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目次
あなたは雑誌派?それともSNS派?
突然ですが皆さん、
日ごろ皆さんはバイクの新しい情報をどんな方法で入手されていますか?
「もちろん、気に入ったバイク専門誌があるからそれを読んでいるに決まってるじゃない。」
そうお応えになる方もいらっしゃるでしょう。
私も昔からそうなので、みんなそうなのかと思っていたのですが、今は案外そうでもない。
というよりむしろ、私のようなマガジンloverは少数なんだそうです。
ある調査で、いわゆる若年層に「バイクに関する話題の情報源はどこですか?」と訊いたところ、「SNS(Twitter)や口コミから」という人が断トツ。
続いて「量販店などお店での広告から」という順になるそうで、「専門誌から」と答えた若者はほとんどいないんだとか。
(参照元;一般社団法人 日本自動車工業会 2019年度二輪車市場動向調査の概要)
確かにインターネット全般の時代。
1カ月に一度の発行される情報誌よりも、スマホをもまさぐった方が早く気軽に欲しい情報にアクセスできて便利ですからね。
ただ、手に取ってゆっくり楽しむ雑誌の魅力というのも、それを知る私からすれば捨てがたいもの。
ネットに記事を書いている身でいうのも変なのですが、あえて紙の本を買ってじっくり読んでみるということをお勧めしたいんです。
意外にそれだけのことで、忘れていた何かを発見するかもしれません。
というわけで今回は、今一度バイク専門誌の魅力を考えたと思います。
マイケル・ジャクソンが原チャリのCMに出ていた時代があった!
かつては八千草薫さんがパッソルに乗って「足をそろえて乗れるんです」と宣伝していたり、スズキLOVEのCMにはなんとマイケル・ジャクソンが起用されていたり。
そんな時代もあったねと、笑ってしまう時代が来たわけですが、今考えるとすごいことですよね。
原付のCMは一部例外だったのかもしれませんが、基本的にバイクのコマーシャルは業界の自主規制等々大人の事情があり、車両やグッズの新発売があっても、それがTVやラジオでCMが流れることは今もほとんどありません。
つまり、バイクの情報というのは黙って向こうからやってくるものではなく、自分から積極的に取りにいかないと手に入らないものなんですね。(そういえば見たことないでしょ。)
ネット以前の時代には、コンビニの雑誌棚でいくつものバイク雑誌が売られていたわけで、お気に入りの雑誌の発売日が無性に楽しみだったと言うのは私だけではなかったはずです。
そんな1980年代からかれこれ40年(あっちゅー間すぎてコワイ)ご承知のようにバイク人口は当時の1/10にまで減少し今なお減少中。
ましてやネットの時代、わざわざ書店に行かなくても本は買えますし、そもそも雑誌に頼らずとも、「#」をつけてつぶやけば、簡単に欲しい情報の概要を知ることができるという時代になりました。
一説によると、現代においてバイク雑誌は、月5~6千部も売れればいい方なんだとか。(ホントかなぁ?)
その一方で、月1万PV(プレビュー)を数えるバイクWEBサイトが乱立するという時代です。
人は便利な方に流れますから、まぁそれも仕方ないのかもしれないですね。
ネット記事と専門誌の記事
その端くれが言うのもなんですが、ネットから発信されるバイク情報も今やジャングル状態。
自分で欲しい情報を選びながら取り入れていくのが前提とはいえ、雨粒のように降り注ぐ情報の中から欲しい一滴をまさぐり出すことを、実は最近チョっと面倒に思いはじめていたりします。
私の場合、ただ情報を探るというより、ほかのライターさんが書かれた文章を書くための勉強として大いに参考にさせていただいていますので、そうした意味でバイク専門誌の記事にはある種の安定感を感じているところ。
やはり専門誌の記事というのはカメラマンさんもいたりしてお金もかかっていますし、きれいにデザインされた構成などは、私のような一兵卒がワードプレスにダダッと打ち込んでいるだけでは絶対マネできない程の読みごたえが、当然ながらあるものですね。
なので、得たい情報の正確な「芯」をスパッと得ようとするならば、専門誌からの情報の方が手っ取り早いような気が最近余計にしてきているんです。
もちろん、今では専門誌各誌が電子版として短編の記事をSNSで発信していますから、そうしたものも手軽で便利ですし、同じように勉強になります。
ただ、そうした短編記事ですと、当然ながらその情報のみを得て終わることが多いですよね。
その時はそれで用が足りてしまうわけですが、自分の検索意図にない記事に心を動かされることというのもよくあることです。
なので、いろいろな情報に出逢おうとするなら、月刊誌の情報の厚みにはかなわないのではないかと思うのですか皆さんはどう思われますか?
