皆さんは「コンテンツツーリズム」という言葉をお聞きになったことがありますか?
平たく言えば、名物を捜し歩く旅。
あそこにしかアレがない、それを見に行く食べに征く!
そんなツーリングがその土地を賑わすことにつながったとしたら…。
今回は、バイクツーリングがまちを元気にしちゃうというお話し。
地元の人と一緒になってツーリング先のコンテンツを作り上げんとする人々と、その現場を取材しました
目次
走れ!「ALL THE WAY」
ネットでポチれば鉛筆一本から土地まで買えちゃう平成末期の現代。
欲しいものなら一日を待たずして手に入れることができるのに、「わざわざ」訪ね歩いてそれををGETしに行く。
今やそれがナンセンスにすら思われたり思われなかったり。
そういう今だからだと思いますが、この「わざわざ」をあえてやっちゃうのが、ものすごく楽しかったりします。
皆さんは「わざわざ」って英語にするとどんなふうに表現するかご存知ですか?
”All the way~”、これが「わざわざ」の表現。
ちょっとカッコいいでしょ。
遠くからやってきた人を紹介するときなんかに、「彼はこのために、オールザウェイfrom Tokyo」なんて言ったりするわけです。
「信州までオールザウェイそばを食べに行く」例えばそんなことでしょう。
つまり、こういうオールザウェイなプロセスも愉しみつつ欲しいものをゲットする。
と、そこに手に入れたときの達成感がうまれて、何倍もうれしく楽しくなっちゃう。
ましてや、いろんなものを五感にビシバシ感じながら走れるのがバイク。
ツーリングの「趣き(おもむき)」はココにあるのです。
だからそのAll the way、バーンと全部走っちゃいましょうよ!!
「こんてんつ つーりずむ?」
ツーリングに行ったら行ったで、休みをくれた人や留守を守ってくれた家族などにお土産をと思ったりしますよね。
或いはそれが自分用、というのももちろんアリです。
でもよく見たらコレ、「近所の工場で作ってんじゃん。」
なんてことありませんか?
わざわざ行ったのに、ラベルでそれを知ったときの腰砕け感と言ったらないですよね。
信州にそばを食べるツーリングを企てて調べていったそばが、実は全く現地に何のゆかりもないものだった。
これはもう、砕けるというか骨折するというか…。
少なくともそれをGETするためにわざわざそこまで走って、旅の証として持ち帰るものです。
ならば、やはりその土地で育まれたもの、その土地の空気感があるものがいいですよね。
そういうその土地ならではの「コンテンツ」を、その背景も含めてバイクツーリングで方々追い求めるのが「コンテンツツーリズム」ということなのです。
「旅缶」は風土が詰まったフード
皆さんは「旅缶」をご存知ですか?
これは「週刊バイクTV」や「Bikejin」などでおなじみのライディングロッカー末飛登さんと、旅とバイクと愛する出張料理人の吉田友則シェフ(「きまぐれや」オーナーシェフ)が提唱するライダー目線のツーリングコンテンツ。
左が吉田友則シェフ、そして右はお馴染み末飛登さん
彼らがツーリング先で出会った素晴らしい食材を贅沢に活かし、シェフならではの感性で仕上げたTavernaメニュー。
これが無加水製法でそのまま缶詰めになっているんです。
ここちらは「常陸大宮ミネストローネ」他にもその街々のメニューがあり、さらに鋭意開発中!
