「初めてバイクを手に入れる人たちへ」バイクライフの賢い始め方

インスタで見たあの景色や友達がSNSで絶賛しいていたおいしいもの。

若い人たちの間では、そういった画面の向こう側に存在する「リアル」にアクセスするツールとして、バイクを非常に見直しているのだそうです。

実に結構なお話じゃありませんか。

最近は息子さん・娘さんが大きくなられて、親として彼らの「バイク事始め」を見守っていらっしゃる方も多いようですね。

彼らを見守っていらっしゃる親ライダーの皆さんの参考書として、あるいは経年ライダーの皆さんにも初心を思い出していただきたい。

そんな想いで今回は、バイクで新しい・人生を拓いていこうという若い「初めてライダー」さんたちを応援します。



目次

 バイクとの出会いから最初の一歩

筆者がバイクに目覚めたのは、高校時代に友達が奨学金を得るために新聞配達を始めたのがきっかけ。

普段チャリンコで遊んでた友達が、専売所のヤマハメイトに乗って現れたとき、妙にそいつが大人びて見えたんですよね。

「大人になるきっかけ欲しいなぁ…」

そいつらを見てボンヤリとそう思っているうちに、いつの間にやらうん十年経って、こうやってバイクブログを書いているというわけです。

(はて、いつになったら大人になれることやら…)

これからバイクを始めようという皆さんのバイクとの出会い。

現代ならどんなものなんでしょうね?

バイクとの出会いはいろいろだと思いますが、「じゃぁ自分も」と最初の一歩を踏み出す時、まず何をどうしていいのかわからないですよね。

  • 免許どうしようとか?
  • 中古ってどうなの?やっぱり新車?
  • 車両は何買ったらいいの?
  • 保険はどうしよう?
  • メットや装具はどうしよう?

大体整理すると初期のお悩みってこんな感じでではないでしょうか。

それからこのほかにも、「親の説得どうしよう?」というのもあるかもしれませんね。

でも今回はその辺がクリアしていることを前提でお話をしていきますよ。

まず免許とかどうしようか?

大型二輪免許も教習所で教習を受けることができ、条件が整えばだれでも大型自動二輪免許を取得できますね。

免許は中型から?大型から?

どうせなら最初から大型二輪免許を取ろうと思われる方も多いわけですが、筆者は「いきなり大型免許」もアリだと思います。

ちょっと調べると、全く0からの教習で18万円くらいの料金設定をしているところがありますね。

同じ教習所で見ていると普通二輪は12万円くらい。

普通二輪免許から大型チャレンジは6万円とあるので、トータルで見ると同じようです。

まずは普通二輪から安く初めて後慣れてきたときにチャレンジというのも、もちろんアリでしょう。

でもどうせ同じ料金がかかるなら通うことを考えて1回で済ませるのも得策かもしれません。

小さいバイクからステップアップしていくにしても、最初に免許を大型にしておけば、可能性は広がりますよね。

限定解除で必死になるしかなかった世代からするとうらやましい悩みです。

MT免許はATを兼ねる

ATかMTかというこれまたおじさん世代にはなかった悩みもありますね。

金額的にはATの方が有利で、バイクを単なる移動手段と割り切るならそれでもいいでしょう。

でも、AT免許では後で気が変わってMT車を運転したくなってもそれが叶いません。

その逆ができるのがMT免許のいいところでしょう。

バイクに長く付き合っていくと、少なからずバイク仲間が増えていくものです。

その仲間がオフ車で林道探検に出掛けたり、スポーツバイクで山道やサーキットを楽しそうに走っていたりすると、なんとなく感化されたりもします。

気が向いたときに、ATにはできない一歩踏み込んだバイクの楽しみを味わうことができるので、筆者としてはMT免許を最初に取っておくことをお勧めしたいですね。

「いきなり大型免許」の注意点

ハーレーのようにシート高も低く、のんびり楽しめる大型車種もありますから、こういう車種はかえって小柄な女性ライダーにやさしい場合もあります。

ただ注意しなければならないのは、スーパースポーツバイク最近では200馬力を超えのモンスターも珍しくなくなりましたね。

例えば10数馬力のマシンでも初心者には新鮮な驚きがあるものです。

まして、ハイパーマシンの持つスペックの誘惑は、まっさらな初心者にそれは猛烈なものでしょう。

バイクはついつい自己陶酔しがちな乗り物でもありますが、公道でバイクに乗るには「バイクを知って道を知る」ということが大切です。

「道を知る」=毎時周囲へ必要な配慮ができること。

このあたりの道徳をしっかりと教えてくれている人が身近にいるならば話は別ですが、まっさらな初心者とモンスターマシンの組み合わせは心配です。

ですから、免許はいきなり大型でも、目指す車両によってはなるべく出力の小さいものからステップアップする方法をとった方がいいと思います。

バイクの操作の練度を高めることと、「道を知る」の経験値を高めることはバイクと永く付き合っていくうえで重要ですからね。

中古ってどうなの?やっぱり新車?