電子版を読んで改めて知る紙版の楽しさ
とはいえ、なかなか書店に寄る時間も無かったり、いざ買い込んで保管するにも相当にかさばるもの。
なので、最近私はFujisan書店というサイトで、某誌の電子版を定期購読しています。
このサイトの定期購読なら初回3号まで半額で読むことができたり、紙で買うより価格が抑えられる場合もあるのでお得。
その上、スマホやタブレット、それにPCからでも「あ、そうだ」というときに、ツーリング先のカフェ等でも気軽に読むことができるので便利。
最初はタブレットで読む戸惑いというのもあったわけですが、それはすぐに慣れてしまったので、これはこれで凄くいいですね。
ただ、確かに電子版で情報として記事を読むのは便利なのですが、モノとして届かない分「SNSで○○誌本日発売!」と言われてそうかと思っても、忙しさにかまけてつい開くのを忘れてそのままになってしまうことがあるのが、欠点と言えば欠点なのかもしれません。
そんな中、私が起案した広告を掲載していただく機会に恵まれたご縁で、最近新たに造形社さんの単車倶楽部誌をこのサイトから定期購読することにしたんです。
実はこちらも電子版で購入するはずだったのですが、何を押し間違えたか毎月紙の雑誌本体が届けられることに…。
ただ、この間違いは結果的に大正解でした。
ポストにドンと届いていると、「お、来たな」と思いながら手に取って、その重みを感じた瞬間からちょっとワクワクしてきます。
さらに封筒を開けると、ビシっと装丁された傷の無いきれいな雑誌がインクのにおいと共にコンニチワする。
その瞬間に、電子版やましてネットの記事にない小さな感動をもたらしてくれるものなんですね。
自分が末席でバイクの物書きをしていることも多分にありますが、この本がこうして届くまでに編集に費やされた労苦を想うとそうした感動も一塩だったり。
それに、普段PCの画面と四六時中にらめっこしている生活の中で、ページをめくって活字を読むというのが何故か新鮮にも思えて、液晶画面で見る以上に落ち着いて鑑賞できるように思います。
つまり、装丁された紙版雑誌の中には誌面の豊かな情報だけでなく、「便利を求める中で忘れてしまったワクワク感」を共にいただける幸せがあるのだと改めて確認した今日この頃です。
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2018年BLFで、編集者たちが誌面に込める想いを学んだ
毎年参加させていただいているバイクラブフォーラム(以下BLF)。
今年は大阪での開催はコロナのために中止になってしまいましたが、これまで参加させていただいた中で、おととしの夏岩手県一関で行われたバイクラブフォーラム第6回大会は私にとって神回でした。
ちなみに「バイクラブフォーラムって何?」とおっしゃる方のためにちょっと説明しておきましょう。
バイクラブフォーラムは全国から、それこそメーカーや販社の社長さんか重役さんクラスの方々、はたまた行政の自動車関係当局の方までが一堂に会し、これからのバイクの在り方を、それぞれの立場から深く話し合う場です。
会の最後にはいつも自動車工業会を代表してヤマハ発動機の日高祥博社長が総評をなさいます。
言ってみれば八百万の神様が一堂に会すという「10月の出雲大社のバイク版」とまで言ったら些かオーバーかもしれませんが、業界が現状から次の年のバイク市場の方向性を見定めるという意味では同じようなものだと思います。
おととしの一関大会では
- 「若者のバイク離れ」
- 「バイクによる社会貢献(被災地復興支援)」
- 「平均年齢約53歳となったバイク人口のバイクライフ延長策とは?」
といったバイク業界が久しく抱えている課題の打開策がテーマでした。
わたしがこの回を「神回」と思うのは、普段は市場から上がってくる数字を基に業界目線で話し合われるBLFに、バイク誌の編集者たちが集まって「ユーザー目線」でこれらのテーマを話し合ったという点がその理由です。
関連記事;バイクと教育の新展開「3ない運動」撤廃後のポジティブな動きとは?
