自身が書かれたブログ記事を拝見しました。

「バイク乗ってて熱中症にかかるのぉ?!」

ちょっと意外というか、筆者はショックを受けています。

というわけで今回は、ライディング中に襲い掛かる熱中症の予防策を考えながら、予防に役立つグッズのご紹介もしていこうと思います。




目次

ライディング中だからこそ「熱中症」に注意を!

「ライディング中に熱中症」なんて意外に思われる方も多いと思います。

 

恥ずかしながら筆者も、「バイクに乗って風に当ってりゃ、熱なんてどっかに飛んでいくだろう」と思っていたんですね。

あんまり熱中症熱中症って周りが言うもんだから、「はいはい分かったよ」みたいに軽く受け流してないですか?

でも熱中症って、どんな人でもどんな時でも発症する病気で、もちろんバイクに乗っている最中にでもその症状は遠慮なく襲ってくるんです。

ちょっと思い返してみてください、例えばこんな場面。

渋滞中の交差点で周囲の大型車の熱に囲まれ、自分のバイクが又下からさらなる熱を放出し続ける環境、しかも長袖…。

ライダーなら一度はそんな状況で「ヤバいかも…」って思ったことありますよね。

また、バイクで停まっているときだけでなく、走行中も炎天下では「熱中症」を発症する方がいらっしゃるんです。

ですから真夏はむしろ、バイクに乗っているときにこそ襲われやすいと言ってもいいかもしれません。

そして熱中症は、重症化した場合に命の危険にかかわってくるる恐ろしい急性障害でもありますす。

なので「敵」の姿を正しくとらえて、その防御の仕方をしっかり習得しておきましょう。

まず、熱中症とはそもそもどんなもので、特にバイクに乗っているときならどんなことに注意していったらよいのでしょうか?

「熱中症」を知ろう

40代後半の筆者は子どもの頃「日射病に気を付けてね」ととりあえず帽子をかぶるように言われていました。

多分他の世代の方でも多くの方がご記憶の事と思います。

なのでつい、熱中症に気を付けてと言われても「バイクはメットをかぶっているので、とりあえず頭はOKじゃん」なんて混同しがちです。

実はそれだけじゃ危ないんです。

ひとまず「日射病」と「熱中症」について整理しながら、症状の内容と予防法について理解していきましょう。

「日射病」と「熱中症」の違い

いずれの場合も症状としては

  • 大量に発汗する
  • 大量発汗によって脱水症状がひこ起こされる
  • 脱水症状から、体温調節中枢の機能低下が起こる
  • やがて頭痛・めまい・意識障害・痙攣が起きる

というのが主な症状・経過で、ほぼ同じなんですが、症状を引き起こすトリガー(引き金)が違うんです。

日射病というのは読んで字のごとく、長時間直射日光の下にいることに起因して起きる病気です。

「日射病」の場合は強い日差しが体温を上げて、身体の冷却機能の限界を超えたときに起こるんですね。

対して、「熱中症」は「熱」という感じにとらわれがちですが、高温に加えて多湿な環境で過ごすことで起きる急性障害です。

「日射病」では直射日光をよければいいのですが、「熱中症」の場合は屋内・屋外を問わず、例えば深夜寝ていても発症するというのが大きな違い。

だから帽子と水筒だけじゃ防げないんです。

「熱中症」の進度と基礎的な対応

そして「熱中症」の場合は、重症化すると「熱射病」に発展して、後遺障害が残ったり最悪は命にかかわる可能性があるのでかなり厄介です。

環境省の「熱中症予防声掛けプロジェクト」のサイトhttp://www.hitosuzumi.jp/became/conditionを参照しながらその重症化の進度をまとめると次の表のようになります。

症状の度合い 症状内容 対処法
Ⅰ 度 現場の応急処置で
対応できる軽度
  • めまい・立ちくらみ
  • 異常な汗

(噴き出して
止まらない)

  • 冷所に避難
  • 衣服を緩め体を冷やす
  • 水分塩分補給
Ⅱ   度 病院搬送を必要とする中等症
  • 激しい頭痛・吐き気や嘔吐
  • 倦怠感
    (だるい)
  • まずはⅠ 度と同じ対応
  • 足を高くして休む
  • 口から水分補給が不能であれば病院へ!
Ⅲ  度 入院・集中治療を必要とする重症
  • ひきつけ(痙攣)
  • 呼びかけに対する返答がおかしい
  • 真っすぐ歩くけない
  • 体温が高い
  • 意識がない
首・脇の下・股間など太い動脈付近を水や氷で冷やし救急車を要請!

