目次
2日早めのサンタたちがポートタワーに集結
クリスマスイブを2日後に控えた2019年12月22日、あわてんぼうのサンタクロースたちが千葉のポートタワーに大勢集まりました。
彼らは、一般社団法人Peacemakerが主催するサンタライダーズ。
単にサンタのコスプレで走る珍走団ではなく、様々な事情で家庭を離れて生活している児童養護施設の子どもたちの元を訪れ、プレゼントと共に楽しいひと時を提供する活動を続けているサンタたちです。
彼らの活動は今年で11年目。
訪問先にというオファーも増え、今年はいすみ市の児童養護施設のほかに乳児院、さらに、成田・旭市の児童福祉施設2カ所にも訪問し、合計74台のサンタライダーたちが、いくつかの班に分かれながら計4カ所の児童福祉施設を訪問しました。
千葉に集う「リアル」なサンタたち
Peacemakerは、地域振興のためのーツーリングや、災害被災地復興支援のためのツーリングなど、バイクによる社会貢献活動を行うために設立された一般社団法人。
特に児童福祉への思いは熱く、11月の児童虐待防止月間には、オレンジバイカーズツーリングを行い、今ではこれが千葉県・市の公式な児童虐待防止PR活動になっています。
2019年からはこの活動を房総半島全域に広げ、「千葉オレンジバイカーズラリー」として広範化。
「STOP!CHILD ABUSE!(児童虐待をやめろ!)」と書かれたオレンジのベストを着た総勢120名のバイカー(自転車も含む)たちが参加し、児童虐待啓発グッズを配布するなど、児童虐待防止のキャンペーンを行いながら地域との交流を深めました。
そんな風にこのサンタたちは、一時のサンタではなく、長期にわたって子どもたちの支援活動を行ってきた人たちの姿なのです。
夏のサンタはこう過ごす
最近では、クリスマスのサンタの格好で施設訪問をするライダー集団のニュースも全国のあちこちで聞かれるようになった来ましたね。
これはとても素晴らしいことです。
ただ、プレゼントをあげるだけではなく、子どもたちの未来を見据えて、彼らの横に並んで支援しようというのがPeacemakerの児童福祉支援活動。
Peacemakerでは10年目の節目に当たる昨年(2019年)、新たに「サンタライダーサマーキャンプ」という活動を実施しました。
昨年は20名以上の施設の中高生を大多喜風の村キャンプ場に招待し、サンタライダー達はサンタの衣装を脱いで子どもたちとキャンプを楽しみながら子どもたちに寄り添う活動を行いました。
このキャンプはこの信頼関係の構築が大前提の就職支援活動。
ひとくくりにすると彼らサンタは「バイク乗り」なわけですが、実はいろいろな職種の方が集まって「バイク乗り」と言われているわけです。
そこで、このキャンプの参加者募集では「子どもたちと一緒に過ごしてもらいながら、この子たちの就職先になってくれる企業の方はいませんか?」という一文もありました。
キャンプを通じて一緒に遊び、一緒に作業をし、
一緒にご飯を食べて同じ星空の下で一晩を過ごす。
お互いの信頼関係を信頼関係を作り上げることができたなら、
この子たちの就職先として未来の扉を開けてあげてほしいというのがこのキャンプの趣旨です。
実はこれを書いている私は、かつて11年ほど児童養護施設の職員として子どもたちの自立支援をしてきたので、施設の側としてもこれは本当にありがたい活動だと思います。
サンタたちへのBIGなプレゼント
Peacemakeの活動の前身となったのは、千葉・大多喜にあるカフェBIGONEのオーナー道家直巳さんがお店のお客さんたちと始めた、ライダーの社会貢献活動。
10年目の2019年、毎年サンタにプレゼントをもらっていた子の中から、BIGONEに新しい女子社員が採用されました。
気立てが良く、明るくて素直なこの子は、今ではBIGONEのメインキャストとしてお客様にも大人気。
サンタライダーの申し子のようなこのBIGONEのスタッフは今年、バイクの後ろに乗り、卒業したホームをトナカイになって訪問したんです。
始めて数年間は、なかなか理解されずにバッシングを受けることすらあったサンタライダー活動。
今回は例年以上に沿道から手を振り返してくださる方も増え、地域に根付いた感も肌で感じられるまでになりました。
トナカイの彼女もちぎれんばかりに手を振ってくれています。
Peacemaker設立以前から彼らは「RUN FOR KIDS!」の信念を曲げることなく、ただただ純粋に子どもたちに笑顔を灯すために走り続け、この活動を守り育ててきました。
その歴史にとって、この新たなトナカイの登場は、ある意味サンタライダーの10年の集大成であり、ともに活動を続けてきたサンタたちが受け取った、非常に大きなプレゼントだと言えます。
11年目のプレゼント
今回のいすみ方面への訪問では、書道家、筆絵画家 の北原きりんさんも一緒にバイクで施設入り。
暖かな画風で知られる北原さんは、子たちと一緒に絵を描いて、目の前の子どもたちの笑顔が「天までとどけ」と願いを込めた作品を仕上げてくださいました。
その後は恒例のプレゼントタイムなのですが、今年はこの光景がひと味違います。
トナカイさんが育った施設の子どもたちにお菓子を渡す場面には、多くのサンタが目から滝のような汗を流していました。
児童福祉法での措置が切れ、18歳で自活を余儀なくされる施設入所児にとって、卒園後の未来は不安いっぱいの宇宙に等しい想像の世界。
子どもたちはこの時、お菓子やおもちゃなどをもらったわけですが、このトナカイさんからもらったのは、目に見えない特別なもの。
それは、卒園後も多くの大人たちに見守られながら、笑顔で暮らすことができるという夢と希望の未来。
サンタは実は町中にいつもいる
漁港の素敵なサンタクロース
私も毎年参加しているこの素晴らしい千葉のサンタライダー活動。
どうか皆様にも、ご賛同・ご協力を頂き、この活動へお力をお貸しください。
詳しくは一般社団法人Peacemakerまで。
「2019年サンタライダーズ・11年目のプレゼントは「夢と希望の未来」」への1件のフィードバック