バイクは安くない買い物ですから、少しでも安く手に入れたいというのは当然の心理。

そこで中古車を考えるわけですが、安い値段に飛びついて後々修理代の方が高くついて後悔するというのもよくある話です。

筆者は販売側の人間でしたので、中古車に新車のクオリティーを求めてクレームをお付けあそばすオキャクサマにも多数お目にかかりました。

基本的に中古バイクを買うということは、それぞれの消耗具合をしっかりお店に示してもらったうえで、どこで納得するかということ。

これをまずご了承いただきたいですね

なので、その「納得の尺度」というのも初心者には難しいので、周囲の状況が許してくれるなら、断然新車がおすすめです。

新車ですから当然メーカーが造った状態から付き合っていくのでよっぽどのことがない限り故障もないでしょう。

そのうえ、メーカーの保証をばっちり受けらますから、安心感は中古を買うよりはるかに高いと思います。

初心者の中古車ネット購入はNG?

全てを否定するわけではありませんが、少なくとも初心者の方に限ってはネット販売でバイクを購入するのは避けた方がいいでしょう。

中古車のネット販売をうまく利用する方法としては、当TIMEWARP RIDERS CLUBでもかつてこちらの記事でご紹介したことがあります。

ネットで購入するにはそのマシンについての情報を十分に仕入れたうえで、お店が公開している画像や動画をもとに質問し、補償の内容についてもしっかり打ち合わせる。

そういう風にネット購入には、知識と積極的なコミュニケーション力が必要であるということをこの中ではお伝えしています。

まっさらな初心者が、たまたま良心的なお店に当たればいいのですが、残念なお店もごく一部にあるわけでして…。

なので、値段につられて見知らぬバイク店からネット購入するのは全くお勧めしません。

車種選び以上にお店選びが大事

バイク選び以上に、ちゃんと付き合ってくれるお店を探すことが大事。

これは新車でも中古でも共通している話です。

(ひょっとしたら耐久家財全般に言えることなのかもしれないですね)

そのポイントをちょっとまとめておきますね。

自宅から簡単に通える店であること

まず、欲しい車種が決まったら、通える範囲のお店を複数物色するのがいいでしょう。

当然ネットを見ると、その車種の最安値も調べることも今では簡単です。

しかし、購入後のトラブルも想定して、自宅から通える範囲にある店を選ぶというのは重要なんです。

あきれるほど通いたおす

そして車両の目ぼしがついたら、自分が初心者であること、そしてそのバイクが欲しい意志をお店に示しましょう。

その場で買っちゃだめですよ、何度も通ってお店をじらすくらいがちょうどいいポイントです。

何度もモノ欲しそうに通っていれば、お店側も本気で欲しがっている上客と見てくれるはず。

購入時に「おにいさん(おねえさん)、そんなに通ってくれたからちょっとオマケね」とかあるかもしれませんし…。(おねえさん有利?)

相談に乗って提案してくれるお店が一番

何度も通うことの目的は、バイクだけでなく、お店の対応を見ることです。

筆者にはもう数十年来「仲間」として付き合ってれるショップがあるのですが、将来的にそうなってくれそうなお店があるといいですね。

でも、つれない塩対応のお店はオーナーになった後もパートナーとしてではなく、「業務」としてしか付き合ってくれない場合が少なくありません。

簡単に言えば、こちらの相談にどれだけ親身に乗ってくれるかを見に行くんです。

ちゃんとしたお店なら、まずお客さんの予算を聞いて、それに合わせて複数の提案をして選ばせてくれると思います。

例えば、身の丈に合わない高いバイクの買い方をしようとするとき、逆に「それはお客さんにはお勧めしませんよ」くらい言ってくれるところがいいお店というものでしょう。

というのも、一回お客さんに無理をしてもらっちゃうと、その人にまた次のバイクを進めづらくなるからなんです。

お客さんと永く付き合っていきたいと考えているお店は、そうやってお客さんに無理な売り込みをしないものです。

筆者の勤めた店が残念ながらそうだったのでいうんですが、一見相手の薄利多売的な店は、長い目で見ると初心者には向きませんよ。

初バイクにお勧めな車種は?

