ヘルメットの『空力』ってどうなの?アライのRX-7RR5にRX-7レーシングスポイラー「DF-X2」をつけてみた

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目次

メットも空力の時代

走行中に発生する負圧でヘルメット内部の空気を外に吸出しながら新気を入れて冷却するためのエアロデフューザー。

90年代の初めに鈴鹿8時間耐久レースでアライのヘルメットを使用する選手たちがこれを装着しはじめたのを見て、非常にうらやましく思ったものでした。

当時は割と特殊な、しかも高価なオプションでしたが、そのころから他社も独自のデフューザーシステムを採用しはじめ、今ではヘルメットの常識的な装備となっていますね。

近年、MotoGPのような超ハイスピードバトルの世界においてマシンの空力性能が重視される中、ヘルメットにもさらなる空力性能が求められるようになってきました。

当然、公道ではそんなスピードを出すはずもなく、

『ヘルメットに空力云々といってもねぇ…』

と思っていたのですが、ビジュアル的なカッコよさにつられて、私も最近発売になったレーシングスポイラー「DF-X2」を手持ちのアライヘルメットRX-7RR5につけてみることにしました。

 

今回はこの「DF-X2」で、「公道におけるメットの空力の意義」を確かめてみたいと思います。


公道でメットの空力って必要なの?

わたしのメットコレクションにはRX-7RR5(以下ファイブ)のほかに、ジェットヘルメットのSZ-RAM4(以下SZ)があるのですが。

例えばこの2つのタイプのヘルメットを被り比べてみると、公道レベルのスピードでもヘルメットに空力の良さが必要だと気づかされることがあります。

例えば風の音と疲れの問題

まずSZですが、これはジェットヘルメットなのに、厳しいスネル規格に適合している凄いヘルメット。

メガネをかけたままでも脱着でき、帽体が非常に軽いため、どちらかというとSZの方が使用頻度が多いでしょうか。

また、デフューザーもちゃんと備えていて風の抜けが非常に良いので、夏場ややはり重宝しますね。

ただ、高速道路を長くクルージングするような使い方をすると、「ボア~」という風の巻き込み音が大きめなのが気になります。

普通の道ではあまり感じませんが、この音を高速で長く聞いていると、これがだんだん疲労に変っていくんですね。

その点はフルフェイスの方が楽です。

ジェット型のSZよりも風の音を不快に感じることはなく、風の抜けの良さもしっかりと感じることができるので、私は高速道路メインのツーリングに出る時は主にファイブを被っています。

つまり、メットと空力の関係として公道で最も感じやすいのは「音の問題」。

「音の疲れを防ぐ」という面でも空力の良いヘルメットは必要なわけですね。



そんでもって、スポイラーってどうよ

SHOEIはハイエンドモデルのX-Fourteen の開発にあたり、あのマルク・マルケス  選手を起用して風洞実験を行うほど空力には熱を入れています。

https://www.shoei.com/360/x-14/


※画像参照元;SHOEIホームページ-X-Fourteenより

X-Fourteenではヘルメットを浮き上がらせようとする力を3%、前から押し付けられるような力も10%低減。

そして、風で首が横に降られる力を従来比50%も低減させえているというのは凄いですよね。

つまり「首の疲れを防止する。」

というのが、新しい空力ヘルメットの目的ということになるわけです。

尖がった帽体の効果も気になりますが、アライファンとしては後付けで手持ちのヘルメットに取り付けられるスポイラーというのが魅力

何より、アライが重要視する「衝撃をかわす性能」に支障を及ぼさないというのが気に入り、私は「DF-X2」を選びました。

RX-7RR5に「DF-X2」って着くの?

当初「DF-X2はRX-7X用で、ファイブには適応しない」と聞いていたのですが、とあるライダーから「ファイブにも装着は可能ですよ」という話を聞き、

早速最寄りの2りんかんで、ライトスモークを注文してみました。

ライトスモークは特に大人気とあって「納期未定」とのお返事があり、約3週間ほど気長に待ってようやく入荷。

入荷連絡時に、

「アライの講習を受けたスタッフが取り付けますので、ヘルメットをお持ちください」。

とお話頂いたので、装着は2りんかんスタッフの方にお願いしました。

取り付けは簡単…?

と思いきや、スタッフの方がおっしゃるに、

「やっぱりこのスポイラーは基本的にX用にできているので、ファイブの場合微妙に寸法がずれますけどいいですか?」と念を押されました。

具体的にいうと、Xとファイブではディフューザーの形(特に後端の角度と長さと角度)が若干違うのと、左右の間隔がほんのわずかに異なるのだそうで、

 

ご覧のように、Xではスポイラーがディフューザーの後端をしっかりと延長した形になるのに対し、ファイブでは隙間が空いた形になります。

ここを気にするかどうかですね。

しかしながら、装着自体は可能。

「実は隙間があるんですよ」と言わなければわからないレベルですし、私は気にしない星人なので、これで良しとします。(笑)

意外にこれは…!

装着後にたまたま高速道路を長く走る機会があったので、早速スポイラーの効き具合いを見てみることにしました。

流石に一般道の常用速度域では、スポイラーを追加したことを忘れてしまうほど、効果そのものは感じ取れないのですが、

高速に入って、100㎞/hほどで巡行を続けていると、「おぉ、なるほど」とその効果に気づかされるようになりました。

具体的には、頭を左右に振られることが少なくなり、前から押さえつけられるような感じがいつもより軽く、頭のおさまりがいつもより良く安定しているのを確かに感じることができます。

この時は6時間ほど連続して高速巡行を続けていたのですが、(※無論、2時間ごとに休憩あり。)

『いつも無意識のうちに自分の首にはずいぶんと仕事をさせていたのだな』と思うほど首が楽。

恐らく、高速のロングクルージングや、最近いくつかの高速道路にできた120㎞/h区間などでは、装着前との差を大きく感じるのではないかと思います。

後付けなのがいい

私のファイブも購入から早7年。

もうそろそろ更新したいところですが、6万円越えのヘルメット更新はまだちょっと勇気が足りません。

(最近のヘルメット、高くなりましたねぇ…。)

それだけに「今年は内装交換で凌ぐか」と思っていたところに、「DF-X2」が登場してくれたのはラッキー。

先述の通りRR5では若干の難点があるものの、手持ちのメットが最新の空力をゲットしたのはうれしいことです。

既存ユーザーを置いてきぼりにしないで、後付けパーッとしてリリースしてくれたアライさんには感謝ですね。

空力を味方につけることでツーリングも楽になることを知った今、もし今後ヘルメットを更新するとすれば、やはりスポイラーが付いたものを選びたいと思います。

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アライさんはアドバイザーのいるショップでの取り付けを推奨中。

ですが、通販でご購入なさる方のために「アライのRX-7レーシングスポイラー装着方法の説明動画」も付けておきますので、こちらも併せてご参照ください。

 

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