2017年5月末日、社会的にも画期的でライダーにうれしいニュースが飛び込んできました。
なんと、「バイクは高速道路が最大2日間定額で乗り降り自由になる見通し」というじゃありませんか!
2017年7月下旬実施を目途に調整が進むこの「二輪車専用ツーリング割引案」。
いったいどういうものなのでしょう?
またライダーの我々はどんなことに注意すればよいのでしょう?
今回、当Timewarp Riders club では緊急課題としてこの問題を取り上げます。
目次
「二輪車専用ツーリング割引」ってどうなるの?
これは国土交通省道路局高速道路課が示した案で、2017年5月30日に自由民主党政務調査会の「二輪車対策プロジェクトチーム(以下PTと言います)」の会合で「二輪車専用ツーリング割引案」導入の方針がまとまったことを明らかにしたものです。(事務局長はあの三原じゅん子先生)
内容としては、インターネットで事前申し込みをすれば、ETC装着二輪車が定額2,500円で1日~最大2日間乗り降り自由になるという画期的な内容です。
実は意外と知られていないのですが、ETCを事前予約でフリーパス化することはこれが初めてではなかったりします。
今でもETCのポータルサイトで北海道・東北・静岡・信州・三重・福井・四国・中国地方で行われている「高速乗り放題」について、詳細案内や申し込みができるようになっているんですよ。
サイトについては文末にご紹介しますね。
今回の「二輪車専用ツーリング割引」は、車種を二輪に絞っているところが国内初で画期的なところです。
それには高尚な目的があって
- 二輪の有用性向上させながら新たな二輪需要を振興する。
- バイクのツーリング需要とを地域活性化とを結び付けていく。
という「バイクだからこその可能性」を最大に生かして、まさにバイクを社会の中の文化としてさらに昇華させていこうという内容になっています。
でも、30年バイクとかかわってきた筆者からすると、これを国会議員の先生方が各方面に調整を図って本気でやってくださっているところが、最も画期的だと思いますね。
いずれにしてもこんなうれしいことはないですよね。
どの範囲が対象なの?
さて、範囲としては、東京から約100㎞~150㎞圏のエリアが予定されているということが言われていますが、現段階の報道等を見る限り、これには諸説あるようです。
yahooニュースには中央自動車道と東名高速を中心にしたエリア地図がありました。
↑みんなこれ見てびっくりしましたよね?
しかし他の情報ソースではYahoo!ニュースが伝えている神奈川・静岡・山梨エリアだけでなく群馬・栃木茨城方面、千葉方面の高速道路や自動車専用道路が対象になるとも伝えています。
恐らく国内4大メーカー中の実に3メーカーを擁する静岡選出の衆議院議員さんたちが大いに頑張って進めているお話しで、情報ソースの多くも静岡ローカルのものが多かったので、東名・中央地帯が中心の案だというお話になっているのかとも思います。。
でも、やっぱりできれば範囲は広い方がいいですよね。
東京150㎞圏なら、ヤマハの工場見学に清水港のお寿司を絡めて一泊もいいですし、もてぎでmotoGPを予選・本戦を観るのに一泊にこれをというならサーキットもジャンジャン盛り上がるでしょうね。
また内房・外房をゆったりぐるっと一周あえて一泊もいいですねぇ。とまぁ勝手に妄想は膨らむ一方で…。
「高速乗り放題」で多くのライダーが注意すべき点
ネットでは「あれ?うちの件はエリアじゃないの?」「地方は置き去りかよ」なんてネットでコメントを書いている人も散見しました。
関東県外の人からすれば確かにそういうことにもなるでしょうね。
むしろそういう人の方が多いんだと思います。
今回のこの「二輪車専用ツーリング割引」ははじめの一歩。
「バイクの振興+地域活性化」が目を見て明らかに優れた効果をもたらすとなれば、Kawasakiのある明石の周りの議員さんも頑張るでしょう。
実際に近年では埼玉県の小鹿野町をはじめ、バイクで地域振興を図る自治体の動きも徐々に活発になってきています。
ですので、今回の施策が成功すればその動きもさらに加速し、バイク環境がかつてないほど充実したものになるのは間違いありません。