テーマごとにそれぞれの登壇時間は異なりますが、この回に集まったのは下記のバイク誌編集者の皆さま方。
バイク誌をよく読むという方なら、彼らがそうそうたる方々であることがお分かりいただけることでしょう。
各々のテーマで語られる彼らの言葉は一様にして実にうんちく深いもの。
例えば、バイクライフの延伸というテーマでは埜邑氏が、
BikeJINで[生涯現役宣言]と言う読者参加型の特集を組んだ時も、最高齢の方が80歳だったんですよ。
50代60代を長く支え、ユーザーのライフステージの変化も視野に入れたサポートが必要ですね。
とった話をされていましたし、
バイクによる被災地復興支援というテーマでは、東北出身で自身も東日本大震災後にバイクで医薬品の運搬などを手伝われていたという菅生氏が、
発災からしばらく東京と東北を行き来する中で、高速のPAやSAには車がほとんどいなかったのに、荷物を満載したバイクだけはよく見かけた。
それを不思議に思ってOUT RIDER誌で復興支援イベントを開催し、「どうしてライダーが被災地に集まるのか」という話題を彼らに投げかけると、
「ライダーは元々リスクとの付き合い方を知っている人が多いからではないか?」
という答えが返ってきて、その言葉に痛く納得した。
という話を披露されていました。
さらに、女性へのバイクの魅力訴求の話題では原田編集長が、
女性はとにかく直感でバイクに乗る。
男性から見れば女性はかわいいバイクを好むと思いうかもしれないが、一度「かっこいい!」と思うと無骨なバイクでもどうにか乗りこなそうとみんな頑張るんです。
イベントでは多少の立ちごけも何のそのという勢いを女性ライダーから毎度感じているんですよ。
といった具合に、それそれの誌面に対する読者からの反応や、開催してきた数々のイベントで出会ったエピソードから、単に数値ではない「ライダーの表情」を語ってくれたのがとても印象に残り、得るものが多い回でした。
私がこの回で特に凄いなと思ったのは、若者のバイク離れについてのトークセッション。
基本的にこの石巻大会は、2018年4月発表の「二輪車市場動向調査(2017年度版)」の数値を基にその対策を話し合う内容になっていて、この数値からこの先のバイク環境をどう考えていくかという話の展開がメイン。
ですがこのセッションでは登壇されたメディア諸氏から、
イベントに来る学生ライダーたちは、安いぼろぼろのバイクをどこかから手に入れて、それを少ない小遣いをかき集めながらワイワイガヤガヤ仲間と直して乗って楽しんでいる。
確かにTwitterを使い、自分のバイク名や行きたいツーリング先の名前にハッシュタグをつけて仲間を募って出かけたりして、ネットを使うようにはなっているけれど、本質は昔と全然変わらない。
バイクに対する情熱は今もちゃんとあるもので、数が少ないからと言って、業界の方であきらめの理由を勝手に若者のせいにしているのではないか?
という風に、業界に視点の転換を投げかける場面もあったのが印象的です。
ちょうど私も当時、大学生ライダーと話をする機会が多くあり、彼らのバイク熱に奮い立った経験があるので、このセッションで語られた言葉に痛く共鳴したのを覚えています。
つまり、情報の発信者というのは、単に言いたいことを発信しているのではなく、常にユーザーの側で彼らの動向に耳を傾けていて、彼らのために何ができるのかを考え続けている。
恐らくそれは基本中の基本なんだとも思うわけですが、媒体が違ってもその姿勢がブレていないというところに、伝え手の何たるかを学んだのと同時に、雑誌は常にユーザーの味方なんだと心強く思ったのでした。
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新創刊を応援したい
松下氏が編集長を務めるオートバイ誌は、大正12年(1923年)5月の創刊といいますから、間もなく創刊100年。
これは本当に凄いことだと思います。
これまでバイク雑誌の休・廃刊が相次いだ中ですが、最近では新しく創刊されるバイク雑誌もいくつか出てきていますね。
先述の単車倶楽部誌も今年創刊3年目という若い雑誌。
ユーザーの興味傾向が「モノからコトへ」と変化する中、単にバイクをモノとして紹介するだけではなく、バイクと人とのかかわりの楽しさにフォーカスした誌面で、着実に新たな読者を獲得しています。
そして今月、株式会社 社会評論社というところからあの根本健氏率いる「RIDE HI」誌が創刊され、この時代に紙雑誌を出す勇気に周囲が驚いているところです。
誌面はスタイリッシュ、かつ安全にバイクライフを楽しんでもらいたいという願いにあふれていて、バイクの贅沢な一面を美しく鑑賞するようなテイストが素敵ですね。
RIDE HI誌の創刊号前半には、新創刊に寄せた編集者の方々のコメントが掲載されているのですが、その15ページにBLFにも登場した宮城光氏が「いま、雑誌を創刊する意味」として、
「~モーターサイクルはLuxury item出なけでなければならない。
だとすれば、ゆっくりと時間をかけて吟味することも至福の時としてしかるべきだ。
(中略)私は神に印刷された美しい一瞬や行間の奥に秘められた思いを読み起こすことが喜びだ。
生活形態が変わろうとも世の中の速度が上がろうとも、本質的な人間の感性は、半世紀くらいで変わるまい。」
という言葉を寄せていらっしゃいます。
はっきり言って、このページのこの言葉こそが、今回この稿の執筆動機。
そうなんです。
懐古主義?そんなものではなく、便利で早いことに慣れ切った中で、あえて一昔前には当たり前だったスローさに触れる時間は、むしろ新鮮な発見や感動に満ちた時間。
(一つ言えば、バイクはあまり贅沢なものではなく、手に届きやすい夢であってほしいという願いもありますが…。)
「本質的な人間の感性」として表現される宮城氏の言葉が、私が最近感じていたモヤモヤ感をズバッとストレートに打ち抜いてくれました。
今回は、デジタルと紙の両方でバイク雑誌を読んでいる中で紙媒体の豊かさに改めて気づいたわけですが、皆さんも是非今一度、紙の重みを感じながらページをめくる興奮を愉しんでみてほしいと思った次第です。
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