バイクのオイルは安くちゃダメ?安くても信頼できるオイルみっけ!

小田原のオイルとか、おフランスのオイルとか、名のあるオイルはいいけど高いですよね。

でも、安くていいオイルがあったら欲しくないですか?

「えっ、ブランドに浮気できない?」

「コスパ上等オイルなんて入れたくない?」

いや、ある程度のオイルだってチャンス仕事はしてくれるはず…。

というわけで今回は「激安オイルってダメなの?」について考えます。




目次

やっすいオイルが必要なワケ

むっかーしむかしのお話ですが、筆者はラ〇コのオイルケミカル売り場に勤めていました。

販促にとやって来るオイル会社の営業さんからいろいろなうんちくを訊いていましたから、おかげさまで「いいオイルってどんなものか?」はだいたい理解しています。

「アドバイザー」という肩書でお客様の様々なニーズに応えようと、筆者もこれまで小田原のオイルやら広島のオイル、はたまたフランス・ベルギー・ベネズェーラetc…。

色々試したてきました。

そんな中、自分ではいつも有名国産オイルをペール買いで、かれこれ十数年こだわって使ってきました。

しかし、諸般の事情で筆者は今「おこずかい制の0円ブロガー」…。

ペール缶はおろかコー ラの缶買うのもビビるあり様です。

↑かなり近いですが、映像は単なるサンプル映像です。

経済状況に加えて年齢も前期高齢者に突入?

そんな今、「ひょっとしてコレって、年金生活の予告編?」などとふざけた気持ちが脳裏をかすめます。

待てよ?「ちょうどバイク人口を支えるコアな世代ってリアルにそんな歳じゃないか?」

しかし、誰もが「安らぎの里」的なリッチなお年寄りになれるでもなし…。

でも、大抵のライダーなら多少のことがあったとしてもバイクには体が許す限り乗っていたいに違いない。

またバイク人口の入り口にいる学生さんにしたって、安くていいものはウェルカムなはず。

バイクに出会って、「ある程度のクオリティーを保ったバイクライフ」を一日でも長く楽しむ。

これをトータルスパンで考えたとき、ある程度のクオリティーを保ちながらもコストパフォーマンスに優れる消耗品の存在は強力な支えになるはずです!!

「ある程度」って大事

当時筆者はサーキットに通えていたこともあって、サーキットグレードのオイルを好んで使っていました。

確かになんかこう、「なりきる気分の良さ」も味わいたいしで、ワークスチームと同じオイルじゃなくちゃ納得いかない時期もありましたね。

きっと今もそういう人は少なからずおいででしょう。

確かに目指してはいたけれど、今よく考えてみれば、レースに出るわけでもなくスポーツ走行オンリーで、コンマ数秒を争うでも無し…。

「ある程度で良かったんじゃないの?」と思うようになりました。

なので、限界性能を試すのがメインでないならば「そこまでじゃないけどいいオイル」つまり「ある程度で良い」と今では思うんです。

かつてのアドバイザー時代のオイルに関する接客を振り返ると、ほとんどのお客様がそれぞれ信頼しているブランドをお持ちでした。

筆者はアドバイザーとしてバイクの車種・メインの用途を伺い、それに合った形で最上グレードをお勧めするのが仕事。

でも、一応に皆さん「なるほどそれはいい、けど自分はそこまでじゃないなぁ」とご謙遜あそばして上から2番目くらいのオイルをお買い上げになるわけです。

結局どのブランドがお好きな方でも、そこまでじゃないけど「ある程度」いいオイルというのを定番にしていらっしゃるイメージでしたね。

ある程度のオイルって何だろう?

「ある程度」っていうと、実に広義な言葉ですよね。

ビンテージバイクなどは、浸透性より漏れてこないオイルがいいでしょうし、油冷ファンには熱の中での安定性の良いオイルが好まれます。

なので、必ずしも100%化学合成のSNが一番というわけではなくて、人の好みやバイクの種類によっても様々です。

筆者がいろいろ試してきた中で良いオイルとして判断材料にしているのは

  • シフトが楽にしっかり入るかどうか
  • アクセルがふわっと軽くなったようにエンジンが回るのをアシストしてくれるかどうか
  • 季節の中でも熱変化を抑えて上記2項目を安定して作動させるオイルかどうか

とにかく入れたときにその気持ちよさが感じられるオイルが良いオイルだと思っています。(意見には個人差があります)

同じブランドの中の低いグレードのオイルも試したことはあって、安いものだとそういうキャラクターの面白さはあまり感じなくて「実用にして不可なし」というくらいなものですね。

なのでやっぱり、バイクの動きを自分の思ったストライクゾーンに入れてくれるオイルが、「ある程度のオイル」と言えるのではないでしょうか?

衝撃の価格のオイルに遭遇

今年も東京モーターサイクルショーに行ったのです。

ダラダラと、人ごみの中を徘徊しているうち手渡された一冊のパンフ。

そこには驚くべき商品が載っているではないですか。(汗)

バイクパーツセンターが展開するNBS(NEW BIKE SERVICE)というブランド。

そしてオイルの名前は「GLISSADE」(グリセード)です!

鉱物油の「プレミアム」と化学合成油の「ウルトラプレミアム」とがあって、各々粘度が2種類選べるようになっています。

今時1リッター缶で買うオイルって、1,500円~3,600円位が相場ですよね。

ペール缶なんて30,000円~50,000円はすると思います。

ところがこれは480円~880円、20リットル入りのペール缶にしても5,500円~8,980円という破格のお値段!

値段だけでなくさらにカタログをよく見ると

ちゃんとJASO規格とMA規格を通ってる。

しかもAPIのSL!

