目次
お休みに、親子タンデムはどうだろう?
新型コロナウィルスの影響で、全国の学校が臨時休校に。
そのうえ「不要不急に外出を控えるように」というお達しなので親も仕事に行けず、テレワークと言われてもなんだかみたいで、親子ともども悶々としてしまいますよね。
このままでウイルス感染は防げても、
『精神の衛生によろしくないのでは?』
と心配になっている小3女子の父ライダーです。
どうにか不特定多数のとの接触を避け、人の密集していない広々としたところで、のびのびと子どもを遊ばせてあげられる方法がないものか…?
『そうだ、親子タンデムなら人との接触を避けて、きれいな景色を見ながら気晴らしができるぞ!』
ということで、今回は親子タンデムの基礎知識をご紹介していきます。
「親子タンデム」のいいところ
バイクが深める絆と情操
クルマで移動していると、子どもはどうしても後ろの席にいていつの間にか寝てしまい、ただ運んでいるだけ?
そんなこともあるようなないような…。
その点、タンデム中は普段聞けない、先生の事やお友達の事。
親におんぶされているような状況だからこそ話してくれることもたくさんあります。
たとえ背中で眠ってしまっていたとしても、その体温や存在の重みはしっかりと感じているわけで、親子タンデムはいつも心の絆を深める時間になりました。
やはり、親子で密着した時間を過ごせることが親子でバイクに乗る最大の楽しさです。
ただ、単に親が行きたいからと言って無理に子どもを付き合わせるのでは子どももよい迷惑です。
わたしの場合はというと、例えば海・山・公園など
「どのコースがいい?」
と娘に3つくらいの中からコースを決めてもらうようにしています。
娘もそうやって、なんとなくでリクエストした風景が、風の匂いと共に五感でリアルに感じられることを楽しんでいる様子。
最近ちょうど、天気のいい週末には自らタンデムベルトを持ってきて「今日はバイクでどこそこに連れていけ」と言ってくるようになってきたところでした。
(※ただ、今般のお休みは感染予防のお休みですから、行先は人との接触が避けられる広い場所であることが条件、マスクの着用や消毒液の携行なども必須ですね。)
家族に良い時間をプレゼントする
タンデムをすると娘はよく、
「帰ったらお母さんにこれ話そう」
と、いつもお土産話ができるのがうれしいみたいです。
また、母親のほうはバイクに乗りませんので、家でゆっくりくつろぐ時間ができて、よい骨休めになっているようでもあります。
同じ時間・同じ景色、そして同じ風。
親子でそれらをバイクの上で共有する贅沢な時間。
バイクでお子さんに良い時間をプレゼントするつもりでタンデムすれば、お子さんもずっとバイクが好きでいてくれると思いますよ。
親子タンデムのための最低限の心得
同じライダーの中でも、「子どもをバイクに乗せるべきではない」とお考えになる方も少なくはないですよね。
わたし自身も、何の準備や考えもなく、ただ子どもをバイクに乗せるというのはよくないことだと思います。
それだけに、用品や子どもの乗せ方よりも前に、どうしても知っていただきたいのが親子タンデムの心得です。
バイクに2種免許があるかの如く
とにかく大事なのは、バイク自体が危険な乗り物だと改めて強く認識すること。
そしてむしろそこを出発点としてできる限りの備えをすることです。
少なくともこれが「親子タンデム」をする上での最低限の要件だと考えます。
例えば運転を業務とする人には、一般とは違った心構えと技術が必要とされますよね。
親子タンデムは「業務」ではありませんが、リスクを承知したうえで「生命を預かる責任」を負う点では同じだと思います。
つまり親子タンデムの心得として最低でも、「2輪に2種免許があったら?」くらいの特別な気持ちが必要ですね。
子どもの「乗りたい」が大前提
無理やり乗せない
親の意思だけで突っ走るのは危険でしかありません。
とにかく、バイクに乗る意思のないお子さんを無理に乗せることは絶対にやめてください。
これから親子タンデムを考えるならば、子どもさんの興味を喚起し、最終的にお子さんご自身の「乗る意思」を確認することが最低減必要です。
バイクがお子さんにとって心の傷にになってしまうことは絶対に避けなくてはなりません。
慎重に慣らしていく
そのうえで、親子タンデムをすることになった場合でも、いきなり高速を使った長距離ツーリングに出掛けることは避けるべきでしょう。
子どもは、外気温や走行風への対応が慣れた大人の身体と違い、体調に変化をきたしやすいデリケートな存在であることに留意しなくてはならないからです。