結構怖いですよね。

これはご自分の場合もそうですが、周囲の方が上記の症状に当てはまったら適切に対処して助けてあげましょう。

熱中症予防の基本

「熱中症」は高温だけでなく湿度が大きなトリガーになってきます。

この辺をバイクの冷却構造になぞってお話ししていくとこんな感じです。

高温時にはバイクも人体も冷却が必要です。

バイクならラジエーターにはファンがついますよね。

でも、人にはそういった強制冷却機構がついていません。

その代わり、冷却水を熱と一緒に放出するようにできているんです。(これが「汗」という奴です。)

なので人の体はすぐにラジエーターのサブタンクがすっ空かんになる易く、オイルもどんどん減っていくという困った構造。

油温・油圧、(つまり血液)の状態は「神経」という精密なセンサー群が感知して、「脳」というコンピューターで統括しているわけです。

しかしその「脳」というものがデリケートで、多湿の為に放熱がうまくいかなくなると制御系が機能不全に陥りやすいんです。

かなり大雑把なところは大目に見ていただくとして、「熱中症」の防御の基本を単純化して考えていくにはそんなイメージで捉えていただければと思います。

つまり思いっきり単純に考えれば…

  1. 高温⇒冷却
  2. 多湿⇒排湿
  3. 発汗⇒補水
  4. 疲労⇒休憩

という4つのポイントを押さえて「⇒」のように対処していくことが肝心、ということですよね。

体調管理でライダーも夏仕様に!

「気温が高くなるんで、オイルを耐熱性の良いものに…」

ってバイクに「夏仕様の気遣い」っってしますよね。

で、ライダーご自身の体調管理も夏仕様にされてます?

「何その夏仕様の体調管理って?」

って筆者も最初解りませんでした(笑)

つまり「熱中症」は一生懸命排熱しようとしている脳や神経がオーバーワークになったり、身体に必要な栄養が汗と一緒にどんどん出ていっちゃうことで起きること。

それは既にお分かりですよね。

なので例えば…

  • 夜中まで忙しく仕事で翌朝弾丸遠征ツーリングとかしてません?
  • ちょっとでもバイクに乗りたいからって、適当な食事で炎天下に繰り出してませんか?

ええ、筆者もいつもそうなんです(萎え)

でも真夏にはこれがヤバいんですよ。

つまり、夏仕様のからだづくりのために

  • よく寝ること
  • バランスを考えて食べること

これが「真夏のライディングをちょっとでも快適にする鍵」になんです!

睡眠は重要

まず、よく寝るということは神経と脳のポテンシャルを相当上げてくれます。

なので特に炎天下のツーリングを考えているならば、

前日は何とか脳を休ませる時間をつくる。

というかここからツーリングが始まっているといってもいいでしょうね。

「解っているけど忙しくて、でも乗りたいんだよ」

そうでしょうそうでしょうわかりますよぉ~。

睡眠時間がどうしても短くなる場合は、PA・SA快速作戦。

まぁ各駅停車も何なんで快速なんですが、とにかく排熱・排湿にこだわって「ちょっと多いんじゃね?」くらいに休憩するのがおすすめです。

また、睡眠時間の短かった人は、仮眠のタイミングをつくるか、最悪駐輪所の縁石に座って1分~2分目をつぶって安静にするだけでもだいぶ違います。

とにかくそうやって、排熱・排湿対応してくている神経と脳のポテンシャルを上げようと意識するのが重要なんです。

ひと工夫で良い食べ方を

また、夏はそうめんとか、涼しい水っぽいものでさっさと食事を済ませがち。

なので「汗で出てしまう分の栄養素が枯渇してそれっきり」なんてことの無いように、いつも以上に意識してバランスの良い食事をとりましょう。

先日、筆者はお料理教室で「この時期はビタミンB群が不足する」って習いました。

なのでビタミンB1が豊富な豚肉を食べると良いそうですよ。

でも暑さに負けると「固形物がのどを通りにくくなる」ということもありますよね。

しかしそれで胃腸を弱らせるというのはどの道いいことではありません。

「熱中症」にかかりにくくなるために、食が細くなった時こそ一工夫しましょう。

例えばそうめんを食べるにしても、しょうがを入れるだけで代謝が上がるそうです。

また筆者のように、夏場に固形物を食べにくくなる人は、ヨーグルトは最適。

 

