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例年であればこの時期は、イタリアで行われるEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)から次々に送られてくるプレスカンファレンスのライブ映像を見ながら、必死になってその内容をお伝えしているころです。
しかしながら、今年は世界的なコロナ渦のために世界各国のモーターショーは中止になり、EICMAも来年に延期(事実上中止)になりました。。
おかげで深夜早朝の大英語リスニング大会をしなくていいのは助かりますが、この時期にバイクの話題ガァーっと盛り上がらないのはやっぱり寂しいですよねぇ。
と、思っていたら…。
メーカーの海外サイトが新車発表で賑やかになってきました。
その中で先日「欧米のYAMAHAサイトで、2021年型MT-09が発表された」という内容についてお伝えしたわけですが、11月11日のポッキーの日。
欧州、そして北米のヤマハ公式WEBサイトにおいて、早くもそのハイグレードバージョンであるMT-09SPが発表となりました。
今回はスタンダードモデルとの違いなど、SPの魅力についてお伝えしていきたいと思います。
目次
スタンダードモデルとの違いは?
「え、そもそもMT-09新型になるの?」
という方は前回の記事で2018年モデルとの違いを比較しながらお伝えしているので、そちらの記事で変更内容などをご確認いただいてから、こちらの記事にお戻りいただくと良いのではないかと思います。
ここではまず、SPの外観からスタンダードとの違いをザックリと見ていくことにしましょう。
2021年型MT-09SP | 2021年型MT-09 |
ご覧の通り、左2021年型のSPで右が同じくスタンダードです。
2018年型でもそうでしたが、MT-09のSPと言えば、サスペンションのグレードアップですね。
まず、フロントにはフルアジャスタブル機構を持つ41㎜径のカヤバ製スペシャルフォークを採用。
ちなみに右の写真は2018年型なのですが、比べてお分かりいただけるでしょうか?
そうです、新型のインナーフォークは黒いんですよね。
これはDLCコーティングによるもので、従来よりも摩擦抵抗を減らし、動きもよりスムースなものにになっているようです。
そしてリアには2018年型に引き続き、オーリンズ製のフルアジャタブルサスを搭載されています。
2018年型との比較では形状とマウント方法が若干異なっていますから、恐らく新フレームに合わせて最適化された形になっているのではないでしょうか。
いずれにしても、MT-10SPに乗る私からするリモートプリロードアジャスターはとチョットうらやましい装備。
電サスは走りの気分に応じて色々表情を持たせられるのはありがたいのですが、重量のあるものを積んだ時やタンデムの際にバイクが尻下がりにならないよう、その都度プリロードをいじるのは非常に面倒。
その点、リモートアジャスト機構があれば、簡単に補正できるので便利ですよね。
”SP色”が魅力的
また、同じく足周りでは、スイングアームがポリッシュ仕上げのものになっていて、角度によって異なるアルミ地の陰影が、オーナーの所有感を満たすことになることでしょう。
ホイールの塗装も、高輝度塗料を使用した専用色。
ちなみに、私もMT-10SPを愛車に決める一因になった色なので、同じようにこの「SP色」に惹かれるという方も多いのではないでしょうか。
今回のMT-09シリーズではホイールも新製法になってさらに肉薄で軽量なものになっているといいますから、性能面でも期待大です。
そして、車体上部に視点を移しますが、タンク周りはYZF-R1Mと同色の配色。
ハンドル周りもマッドなブラックで、スタンダードよりもグッと引き締まった印象でハイグレードな雰囲気が醸し出されています。
さらに見ると、NISSINのラジアルマスターはレバー色だけでなく、カップまでがダークな色の専用品。
今回からMT-09には電子スロットルが採用されたことでワイヤー類が少ない分、この辺りの”景色”は実にスッキリとして見えます。
電脳ライディングサポート+SPのゆとり
また、新型TFT液晶メーターはスタンダードとほぼ同じものですが、ひし形の中の文字が凝縮された感のあった2018年型よりもすっきりとした文字配列になって視認性が高くなった印象です。
2018年型MT-09SPの反転液晶メーター
この新型メーター上では、4つのモードを持つDモードと、トラクションコントロール、そしてUP/DOWN双方に働くようになったクイックシフターなどの表示が見えていますね。
