コロナ対策にバイク業界動く!販売店がバイクを医療従事者の方々に無償提供を開始

目次

コロナにバイクができること

非常事態宣言の発出から約1か月。

世界に多大な悪影響を及ぼしている新型コロナウィルス感染症は、収束の兆しを見せつつあるものの、依然として油断を許さない状況が続いています。

そんな中、まさにこの瞬間も必至にこの戦いの最前線に立っている奮闘されている医療現場の皆さんは、勤務シフトも崩壊した中で通勤の足を公共交通に頼れない事情もあり、スタッフの確保という面でも現場は相当な苦労を強いられているようです。

「バイクでこの状況に貢献したい」

その気持ちをカタチに示すべく、バイク業界の中から医療現場への支援を呼び掛ける声が上がりました。


医療従事者の方々にバイクの無償貸し出し始まる

平常時、公共機関で通勤していた医療スタッフにとって、シフト崩壊中の今、通勤の足の確保は喫緊の課題。

レンタカーという手もありますが、そもそも時間通りに返せるような状況でもなく、一分一秒を争う中でタクシーが必要な時につかまりにくいという悩みもあるのだそうです。

医療現場から上がるこうした声に、自社のレンタルバイクを医療従事者の方限り無償で貸し出すショップが現れました。

現在複数のショップ等がその高い志をお示しになっているのですが、ここではインターネットに掲載された日付の早かった順にいくつかご紹介してまいります。

その声は横浜・湘南エリアから

業界の中でいち早くその声を上げたのは、横浜にある丸富オート株式会社。

同車は4月12日、公式ホームページ上に


映像参照元;丸富オートレンタルバイクシステムズHP

という記事を公開して注目を浴びています。

このサービスは横浜市を所在地とする医療法人が対象。

国内メーカーの原付1種・2種を利用できるようになっています。(車種の選択は不可)

期間はなんと、「新型コロナウィルス感染症収束まで」(一か月ごとの貸し出し契約の更新が必要)

その上なんと、任意保険や車両補償の加入についても無償で提供されるといいますからこれは驚きです。

横浜市内の医療従事者の方で、臨時の足が欲しいとおっしゃる方がいらしたら、役立てていただきたいですね。

詳しいお問い合わせは、丸富オートレンタルバイクシステムズへ。

 

動画で有名なあのショップが、業界に呼び掛ける

同じ横浜市内でもう一店、医療従事者の方々への支援を業界に呼びかけているショップがあります。


画像参照元;Google ストリートビュー

それは独自のYouTubeチャンネル人気のYSP横浜戸塚店。

同店は4月16日、「医療従事者の方限定でスクーターなどを無償で貸し出します」という内容の動画を公開しました。

https://youtu.be/Imr2QJX9I9U

 

この中で冒頭、いつも軽妙洒脱に楽しませてくれる島田祐介が、

「今回はまじめなお話です」

と前置きしながら語ったのは、

「普段は通勤の足を電車など公共交通に頼っている医療従事者の方が、少しでも人との接触を減らしながら通勤できる環境を整えられるように、車両だけでなくヘルメットや胸部プロテクターなども同時に無償で貸し出します」

という旨の医療従事者への感謝と思いやりに満ちた内容。

「バイク店が医療従事者の方々へ車両の無償提供を行うことがどれほど世の中に求められていいるのかはわからない」

としながらも、

「とにかくまずはアクションを起こしてみる」

というチャレンジングな姿勢には心を打たれるものがあります。

さらには、

「うちの店で用意できる車両にも限界があり、医療の安定に貢献できるといっても、その規模は限られたものになってしまう。
なので、同じような志のある全国のオートバイ屋さんで自分のところの車両の貸し出しができるというお店があったら、広報でお手伝いします。
たとえ偽善と取られても、やらないよりはまし。
みんなでやっていきましょう!」

という投げかけも行っているのが凄いですね。

今回は近隣エリアのバイク店にも声をかけ、「スリーピース」、「HVファクトリー」というショップと共にサービスを開始したとのこと。

動画で紹介されるレンタル車両は、50㏄~125㏄のスクーターが中心。

https://youtu.be/19Qjc5b6cIQ

 

ヤマハの販売店らしくトリシティーのラインナップがあるのはもちろん、その他にもホンダのジャイロ系スリーターも用意され、転倒リスクにも配慮されているのは、本当に素晴らしいですね。

HP上、利用方法等は詳細な案内がないのですが、横浜市は鶴見・戸塚・藤沢近辺の医療関係の方でご希望の方がいらしたら、YSP横浜戸塚店に直接連絡を入れてほしいとのことです。