ヨーグルトは噛まなくても摂取できるので、直接胃腸に届く完全食です。

ヨーグルトには必要な栄養素がたくさん入っていて胃腸を丈夫にして体の耐性を上げてくれます。

その先、食欲も出てくるんですよ。

あるいは乳製品NGな人もおいででしょう。

そうした場合は、エネルギーチャージのゼリーなんかを補食として摂っていくのが効果的です。

とにかく食の面から体の機能を意識的にバックアップしていくのが重要なんですね。

 

予防のポイントに沿った対策グッズを紹介

1.ライディング中の「高温⇒冷却」を考える

例えば、気温が非常に高い状態であるならば冷却が必要なわけです。

高温に対する対策としては「エアコンをこまめに使って体温調節を」なんてよく天気予報の最後なんかに言いますよね。

でも当然バイクですからエアコンは…。

しかも安全意識の強いライダーなら、当然夏でも長袖のジャケットや長ズボンの着用は常識。

そんな中で具体的にどう体を「冷却」するか?

 幾つかこれはいいものが出ているのでご紹介しましょう。

キャピタル販売株式会社が輸入・販売している米国テクニッシュ社のHYPERKEWL(ハイパークール)です。

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こちらは、米軍の陸軍部隊や海兵隊にも支給され、湾岸戦争では砂漠で多くの兵士たちの健康維持に貢献したというクーリングベスト。

最近では、マクラーレン・フェラーリのF1パイロットたちが愛用中で、その実力はバイク界でも急速に注目を集め始めている製品です。

使い方は簡単。

HYPERKEWLを1~2分ほど水に程度浸透させ絞らずに優しく水を切るだけ。

生地は3層構造になっていて、

内側に防水処理がされているので濡れることはなく、HYPERKEWLの中の水分が風を受けて蒸散しつつ気化熱を奪っていくことで身体を冷やし続ける仕組みです。

特殊なポリマーの働きで一回の使用は、約5~10時間ほど。

水を含むことと、気化熱を利用する関係から、インナーとして使用するには向きませんが、オフロードジャージの上に着たり、クールインナーと組み合わせるなど、工夫次第で相応な威力を発揮してくれそうです。

値段もお手頃何で、これはゲットしておきたいですね。

2.積極的な「多湿⇒排湿」が熱中症予防の要

 

そして「熱中症」を最も有害なのは、湿度でによって熱されることです。

ジャケットの中で汗ばみ、湿気に包まったようになっていると、「体温上昇+蓄熱」という状況を作ってしまうんです。

そしてこれが長く続いて体内の蓄熱。

このとき、体温調節中枢の働きをが臨界を迎えると、頭痛やめまい、ひどい時には「けいれん」が引き起こされ、大変危険な状態になってしまいます。

「熱中症」の場合こうして日陰でも襲ってくるところが厄介なんですね。

つまり「排湿+排熱」ということがとても大事で、かいた汗をそのままにするのは危険なことなんです。

まずはメットの中をケアしよう

ヘルメットのディフューザーも、いいものは外気より1℃は下げてくれるといいます。

ですから頭部の「排湿+排熱」の為には非常に有効なんですね。

でもメットによってに風は通っても、吸汗性がいまいちだったり…。

そういう方にはこちらがおススメ。

こちらも先ほどと同じ、米テクニッシュ社製のインナーキャップです。

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同じく米軍正式採用ということ以外にも、米国ハーレーダビッドソン社・ドイツBMW社の2輪部門や、アディダス社にOEM供給。世界50カ国で1年間に250万着も販売されているのだそうですよ。

やはりこちらも効果は約5~10時間とのこと。

ディフューザーの効果もUPしますよね。

お値段もお手頃ですから、ぜひお試しいただきたいですね。

ボディーをさらっと快適に

えっ、クールビズで短パン半袖?