つまり、これは日本工業規格(JIS規格)でバイク専用の高品位グレードで、さらにアメリカ石油協会(API)による

  • 耐久性
  • 清浄性能
  • 耐酸化安定性
  • 耐揮発性

についての規格の中でも上位グレードだということ。

オイルの規格も時が進むにつれ高度化するので、てっぺん極める最上位ではないものの、ちょっと前なら最高級オイルとしてあってもおかしくないグレードです。

少なく見積もっても、この規格を見る限り「ある程度」と言えばそれ以上かもしれません。

しかしその値段はやはり衝撃的です。

ココまで安いと、イナゴだったか何だったか、悪い言葉で疑う人もきっといるかもしれません。

で、筆者の場合は「嘘だろ?」と思う故に使ってみることにしました。

インプレッション

何度かこのブログの中でも登場していますが、筆者の愛車は’90年型SRX改(エンジンはノーマル)。

構造は単純ですが、空冷単気筒しかもドライサンプの旧車は、意外にオイルに厳しい車種のではないでしょうか?

それまで使っていたオイルは小田原の100%化学合成オイル 。(←既に写真でバレてる)

これは最上級ではないけれど、伸びやかな特性があるオイルなので好んで使っていました。

対してGLISSADEは「化学合成油」とあるけれど100%合成ではない部分合成油。

どちらかと言えば筆者が避けていたタイプのオイルです。

確かに長年使ったブランドに若干の背信感はあった上、部分合成油採用に踏み切るのも躊躇われましたが、「シャレで入れて悪かったら元に戻すか」ぐらいな気持ちで入れてみたんです。

交換作業は桜舞い散る頃でしたので、若干の肌寒さも残る時期の事。

そしてこれを書いているのは梅雨入り間近で前橋の気温がニュースになる季節。

⇒ 

バイクの性格もあって、あくまで法定速度域での常用走行。

高速を使っての取材もありで、このオイルでおよそ1,200㎞近くテストしたことになります。

筆者は先述の通り、オイルには人よりちょっとうるさい方ですが…。

「そういえばオイル換えたんだっけ…?」

これが、100%シンセオイルをうん十年使ってきた筆者の感想です。

このNBSプレミアムオイルはそれくらい違和感がありません。

特に思い出すならば

  • あきらめていたほど悪かったギアチェンジの渋さが、解消はしないまでも入りやすくなり、フィーリングが向上した。
  • 低速時にハイギアで粘らせてもギクシャクせずにちゃんとついてくるようになった。
  • かなり気温が高くても安定してダレることもない。(気温変化が少ない)

この3つは確実な印象があります。(意見には個人差・車体個体差があります。)

いずれにせよ筆者のストライクゾーンを外すようなオイルではありませんでした。

まとめ

今回は安ければなんでもいいというお話をしているのではありません。

オイルにとってやはり重要なのは信頼性でしょう。

筆者がこれまで出会ったオイルの中には、泡立ったり、分離してダマができたりするような粗悪品もありました。

「ある程度」とは言うけれど基本性能が確保されていなければそれはやっぱり粗悪品です。(そんなものに誰も満足しないですよね。)

実は国内メーカーで「原産国;日本」とあればだいたい大元は、I社かC社かE社といった元売り会社の石油のベースオイルを使うことになります。

当然この国で企業が原油を作り出すことはほぼできませんから、多くの会社はこうした石油元売り会社に、各々独自に企画したレシピを持ち込んでオイルをつくるわけです。

なのでベースオイル自体はある程度規格化されたものもあって、極端には大きく変わらないんですね。

今回ご紹介したNBSプレミアム4サイクルエンジンオイル「GLISSADE」も同様に国内の製油所で生産される国産品。

筆者が今回、「愛車に投入してもいいかな?」と思ったところはそこですね。

もちろん「ココをこうしたい、ああしたい」とこだわっていけばキリの無い話で、高級オイルのパフォーマンスも「やはり」なところはあります。

しかし、多くのライダーが高級品にこだわり続けならが、永年ライダーでいられるかは疑問です。

バイクに乗ること、簡単にあきらめたくないじゃないですか?(若い人たちにもこれからジャンジャン乗ってた楽しんでもらいたいですしね。)

そこが今回のお話の出発点です。

NBSの「GLISSADE」、このオイルに関して「安かろう悪かろう」的な心配は無用です。

驚く程安いんだけど、それでいて十分楽しませてくれるオイルで、筆者の懐疑的な心を思う存分裏切ってくれました。

皆さんも次のオイルに、お考えになってはいかがでしょうか?

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※価格については販売サイトや時期的な都合によって上下します。表記は2017年4月購入時点でのメーカーカタログ価格、および楽天サイトの価格ですのでご了承ください。

「バイクのオイルは安くちゃダメ?安くても信頼できるオイルみっけ!」への2件のフィードバック

  1. 初めまして。
    NBSの100%化学合成の10W-40をペール缶で買って1700km走行後、先ほど2回目の交換をしました。
    バイクはCB250F(M43)で総走行距離約5000km
    1200km位までは悪くないですね。でもその辺りから少しエンジンノイズが増えだした気がします。
    これ位のサイクルで変えるなら良いオイルかな?と感じました。
    それでも20L使い切るまでに2~3年はかかりそうなのでもう少し早めの交換でも良いかもですね。

    • siruさん
      ありがとうございます。
      そうですね、私も記事を書いてもう1000キロほど走りました。
      熱中症が気になるような暑さの中、ワインディングも走って見たのですが、ちゃんと走るには走ります。
      しかし、「上の伸びをもう少し」と欲を出すとそこは叶えてくれないみたいで、やはり「ある程度の中の最上」と言った感じでしょうね。^_^

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