なので、はじめは半径5㎞程から始め、最初から距離を盛りすぎないことが肝心。
最初は行き慣れた近場に行くことから始め、スピードもお子さんが怖がらないかどうかを確認してペースを決めるのが大切。
少し慣れてきても慎重に。
おトイレの感覚も大人と違いますから、いつもの倍くらいの休憩を心がける必要があります。
親子タンデムに必要な装備
わざわざ書くまでもないと思いますが、Jr用のヘルメットは必要です。
わたしはアライのSZをチョイス。
親子タンデムを長い間している人に「とにかく子どもは寝る」と聞いていたので、首を傷めないように極力軽いものを選んだ結果です。
アライ(ARAI) バイクヘルメット ジェット SZ-LIGHT ホワイト XXS 51‐53cm
新品価格
¥29,800から
(2020/3/4 22:30時点)
ただ、後で人に聞くと、フルフェイスを基本とした方がいいとも言われ、確かにその方が良かったかなと思うこともあり、買い替えは今後の課題ですね。
いずれにしても、値段より機能で選ぶという点では大人用と変わりません。
アライ(ARAI) バイクヘルメット フルフェイス ASTRO-LIGHT 白 XXS 51-53cm
新品価格
¥26,700から
(2020/3/4 19:25時点)
タンデムベルトは必須
お子さんの年齢にもよりますが、基本的に子どもはタンデム中に寝てしまうものです。
単に乗せただけではバイクから落ちてしまうんですよね。
なので、こうしたはツーリングベルトは絶対に必要です。
価格:15,617円 |
うちの娘も必ずバンバン寝てしまうので、これなしには親子タンデムはあり得ませんね。
ただ、タンデムベルトはおんぶ紐と違い、お子さんを完全に固定するものではありません。
このタンデムベルトの説明書にもあるのですが、基本的に親子タンデムは、お子さんがご自分の足でステップに力がかけられる状態でなければ危険です。
車両にもよりますが、この条件が満たせるようになるまで親子タンデムは待ってあげてくださいね。
また、これはお子さんの脚がタイヤに巻き込まれないよう、スクーター限定の話になりますが、
タンデムライダーズ(TANDEM RIDERS) チャイルドステップ SC-2 新品価格 |
スクーター用に、チャイルドステップも発売されているので、スクーターの方はこちらをお試しになるといいでしょう。
インカムで子どもの状態を常に把握
走行中は子どもの状態を常に把握していることが必要です。
基本的に寝てしまうことが多いのですが、必要な時に起こしたり、あるいはトイレのタイミングも気にしておかなければなりません。
大人同士ですと、ハンドサインを決めてやり取りすることも考えられるのですが、基本子どもは寝ています。
また声をかけるたびに振り向いたりするのも気が散って危険です。
そのためにインカムは重要なんです。
ペアでいきなりそろえるのはなかなか難しいですが、今ではコスパに優れるモデルもあるので、コスパに優れるものを選ぶとよいでしょう。
DAYTONA(デイトナ) バイク用インカム 2個セット COOLROBO EasyTalk3 Bluetooth 95234 新品価格 |
バイク座シートがあれば子どもも快適。
最近のバイクはシートが硬いものも多く、乗車時間によってはお尻が痛くなってしまうかもしれません。
そこでおすすめなのが、ポシドライヴが製造販売しているバイク座シート。
これは天然発泡ゴムの特許素材Bodydoctor®を使用したバイク用の疲労軽減マットで、タンデムシートに使用すれば、お子さんも長く快適に乗り続けることができますよ。
価格:13,200円 |
できればバック類を背もたれに
親がリュックなどを背負ってしまうと、お子さんの顔の前に来きてうっとおしいようです。
最初は娘に自分のリュックをしょってもらいましたが、緊急に外す必要があるときに手間がかかるようになるので危険でもあります。
降りた時にタンデムベルトなどをしまっておくスペースも必要になるので、ツーリングバックやハードケースなどは用意しておきたいですね。
また、ツーリングバックやハードケースなどは、背もたれにもなるためお子さんは楽なようです。
距離を伸ばした際などは双方の疲れの軽減にも役立ちますからね。
そしてバックの中身は…
先にリストしておくと
- 予備の下着
- パーカーなどの予備の上着
- 風圧に耐える雨具
- タオル
- ウエットティッシュ(除菌タイプがベスト)
- 水筒
- お菓子等
- ファーストエイドキット&保険証