「バイクで医療をフォローしよう!」その志が、二輪業界に広がる

YSP横浜戸塚店の呼びかけがきっかけとなったのかどうかは定かではありません。

しかし、この動画が公開された後、二輪業界大手が続々と同様の志を表明するようになりましたから、やはりその影響はあったのではないでしょうか。

バイクレンタル大手が協力を表明

4月22日にはバイクレンタル大手「レンタル819」が医療従事者の方を対象としたバイクの無償レンタル開始を発表。


画像参照元;レンタル819公式HPより

実施店舗は全国24店舗。

期間は6月末まで。

普通免許でも利用してもらえるようにという配慮から貸渡車両は50㏄スクーターとなっています。

全国的にこの動きを拡大させてくれたというのはさすが大手レンタルサービスといったところ。

その他の詳細は「レンタル819医療従事者支援通勤車両貸出しの詳細の通りです。

「バイクさえあれば楽になる」という全国の医療従事者の皆さん。

この機会に是非チェックしていただきたいと思います。

 

二輪オークション大手も協力を表明

業界紙「二輪車新聞」4月24日付(WEB版)は、中古二輪オークション大手の株式会社BDS柏の杜(かしわのもり)が医療従事者への二輪車無償提供を開始すると報じました。


画像参照元;株式会社BDS公式HP

BDSは関西と九州、そして関東では千葉県の柏市に巨大なオークション会場を持っている国内シェアNo.1の中古二輪車オークション会社。

今回はBDS柏の杜(かしわのもり)が50台の車両を用意し、関東近県の医療従事者を対象に、最大9か月間もの長期、無償レンタルを開始するという内容です。

さらに、貸渡車両は原付だけでなく、

BMW Rnine T、ヤマハMT09、ホンダレブル250、ヤマハWR250R

といった小型二輪も4台ほど用意されるので、空き状況次第ではこれらを使うこともできるそうです。

受け付けは5月7日(木)から開設される専用サイトに応募(多数の場合は抽選)する形式。

そして、車両の受け渡しは利用者の住所付近のBDS会員店舗で直接車両の借り受けが可能なほか、利用者が店舗に行かなくても、


映像参照元;BASホームページ

系列のバイク輸送会社、BASによる配送サービスも受けられるという手厚いサービスとなっています。

地域、台数に限りはあるものの、レンタカーよりも単価の高いバイクレンタルを3~9か月間も無料で行うという内容。

相当にこれは勇気のいる決断だったのだろうと思います。


確実な手ごたえ

先述、YouTubeを通じて業界に医療支援を呼び掛けたYSP横浜戸塚店は、4月27日にもさらなる動画を公開しています。

この動画は、同店が始めた医療従事者への支援事業の途中経過を報告する内容になっていて、既に医療従事者の方への貸渡しが複数あった旨を伝えています。

「最初はこのサービスが本当に必要とされるのかも分からないまま始めてみた」

という島田店長ですが、「サービスを利用した医療従事者の方のお話」として、

「勤務が不規則になり、急に呼び出しを受けることもあるが、深夜は電車バスに頼ることができず、タクシーもなかなか来ないという事情がある」

ということを伝え、この声に応えるべくさらに5台の車両を導入すると発表。

さらに、

「業界に同じ志を持つお店などがあれば、是非みんなでやっていきましょう!」

と再度の呼びかけも忘れません。

いつも多くのライダーを楽しませてくれているバイク界のエンハンサーとして、これは本当に立派だと思いますね。



「バイクで医療従事者支援」、その意味は一つの叫び

新型コロナウイルス(COVID-19)は、「感染しても数日は無症状のままウイルスの運び屋になる」という変った特徴を持つ病。

それゆえこの時期に、

「自分は感染などしないから大丈夫」

と、安易な考えでツーリングに出ることは、結果として医療現場で働く人々に相当な負担を強いる可能性を高めることになります。

また、新型コロナウイルスは感染症のみならず、様々なところで差別や争いの引き金にもなっており、バイクに対する風当たりが平素より強まっているのはとても悲しいことです。

水掛け論はもうやめよう

そんな中、バイク業界がレンタル収益を0にしてまで行う医療支援事業は、あくまでも医療崩壊を防ぐため。

しかしこれが、

「バイクの有用性を世の中に理解してほしい」

という叫びに聞こえるのは私だけではないでしょう。

この時期に「バイクに乗る乗らない」については、ライダー同士でも異論反論が吹き荒れていますね。

いずれにせよ、これ以上バイクが社会から負の認知を受けることを避けなければならないのは確か。

そのためには、ライダー一人一人の「共感力」が必要です。

恐らく、私たち一般のライダーが、バイクの力で直接医療現場をフォローすることはできないでしょう。

しかし、もしできることがあるとすれば、それは不要不急とそれ以上のリスク軽視した独りよがりのライディングをやめることです。

もう少しの辛抱で、自粛生活の出口が見えてきます。

他人に対する想像力と思いやりの気持ちを持って、何とかこの困難を乗り超えていきましょう!

OVERCOME!

※OVERCOME;乗り越える・克服するの意。

※※今回は2020年5月5日現在、「バイク 医療従事者」という検索でインターネット検索上位に表示された企業様についてご紹介しました。

このほかにも同じ志を持って同様のサービスをされている企業様もあるのではないかと思いますが、文の構成上ご紹介の無かったこと、あしからずお許しくださいませ。

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