「排気量にこだわらず手っ取り早くバイクライフを手に入れたい」

それなら125㏄のギア付きスポーツがおすすめですね。

スクーターも利便性が高くもちろん楽しいのですが、やっぱりミッションの小気味よさというのは、爽快さをより高めてくれるものです。

手ごろ感なら125㏄

ホンダのグロムです。

小さな車両ですが、見かけによらず機敏な動きをしてくれます。

一般道であれば250㏄に乗る友達にしっかりついていけますよ。

燃費もよくて、このクラスにしては装備も豪華。

このバイクのワンメークレースなどもあって、凝りだしたらこのバイクだけで夢が無限に広がっていきます。

新車価格は351,000円。

中古でも人気車種で値落ちが少ないのですが、探してみると20万円前半のものも見つかります。

そして125㏄でもバイクともっと幅広く付き合うならこちら。

カワサキのKLX125です。

軽くてコンパクトながらゆったりと乗ることができ、オフロードもバッチリ走ることができます。

通勤通学からちょっとしたツーリングまで、幅広い使い方でクラスを超えたバイクの楽しさを十分に味あわせてくれるバイクだと思います。

車両価格は348,840円。

こちらもこのクラスでは大変な人気を誇り、中古市場でも20万円中盤から下がなかなかないのですが、買って損はないバイクでしょう。

125㏄おすすめポイント

125㏄には高速に乗れないというハンデもありますが、原付二種ゆえの利点もあります。

それはズバリ維持費が安いこと。

特に、車を持っている人ならなおのこと。

車の保険にファミリーバイク特約というのをつければ、バイクに車の任意保険が使えます。

詳しい料金は保険会社や保険のつけ方によって変わるのではっきりした金額をお示しできませんが、かなりお得になるのは事実。

「とにかくバイクに!」というなら、導入しやすいこの方法がおすすめなんです。

今話題の150㏄クラス

「いや、125じゃ高速乗れないし、やっぱりもっと遠くに行きたいよ」

というなら250までのクラスがいいですね。

おススメはいろいろあるんですが、最近はこんなモデルが話題です。

スズキのジクサーです。

メーカーのキャッチコピーも『「ぼくら」と「したい」をつなげるもの』というもの。

まんま冒頭のお話しの通りで、若い人をターゲットにしたバイクです。

今この150㏄クラスは親しみやすさが受けています。

「125くらいでいいんだけど高速も乗りたい」という人は多いようですね。

150ccはそういったビギナーさんの冒険にはぴったりなんです。

新車価格も316,440円。

なんと125㏄クラスより親しみやすい価格がうれしいですね。

まだ新しい車種なので、中古の玉はすくなめですが、20万円くらいが底値のようです。

小さくても元気に走りたいという方にはこちら

カワサキのNinja250SLです。

Ninja250には2気筒のタイプもありますが、単気筒のSLがおすすめです。

コンパクトで軽い車体は扱いやすいことはもちろん、見た通りのレーサーライクなスタイル。

このSLでサーキット走行を楽しんでいる方もたくさんいます。

サーキット走行には通常大きなお金が必要ですが、このバイクなら手ごろな予算でサーキット走行を楽しむことができます。

また、速く走らせようとすると大きなバイク以上に技が必要なので、レース指向のライダーが腕を鍛えるのにもぴったりなバイクなんですよ。

新車価格は523,800円。

中古では20万円台中盤以降から見つかります。

カモシカバイクで冒険心を満たそう

ヤマハのセロー250です。

「セローがあれば何でもできる」と言われるくらいの実力派。

日常領域からツーリングはもちろん、林道へ分け入っていくタフさも持っているのがセローの素晴らしいところ。

「セロー」とはカモシカの事で、その名はカモシカのピョンピョン跳ね回る軽やかな行動力にあやかったのだとか。

テントを積んでどこまでも行ってみたい。

そんなカモシカ的ライダーにはぴったりな一台です。

新車価格は507,600円。

中古価格は30万円台中盤から40万円中盤までのものが多く見られます。

残念ながら昨年惜しまれつつ製造は終了してしまいましたが、まだまだ根強い人気があります。

「そもそも足つき性が心配だ」という小柄なライダーに

 

ホンダのレブルです。

690mmという大変低いシート高で、脚つき性がよく初めてのライダーにもとても扱いやすいモデルです。

単気筒ながら、のびやかで加速感のあるエンジン。

太いタイヤも頼もしく、ツーリングに出掛けると思わず距離を伸ばしたくなる。

レブルはそんなわがままにも優しくきっちり付き合ってくれる存在になってくれますよ。

新車価格は537,840円~。

レブルはまだ新しい車種なので中古車は少なく、あっても40万円台からのものですね。

とてもフレンドリーな性格。

所有価値の高い一台だと思います。

保険はどうしようか?