それは論外です。

プロテクションがないのもいただけませんが、肌を直射日光にさらしているのは、「排熱+排湿」にとってはマイナスなんです。

でも、汗を拭きとったり着替えたりということがこまめにできればいいんですが、バイクに乗っているとそうもいかない時ってありますよね。

その上ウエストポーチくらいに抑えたいショートツーリングなのに、着替えやタオルをたくさん持っていくのは、荷物がかさばっては困りものです。

つまり、バイクに乗るときの衣服なら、汗をかいて速やかに吸収して排湿・排熱してくれるものがベストなわけですよね。

そうなると…

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RSタイチの吸汗排湿インナー「クールライド」がおすすめです。

※上記は「Mサイズ」ですが、サイト内で色とサイズをお選びください。

筆者も毎度着用しておりますが、これが本当にさっさと汗を擦って蒸散してくれるので、ランディング中はずっとさらっとしていて快適です。

これなら直射日光に肌をさらさないで済みますし、汗を吸って発散させてくれのでべたっとまとわりつく感じがしないんです。

氷のう敵に「冷たい」ということには流石になりませんが、気化熱も手伝ってさっぱり感があります。

メッシュジャケットの下にこれを着ると気持ちいいですよ。

実感として快適性が持続するので、特に炎天下で長距離を走った場合などは、疲れ方にも差が出てきますよ。

3.「発汗⇒補水」時は塩分とミネラルの補給を意識して!

「熱中症の予防のために意識的に水分を補給しましょう」というのはよく聞くはなしですが、

汗をかくとマグネシウムなど数種の電解質と塩分も一緒に体から出て行ってしまうんです。

水やお茶もいいのですが、食道から吸収される経口補水液やスポーツドリンクであれば、失われた塩分やミネラルなどを速やかに補給できるのでなお効果的です。

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この経口補水液はパウダータイプで、500mlのペットボトル50本分なので、1本あたり約50円とリーズナブル。

ライディング以外にも需要の高まる製品だと思いますので、ひと夏分としてかなりお値打ちだと思います。

コンパクトで効果絶大な必須アイテム

休憩を多めにとることは熱中症の予防として必須です。

「予防としての休憩中」、効果的に、「排湿+排熱」をしてくれるものがあります。

GATSBY (ギャツビー) アイスデオドラントボディペーパー 無香料 <徳用> 30枚 (医薬部外品)

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それがこの「制汗ボディーペーパー」です。

無香性のものもありますが、あえてメンソール系のものを選びました。

アイスデオドラントボディーペーパーなら、身体もヒンヤリしてさっぱりしますし、一時的に気持ちも切り替わります。

身体を一拭きするだけで随分違うんですよ。

筆者も愛用していますが身体を拭いたあと、走り出してしばらくは走行風も相まって、ものすごい清涼感を体で味わうことができるのでもう病みつきです。

きっとサーモグラフィでその瞬間が見れたなら、だいぶ冷めていく様子がわかるんじゃないでしょうか?(と思うくらい気持ちいいです)

その上携帯性もいいですから夏のツーリングの必須アイテムとして活用してほしいですね。

是非お試しください。

「熱中症予防情報」を活用しよう!

下にお示しするのは環境省の「熱中症予防情報サイト」です。

ツーリングであれば、出発前にテレビやWEBでルートの気温予想をチェックしておくことが重要です。

参考元;http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php?region=03&prefecture=&tab=td

「少しでも遠くへ」というロングディスタンスライダーも気持ちはわかりますが、健康を損なっては元も子もありませんよね。

こうした予報を活用して、「厳重警戒」・「注意」とされる場合はPA・SAの立ち寄り回数を増やしたり、「道の駅」または「コンビニ休憩」を臨機応変に入れることをお勧めします。

 まとめ

さて、いかがでしたでしょうか?

筆者にとっては、バイクに乗ってて熱中症にかかるというのは意外でした。

でも末飛人さんのお話もありますし、近場のツーリングにでも「ヤバかった」と話す友人もいましたから、もはや他人ごとではありません。

今回は一般的な予防法に加え、バイクに乗っている最中のどう対処するか、また事前の予防についても考えてみました。

大雑把ですが、「熱中症」そのものについてもご理解いただけたのではないかと思います。

ご紹介のグッズを有効に活用していただいて、あっち~夏のツーリングで楽しい思い出、たっくさん作っちゃってください。

体調を万全にして、皆さんどうかご安全に!!



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