といったところですね。
予備の下着
体調を崩してしまっては、バイクが嫌な思い出になってしまうので、この辺りは細心の注意が必要です。
お子さんの着替えも遊び場で多少汗をかいた後、そのままにしてしまうと走行風で冷えて風を引きやすくしてしまうので、下着も予備が必要ですね。
また、おトイレが間に合わない場合もあるかもしれませんから、予備の下着は備えておきましょう。
予備の上着
春秋は寒暖の調整のために、上着を厚めの物、中間のものを両方用意しましょう。
また、子ども用のバイクウエアというのもなかなかないもので、アウターは冬であれば一般のもので風を通しにくいもの。
特に寒さが心配なときは、首回りを保温できることがポイントですね。
冬も装着していますが、夏の場合はメッシュにしたり、Tシャツや短パンであったとしても、
|
|
こういったプロテクターをつけて、身体の露出を防ぐ必要があります。
風圧に耐える雨具
子ども用のカッパも持っていますが、もちろん、雨天にわざわざ出かけたりはしません。
これは夕方に急に外気が冷えたときなどに、ちょっとした防寒着としても役に立ちます。
ただ、コンビニで売っているような適当なカッパだと、風圧に負けてすぐ破れてしまうので、風圧を考慮したものを着させてあげましょう。
価格:8,532円 |
いざというときのためにも常備しておくといいでしょうね。
タオル
夏場ですとは汗をぬぐうことがメイン。
ですが、季節に関わらず子どもの場合は何かと濡れたり汚したりするので、長いもの短いもの、それぞれ1本づつタオルを持っているといいでしょうね。
ウエットティッシュ
これは休憩などで手をしっかり洗えない時にさっと取り出せるところにあると便利です。
結構忘れがちなのでしかりリストに加えておきましょう。
特に今ですと、除菌効果のあるものは絶対ですね。
新品価格 |
水筒
例えば夏の熱いときは、熱中症対策として必須ですが、空気が乾燥している季節も口腔保護のために水筒が必要です。
おトイレと一緒にこまめな休憩で、適度な補水を心がけましょう。
スケーター 子供用 水筒 480ml となりのトトロ プランツ 日本製 PSB5SAN 新品価格 |
お菓子等
子どもも非日常に連れ出されて疲れますから、おやつとは分けて小休止を多くとり、食べ物から退屈を癒せるようにしてあげましょう。
休憩がまめに取れなかったとしても、走行中になめることができるように、キャンディーなどを持っているとだいぶ違いますよ。
価格:1,350円 |
ファーストエイドキット&保険証
使いたくはないものですが、万一の立ちごけなどで負傷した時を想定して、保険証やファーストエイドキットなども備えておくとよいでしょう。
また、子どもの保険証などもちゃんと持って行った方がいいですね。
とにかく慎重の上に慎重を期すというのが、親子タンデムの基本です。
救急セット 応急処置 18種類44点セット 救急バッグ 多機能 応急処置セット 家庭 職場 学校 アウトドア 登山 旅行 非常時用 携帯用救急箱 2点セット 新品価格 |
「寝られること」に対応する姿勢づくり
先述の通り、親子タンデムでは大人を乗せるのとは違い、パッセンジャーの子どもがガンガン寝てしいます。
メットもなるべく軽いものを選びましたが、それでも首を痛めやすいので、頭がなるべくぐらつかないように工夫するといいでしょうね。
背中でこっくりこっくりしているわけですが、筆者の場合は「おっ、来たな」と思ったら肩甲骨でお椀をつくるようなイメージで、両肩を少しだけ後ろにそらす形にします。
そして、そこに子どもの頭を受け止めるかたちにするんですね。
子どもが背中で寝ている最中は子どもの頭の重さでバランスが微妙に変わります。
そういった変化に柔軟な対応ができるよう、身体をこわばらせない運転を心掛けるのが肝心です。
すり抜けはできるだけしない
筆者は子どもを乗せている最中であれば極力避けています。
日ごろからもそうですが、お子さんを乗せているときは特に、リスクを高めてしまうことをしないというスタンスが大切です。
ただでさえ親子タンデムは目立ちますから、危ない運転はすぐに「#バカ親バイカー」なんて映像付きでツィートされちゃいますヨ。
どう乗り越える?「親子タンデムの壁」
最近、わたしたち親子がタンデムで訪れる先々の駐輪場でも、
「自分も親子タンデムを考えているけれど、どうしたらいいの?」
という質問を最近数多く受けるようになりました。
多くの人にとって「親子タンデム」は憧れでありながらも、「ハードルが高い夢」。
このハードルをどう超えるか?
