2021年型ヤマハMT-07登場 ユーロ5に適応したフレンドリーなスポーツランナー

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MTシリーズ、今度は07が新型に

コロナ渦で各国のモーターショーが中止となる中、メーカーの海外サイトでは2021年に向けた新車が次々に登場し、さながらWEB上のモーターショーのように楽しめるようになってきました。

先日、ヨーロッパと北米のヤマハ公式サイトに登場した2021モデルのMT-09について、現行車との違いを比較しながらお伝えしたばかり。

関連記事;欧州ヤマハが2021年型MT-09を正式発表 全てを刷新してパワーUPと軽量化を実現

翌週の11/4日はこれに続き、2021年型MT-07がベールを脱ぎました。

 

手ごろな価格と従順な乗り味で、様々な層のライダーから支持されているヤマハのMT-07。

果たして新型がこの乗り味をどのように新しくしてさせているのか?

今回も、メーカーから発表された諸元を現行車のものと比較しながら、乗り味の変化を予測してみようと思います。

 


2021年モデルはどこが変わったの?

まず外観から見ていきましょう。

わかるかな?ライト以外の違い

現行車 2021年型

「あれ、ライト…?  でも、あんまり変わってない?」

というのが多くの人の第一印象かもしれません。

確かにそうですね、写真上の違いはサ〇ゼリアの間違い探しレベルです。

わかりやすいところから見ていくと、まず目につくのはライト回り。

MTシリーズはトランスフォーマー顔で統一?

かなり好みの分かれそうな面構えですが、MT-10SPに乗っている私からすると上下切り替え式LED1灯は合理的だと思います。

MT-10もトランスフォーマー顔(笑)

というのも、このLEDライトはものすごく明るいんですが、左のHIビームはほっとんど出番がないんですよね。

なので、新しいMT-07の顔はシンプルisベストなデザインといえるかもしれません。

MT-10と同じように光量はあるはずなので、点灯時のインパクトや被視認性はしっかりしたものになると思います。

また、ライト周りで見える変化としては、今回から灯火類がLEDに統一され、

07史上初となるLEDウインカーが付いたのが新しいところ。

これはMT-25/3にもついているスマートなウインカー。

構造的にもよくできていて、なかなかカッコいいと思います。

ライディングポジションにゆとりをプラス

そして、フロント周りの変化ではちょっと見ただけではわかりづらいのですが、マイケルシェンカーのギターみたいに半分半分にしてみました。

上が2021年型、下が現行車です。

おやッと思った方、鋭いです。

実は新型ではハンドルの高さが12㎜UPし、幅が32㎜広くなっているんです。

なので、跨った瞬間から現行車よりもややゆったりした感じのポジションになっているのでしょうね。

現行車 2021年型

そして、タンクカバーの形状が変わり、インテークと一体になりましたね。

先日お伝えした2021年型MT-09でもそうでしたが、なるべく部品点数を減らしてシンプルに造っていくというのが今後のヤマハのトレンドのようで、今回のMT-07でもその方向性に倣った形になりました。

この変更でタンク容量は従来の13リットルから14リットルに増量。

シート形状も左右の張り出しが若干抑えられて腿周りがすっきりした形になりましたから、同じ805㎜のシート高でも、脚を降ろしやすくなっているのではないかと思います。


下半身にも変化あり

では、ちょっと目線を落として下側を比べながら見ていきましょう。

さぁ、この状態でどちらが2021年型かお分かりになりますか?

違いはいくつかありますが、まず前の方から見ていくと、

ブレーキのローター径が282→298㎜にUPし、花びら型ではなくなっています。

これに伴ってアウターチューブも形状を変更しているとのこと。

恐らくABSと相まって、ブレーキング時の入力から握り込む際の奥行きの深さや、しっかり感が向上したのでしょうね。

そして、エンジン諸元については後述していきますが、今回からユーロ5適応ということで、

排気系がリニューアルされ、エキパイがひとまとめにされました。

形状から察すると、この部分に新たな触媒が入ったか、あるいは排気の流室が設けられ、熱対策として新たにエアスクープがつけられたのではないかと思います。

 