しかもその缶詰は完全なローカル販売。
その素材がとれる土地に行かないと手に入れることはできません。
缶詰であれば携帯性に優れるのでおみあげによし。
また、直接に火にもかけられるので、雄大なロケーションの中、テント飯として豪勢にいただくのもありというわけです。
例えばその土地のお祭りなんかに行かないと手に入らない美味しいもの。
有名な観光地などには多くの人がパっと頭に浮かべるような、言わずと知れたものがいろいろあると思います。
しかし「旅缶」にはその土地の夢が詰まっているんです。
「んっ?そういえばいつも行くあの道の途中にあるアレ気になるね。」
そんな話から始まって、ある過疎の町で鹿が害獣として駆除・廃棄されると知れば、撃たれて一時間以内の鹿をおいしいシチューにしてイベントで紹介する。
またある時は、風評と過疎に悩む北関東の街でみつけた名物牛とその街の野菜を活かした味わい深い缶詰にして話題をつくる。
と、そういう具合にその土地その土地が育んだ食材を使って、まさに地域の活性の「具」にしていくのです。
その辺りが「旅缶」の単なるお土産物と一線を画くところです。
↑ 法事やホームパーティーさらには婚礼など等、実に様々なシチュエーションで料理をしてきたライディングシェフ。クリエイティブなセンスが光っていました。
食材を方々訪ね歩くシェフは数あれど、ライディングシェフならではの勘が行かされるのですね。
そんなライダー目線のニッチなグルメだからこそ、その缶を見つめながらライダーは旅を美しく振り返えることができるわけです。
「旅缶」目当てにツーリングしてみた。
2017年6月3日~4日にかけて「常陸大宮モータースポーツde活性化プロジェクト第5弾イベント」が行われ、ここに「旅缶」ブースが登場。
「旅缶」と吉田シェフのスペシャルメニューにありつけるというので、筆者もお腹を空かせてツーリングしてみました。
キャンプをしながらのステイイベントで、吉田シェフの味を堪能できるのは夕食・朝食と2日目の昼食のなんと3回。
夕食のビーフシチューは肉や野菜がそれぞれが歌うような美しいハーモニーの味でした。
朝の揚げパン+コールスローも昼の「クリームチーズ小豆」もメニューの文字からくるイメージをきれいに裏切るほどの絶品です。
これだけでもコンテンツツーリズムを存分に堪能した気持ちになれました。
旧桧沢小学校(廃校になった小学校)のグラウンドで行われたこのイベント。
吉田シェフと共に旅を続けるタレントの末飛登(まひと)さんがほぼ全日にわたるMCで会場をにぎやかに盛り上げます。(末飛登さんの話芸にプロの技をみました!)
「大人のバイク時間」の下川原利沙さんと「週刊バイクTV」の岸田彩美ちゃんが、「旅缶」のイメージガール『缶ギャル』をつとめます。
単に観たり食べたりのイベントではなく、バイクを使った運動会として参加するこのイベント。
snakemotors(スネークモータース)K-16レーサーを使った「パン食い競争」が行われたのですが、名目は確か「試乗会」…。
しかし参加者の皆さんも周回数と共に熱が入り、結構マジなレース展開に?
軽トラのところでエンジン停止、メットを取っていろいろ入ったコッペパンを口に詰め込んで、口が空になったのを確認してもらって再スタート。これが結構きつい(笑)
125ccのカブ同様のエンジンを積んだクラシカルなバイクでこんなに楽しめるなんて、これも新たな発見です。
「通勤用に一台!」とマジで考え始めた女性ライダーもおられましたね。
彼ら彼女らの熱を一層熱くさせたというか、イベント自体に火をつけたのが「常陸大宮大使」を務めるダートチャンプレ―サーの大森雅俊選手。
ハンドルやステップ、スイングアームの後端までもが擦り切れるというグレートパフォーマンス。そして圧巻のリンボーを披露してくれました。
↑ 転んでるんじゃないんですよ、これで走ってるんです!!