わたしの例が参考になれば幸いです。
わたしの場合は、仕事でもあり、
『大好きなバイクに乗ることが大好きな家族とセパレートしてしまうのがどうしてもいやだった。』
というのが親子タンデムを始めた理由。
違う言い方をすれば、わたしには親子タンデムが必要だったのです。
とはいえ、周囲の理解も相当に必要で、妻の納得にも相当な時間をかけ、それ相応の工夫を凝らしました。
初めに、試みたのはバイクの時間と家族の時間とを融合。
具体的に言うと、家族で参加できるバイクイベントに行ってみたり、バイク屋さんに家族で行ってみたりという「動機付け」から始めたんです。
つまり、「なぜお父さんはバイクを好きなのか?」
これをそれこそ「組み木細工」のように幾重もの手間と何年物時間を重ねて、家族に共有してもらえる土台をまず築きあげたわけですね。
そのほか、すでに親子タンデムをしていらっしゃる方からいろいろと情報をいただいたりタンデムベルトや子ども用のヘルメットを購入する時も先輩親子ライダーに教えを請いました。
また、二輪車安全振興会講師でベテランモーターサイクルジャーナリストの柏秀樹先生のレッスンを複数回受けるなど、徹底してライディングの見直しも図りました。
もちろん講習を受けたからといって事故を起こさないとは思いません。
危険をコントロール下に置いて愉しめるスキルを身に着けようとすることも安全対策のうち。
むしろ事故に対する恐れをもって、できる限りの策を講じるのが大切ですし、
「安全に関して権威ある専門家の手ほどきを受けた」ということは、一つの突破口になる可能性も大いにあるでしょう。
※ちなみに柏秀樹先生は、のレッスンレパートリーには親子タンデムも用意されています。
気になる方はKRS(柏秀樹ライディングスクール)までお問い合わせを。
まとめ
今回はお子さんとの過ごし方に何か良いヒントはないかなとお考えのパパ・ママライダーに、親子タンデムについて提案をさせていただきました。
「考えてみれば条件が整うぞ」という方は今がはじめ時かもしれませんね。
ただ、配偶者の猛烈な心配、ご親戚の反対いろいろあると思います。
今は無理でも、きっといつか別の形で親子でバイクを楽しめる日も来るかもしれませんから、決して無理はなさらないでください。
あくまで感染予防の休みなので、基本は家にいることがベストですが、バイク散歩で人の密集がないオープンスペースに出かけるならなら楽しめるはず。
交通の安全はもちろんのこと、マスクの使用や手洗いうがいを徹底し、出先でも消毒液を携帯するなど十分留意したうえで、ちょっと贅沢な息抜きを楽しんでいただけたらと思います。
いろいろ注意しながら、うまいこと乗り切りましょう!
応援します、パパママライダー!
車両協力;ホンダモーターサイクルジャパン株式会社
ヤマハ発動機販売株式会社
ポジドライヴ株式会社
KRS(柏秀樹ライディングスクール)