 

テールビューの違いというのはそう大きくないようですが、この角度からだとエキパイカバーが一つのアクセントになっていますね。

そして外観的に、もう一つの違いはココ。

今回から標準タイヤが、ミシュランのロード5にアップデートされました。

最近このタイヤ、私の周りのロングツアラーたちがリピートしながら履いているので、相当いいみたいですね。

ここまでですと、単なる「外装デザイン変更」なのですが、今回のモデルチェンジの肝はエンジンにあるようです。

 

諸元から違いを読み解こう

ではエンジンも含め、諸元表の違いから2021年型の進化を探っていきましょう。

2018年型MT-07 2021年型MT-07
全長/全幅/全高 2,085mm/745mm1,090mm 2,085 mm/780 m1,105 m
シート高 805mm 805 mm
軸間距離 1,400mm 1,400mm
最低地上高 140mm 140mm
車両重量 183kg 184 kg
原動機種類 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列 直列, 2気筒 直列, 2気筒
総排気量 688cm3 689 cm³
内径×行程 80.0mm×68.5mm 80.0mm×68.6mm
圧縮比 11.5 : 1 11.5 : 1
最高出力 54kW(73PS)/9,000 rpm 54kW (73.4PS) / 8,750 rpm
最大トルク 68N・m(6.9kgf・m)/6,500 rpm 67.0Nm (6.8kg-m) /6,500 rpm
エンジンオイル容量 3.00L 3.00L
燃料タンク容量 13L 14L
キャスター/トレール 24°50′/90mm 24°50′/90mm
制動装置形式(前/後) 油圧式ダブルディスクブレーキ(Ø 282mm)/油圧式シングルディスクブレーキ 油圧式ダブルディスクブレーキ(Ø 298mm)
油圧式シングルディスクブレーキ(Ø245 mm)
タイヤサイズ(前/後) 120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)/ 180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス) 120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)/ 180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス)

相違の合ったところだけ、赤い字にしてみましたがいかがでしょう?

まず車体関係では先述の通り、ハンドル幅と高さの変更ですね。

全長やホイールベース、キャスター/トレールに変化がないところを見ると、フレームワークそのものは変わっていないようです。

また、重量1㎏増もこれはエキパイの変化によるところが大きいのだと思います。

注目は、排気量が1㏄増えたこと。

圧縮比はそのままですが、0.1mmだけロングストローク化されているのがわかります。

しかしながら、最高トルクが微妙に下げられているのが気になりますね。

ただ最高出力の方は、kw表示では同じ数値にもかかわらず、PS表示では0.4psの出力微増。

その発生回転数は250rpm落とされていますから、中速域でモリッとくるような乗り味なのでしょうか?

ともかく、ユーロ5はNoxやPMなどの排出基準を4輪車に課せられているものに近づける厳しい国際基準。

今回から、吸気系やECUも見直されたとのことですが、このように従来車との変化を微小に抑えるのは相当な苦労があったのでしょうね。

ヤマハ発動機が公表している2021年型MT-07のフィーチャーマップがこちら。

 

270°クランクの従順な走り。

2021年型MT-07は、新たな環境対策が施されたエンジンと、ゆったり感の増したライディングポジションを得て、親しみやすさがさらにアップしているのだと思います。

カラーバリエーションは3色

現在、ヨーロッパのヤマハサイトに掲載されている2021年型MT-07のカラーバリエーションは次の3パターン。

ストームフロー

アイコンブルー

テックブラック

価格は北米サイトに7,699ドルとありますので、日本でも恐らく現行車から遠くない80万円代で販売されるのではないかと思います。

日本での発売は2021年春以降とのこと。

ゴールデンウィークごろにはどこかのツーリングスポットでお目にかかれるかもしれませんね。

参照元;ヤマハ発動機 ニュース;https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2020/1104/mt-07.html

yamaha-motor.eu;https://www.yamaha-motor.eu/gb/en/products/motorcycles/hyper-naked/mt-07/

北米ヤマハ;https://www.yamahamotorsports.com/hyper-naked/models/mt-07

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