2021年型MT-09では新しく6軸IMUユニットが搭載されたことで、コーナリングABSやホイールリフトコントロール、そしてスライドコントロールなどスーパースポーツ並みの電脳装備が与えられています。
SPではこれらのライディングサポートに加え、クルーズコ
ントロールが追加されたことで快適性を向上させている点がウリ。
余談ながら、私もMT-10SPでクルーズコントロールをよく使うのですが、高速道路はもちろん、いわゆるオービス街道として名高い通りでこれはもはや必需品。
さっさと法定速度にセットそして長い直線路を走っていると、どこからついてきたのか、白馬の王子様がつまらなそうに追い抜いていく…。
その恩恵を幾度となく受けてきたので、クルーズコントロールは色々な意味で便利です。
また、2018年型でもそうであったように、シートの質感がグレードアップされるのもスタンダードとの違い。
MT-09SP | MT-09 |
座面表皮がアルカンターラ調になっている他、シートサイドがダブルステッチになっています。
実際、MT-10でもSPでは同様のものがついているのですが、スタンダードのMT-10では標準的なつるっとした表皮だったのに対し、SPの方は着座した位置をキープしてくれるような、ややグリップ間のある肌触りなので、MT-09SPにおいても同様に、見た目と座り心地の両面で上質感を愉しめるものになっていると思います。
SS的ストリートファイター
改めて全体のデザインを見てみましょう。
カバー類を極力排したにも関わらず、先代より曲緯線的でややふっくらとして見えるタンクのせいか、シンプルながらも機能美を感じさせるデザイン。
そして、新フレームに組み込まれたユーロ5適応の新エンジンは新たにIMUを得て、走りの質が格段にアップした2021年型MT-09シリーズ。
SPではさらに見た目以上に上質な乗り味が楽しめるのではないでしょうか。
ヤマハ発動機は既に2021年型MT-09(スタンダード)の日本発売を2021年春以降と発表していますので、今回のSPについても恐らく同時期の発表になるものとみています。
また価格の面では、北米ヤマハの公式WEBページに載っている車両価格が$10,999(2020年11月13日現在のレートで約115万4,024円)となっています。
現行のMT-10SPが1,133,000円で、これにIMUが追加されたことを考えると、恐らく日本での価格は125~130万円ほどになるのではないでしょうか。
その価格帯でスーパースポーツに迫るスタビリティーが手に入る…?
新しいMTの世界感に注目したいですね。
2021年型 MT-09SP(※数値は輸出モデル) | |
全長/全幅/全高 | 2,090mm×795mm×1,190mm |
シート高 | 825mm |
最低地上高 | 140mm |
軸間距離 | 1,430mm |
車両重量 | 190kg |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
キャスター/トレール | 25°00′/108mm |
フロントトラベル | 130 mm |
リアトラベル | 122 mm |
懸架方式(前/後) | テレスコピック/スイングアーム(リンク式) |
原動機種類 | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ |
気筒数配列 | 直列3気筒 |
総排気量 | 889cm3 |
内径×行程 | 78.0mm×62.1mm |
圧縮比 | 11.5:1 |
最高出力 | 87.5kW(119.0PS)/10,000r/min |
最大トルク | 93.0N・m(9.5kgf・m)/7,000r/min |
燃料タンク容量 | 14L |
エンジンオイル容量 | 3.50 L |
タイヤサイズF | 120/70ZR17M/C |
タイヤサイズR | 180/55ZR17M/C |
Fブレーキローターサイズ | Ø 298mm |
Rブレーキローターサイズ | Ø 245mm |
映像・文献参照元
https://www.yamahamotorsports.com/hyper-naked/models/mt-09-sp
https://www.yamaha-motor.eu/gb/en/products/motorcycles/hyper-naked/mt-09/
https://www.yamaha-motor.eu/gb/en/products/motorcycles/hyper-naked/mt-09-sp/