任意保険の保険料が高いからと言って、自賠責(強制保険)のみでバイクに乗るのは全くお勧めしません。

「任意」保険は社会的には「強制」

筆者は母が損保の代理店を営んでいたので、任意保険非加入で事故に遭った場合の散々な事例をいくつも聞かされていました。

バイクに乗るというのは常にリスクに乗るようなものでもあります。

そのリスクというのは、平素では考えられないほどの金額を請求され、一生を棒に振る可能性をも含んでいるのです。

「任意」と字で書きますが、社会的にはこの加入は「義務」だと思っていいでしょう。

バイクを導入するうえで費用的にネックにはなりますが、任意保険への加入を省くというのはあり得ないことです。

先述125㏄については車のファミリーバイク特約を使うなど、お得に済ませる方法もあるのですが、126㏄~でもネット保険の活用で幾分か負担を抑えることができます。

これも保険会社やかけ方によって様々で、「いくらです」というのは難しいのですが、ロードサービスの距離が無制限で受けられるなど、付帯サービスの良さで選ぶのもいいですね。

今はこういった保険の一括比較サイトなどもあるので、料金の試算などにお役立ていただければと思います。

メットは物的保険

装具の中でも特にメットに関してはちゃんとしたものを選んで欲しいですね。

安さと形だけで選ぶのは危険

以前、あるバイク用品店で高校の制服を着た男子二人が、こんな会話をしていました。

「なぁ、原チャから250に乗り換えるからって、フルフェイスも見るからに息苦しいよな」

「あんなもん息できなくね?」

「やっぱ、半キャで十分しょ。」

そうそう、コルクが一番だよな。」

そう話しながら和んでいる様子に、筆者は氷りつきました。(←これマジです。)

これはやっぱりどう考えても…。

これはあり得ません。

実は今回の稿はこれを聞いて書きだしたようなものです。

メットはおまわりさんに捕まらないために被るのではありませんからね。

最大の目的は、コケてしまった時に自分の頭を守ることにあります。

また、加害者がいた場合の加害責任を大きくしないという意味においても重要なものですね。

なので、質を考慮せずに値段の安さだけでヘルメットを選ぶべきではありません。

ヘルメットの良し悪し

メットとして理想的なのは、いざというとき首を痛めないように軽く造られていて、なおかつとても頑丈であることです。

その質を見る基準として、法的には日本工業規格(JIS)の規格をクリアし、そのマークがあるものであればOKです。


↑JISマークは製造物責任法にも続くPSCマークと一緒に示されていることが多い。

しかし、強く推奨したいのはSNELL(スネル)という規格をクリアしたヘルメット。

このスネルというのはJISよりも厳しい検査が行われていて、しかも5年ごとに厳しさを増していくようになっているんです。

ですから、できればこのSNELLのマークがあるメットを選んでいただきたいですね。

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中でも筆者おすすめはアライ。

アライの場合はスネルを上回る厳しさの「アライ規格」を、完成品からランダムに抜き取って検査するのではなく、全件検査でパスさせたものを出荷しています。

上記のヘルメットもアライの中でもエントリーモデルに属するものですが、アライの場合はそういったモデルにも、JISだけではなくスネル規格を通しているのがおすすめのポイントです。


バイクに乗る大きなメリット(まとめ)

バイクに乗るメリットはたくさんあります。

中でも実感しやすいメリットとして、感受性が増して物事よりを情緒的に感じ取れるようになることが挙げられるでしょう。

町々によって違う空気感や、季節の移ろい。

車と違ってそうしたものが5感にビシバシと伝わってくるので、いつもの風景でさえリアルに充ちたものに感じる。

それは、他の何にもまして代えがたい感動。

少なくとも筆者はその感動を追い求めるためにバイクに乗り続けることを選びました。

でも、バイクは危険な乗り物だと非常によく言われますよね。

意外なこっめんとと思われるかもしれませんが、筆者も30年バイクに乗っていて、これが「安全」だと思ったことは一度もありません。

でも、かけがえのない感動を「あぶない」の一言で遠ざけたくはない。

そのために、付きまとうリスクを何とかしようと知恵を巡らせ、技を使おうという意識を努めて持つようにしています。

こうして徐々に、事故に対する防衛力や責任意識が備わっていくのも、バイクに乗る大きなメリットだと思います。

さぁ、これからバイクを始めるみなさん!

小さなバイクで大きな未来、バイクで自分をもともっと連れ出して、魂を輝かせるために、心をぶん回しましょう!

(国内4メーカーのキャッチフレーズより)

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