↑ このリンボー、高さがハンドル幅ないんですよ(驚)
このリンボーには地元の子どもやお年寄りも大喜び。
超絶バイクリンボーが成功した瞬間、日傘の下のおばあちゃんは手を叩いて笑ってました。
↑ 大森選手には、功労賞として吉田シェフから超特大ハンバーグが送られました。(「とろふわでものすごくうまい!」と大森選手)
snakemotors K-16の大運動会は、地元の人も観に来て大盛り上がり。
ハンドル幅より低いリンボー潜り抜ける大森選手の豪快なアクションライディングに誰もが歓声を上げていました。
中でも、筆者はそれを見ながら、手をたたいて喜んでいた地元の人たちの笑顔が忘れられません。
メットの小学生が後で自転車で真似しようとしていたりね…。
こうやって人が集まって街も賑わって、話題になってまた来年と発展していくのだろうと思います。
そして何日かたった今、筆者は「旅缶」の缶をそんな思い出と共に眺めているわけです。
「旅缶」のほか、当日吉田シェフが「夏を乗り切る素麺の食べ方」のなかで紹介してくれた食材も道の駅でGET
そう、これがまさにコンテンツツーリズムなんですねぇ。
ツーリングがまちを明るくする
さて、当ブログでも先日お伝えしましたが、政府もバイクツーリングを地域創生の起爆剤として活用する動きを見せ始めています。
ひとまず首都圏を中心とした郊外からになるようですが、二輪車に限って高速道路を一定額で複数日乗り降り自由にするというニュースがあったばかりです。
これはなくまぎれもなく画期的で、ライダーとして大変歓迎するところです。
ともかく、ツーリング先にこんな楽しいことが待っていてあんなにおいしいものがあるんだったら、そしてあんな笑顔にたくさん会えるなら、筆者もまた次に行ってみたいと思います。
そうやって楽しいコンテンツを目当てにツーリングする人が増えることで世の中が明るくなるのであれば、結構なことこの上ないじゃないですか。
吉田シェフと末飛登さんはじめ「旅缶」御一行は今後も更に旅を続けて、海の街、山の街いろいろな街の「旅缶」を増やしていく計画だそうです。
きっと新しいメニューができたらまた賑やかにやってくれるでしょう。
まとめ
今回は「直接出かけて行って品物を手に入れると、より一層の発見があり、知らず知らずいろんな人たちの役に立ったりしますよ」というお話をしています。
(ネット通販をお勧めするアフェリエイトブログで言うのもなんですが、笑)
それを求めてやってくる人との付き合いもでき、未知の「広がり」も手に入れることだってできちゃうんですよ。
皆さんもきっと「旅缶」を求めて旅をしているうちに素敵なことに出会えるかもしれませんね。
今回筆者は「旅缶」を、通常販売されている道の駅「かわプラザ」でも購入しました。
割と解り易い位置にディスプレイされていて、購入した人にはレジでちゃんと説明文チラシを添えて手渡してくれます。
盛り上がっている会場で見るのと違い、現地の多くの物産に混じって売られている「旅缶」。
恐らくそれは「年商ウン億!」みたいなものを目論んでそこに並んでいるのではないでしょう。
その缶の中には目先の儲けよりはるかに高尚なコンセプトが詰め込まれている。
それを知るものとして棚に並ぶ「旅缶」に、精いっぱいのエールを送って帰路に付いた筆者でした。
イベントに関わった皆様にこ末筆ながら感謝を申し上げます。ありがとうございました。
こんにちは!素敵なレポートですね!
この「旅缶」イベントはキャンプも素敵でしたね!
こんなにもライダーばっかりのキャンプもめずらしくて、
しかもキャンプに来てる人はみんなバイク好き!
キャンプライダーはみんな気さくだし、知らないライダー同士でも
いきなりバイクの話しで盛り上がる。
そんな楽しいキャンプでした。また行きたいものです。
nupunさんこんにちは。
キャンプツーリングはいいですよね。
サーキットやオフロードばかりだったので、今回は20年ぶりのキャンプツーリングでした。
実は私はあまり口下手なもので、なかなか自分から話に行かないんですが、話しかけると口は開く方で…。
話しかけてくださる方がいてホントによかったです。またそちらのHPにもお邪魔しますね。