先日筆者は小鹿野町で行われた日本二輪車文化協会主催の「第3回」レディースフォーラムinおがの」を取材させていただきました。
小鹿野町は2008年からバイクで町おこしをしている自治体で、今では人気のバイクのツーリングスポットとしてにぎわっています。
この「バイクで地域振興」の旗振り役をしているウェルカムライダーズおがの」の吉田あきら様にも直接お話を伺いましたが、その内容が印象的です。
やはりそこに至るまでには「危ない」「うるさい」ということで散々な反対意見もあったと言います。
結局、政府も後押しする形で、街の行政・警察や商工会といった街を形作る主要な機能が「バイクで町おこし」の為に一丸となって取り組むことになったわけですね。
このお話の中で一番力を入れておっしゃっておられたのは。「2017年までの現在、小鹿野管内の死亡事故が一軒も起きていない」というお話でした。
これが「成果」として多くの人から納得と安心をもたらす重要な要因だということです。
今回の政策で、今まで以上に多くのバイクが高速道路に、地方の街に繰り出していくと思います。
ライダー一人ひとりがこれまでにないほどに事故の無いようにしなければなりません。
そして騒音やマナーの問題を引き起こすようなこともこれまで以上にNGです。
国や自治体で何百・何千の人が頑張ったとしても、そうした努力は一瞬で崩れ去る可能性があるのです。
恐らく今回の「二輪車専用ツーリング割引」は議員さんたちとしては、まず関東で成功させてそれを見て全国的に波及させたいのだと思います。
それは我々ライダーの願いでもありますよね。
しかしこの政策の成功と拡充のカギを握るのは間違いなく我々ライダー一人ひとりの心がけに掛っているのを多くのライダーにご認識いただきたいところです。
まとめ
PTはこれまでも陰に日向にバイクライフを向上させるための政策を実施してきましたが、今は2つの課題に取り組んでいるそうです。
一つは女性ライダーの増加促進として、女性ライダーへのスキルアップ講習の開催や、女性目線で道の駅やSA/PA仕様改善。
そしてもう一つは二輪車と四輪車の有料道路料金分離です。
今回の「二輪車専用ツーリング割引」は後者の料金分離を考える中で、ひとまず早急に実施可能なことを建設的に推し進めた結果の案だそうです。
なので今後もっと発展していく可能性が期待できますね。
バイク人口が今より8割9割増しと言われる’80年代バイクブーム。
そのただ中にいたので、筆者は今なんでバイクのことで議会の論議が活発になるのかというのは何となくわかる気がします。
それはつまり、あの時代の若いライダーたちも、今や40後半~60近い年齢。
(平成のお若い方には恐縮ですが)あれだけ多くの人がバイクに乗っていたのですから、その中に政府の要職に就く人がいても何らおかしい話ではないだろうということです。
現実にこうやってバイクについて政策や行政を預かる議会で、こんなにも建設的にバイクについて考えてくれる時代ってかつてあったのでしょうか?
恐らくこうやって時代が進んでいくのであれば、今後はかつてないほどにバイク環境が整っていくのだ確信してます。
取りも直さず、やはりライダー一人ひとりの心がけ次第では真反対の方向に進んでしまうということを声を大にしてお伝えしたいと思います。
飛ばすならサーキット、公道では感受性豊かなサイトシーン、そして予防運転を励行しましょう!!!
文中ご紹介させて頂いたETCのポータルサイトはこちらです。(←うまく使えば結構楽しいかもですよ。)
こんにちは。二輪車専用ツーリング割引、実施が待ち遠しですね!
実施されたらツーリングレポート、楽しみにしてます!
そうそう、先日はイベントでお世話になりました。
メールください!よろしくおねがいします(^^)/
コメントをいただきありがとうございます。
こうして政府を上げてバイクツーリングを地方創生に活かそうという動きが出ています。
我々ライダーとしてとても歓迎すべきことですが、本当に一歩間違うとせっかくのおぜん立ても全く逆の効果を生むことになってしまいます。
折角おとなバイクが増えたのですから、多くのライダーにその辺の意識を高めてもらいたいものだと思った次第です。