Honda REBEL1100 ホンダ欧米サイトに登場!レブル+DCTに高まる期待

目次

噂は本当だった!

「HondaはアフリカツインのエンジンとDCTシステムを搭載したがREBEL(レブル)1100を開発しているらしい」

そんな噂が専門誌に掲載されて話題になったのは、昨年の末くらいだったでしょうか?

最近は各社の新車リリースが盛んになってきて、ホンダ車についても先日お伝えしたばかり。

HONDAが新型車7車種を一挙公開!これはちょっとしたモーターサイクルショーだ

しかしこの中にもそのREBEL1100は入っていなかったので、

『この期の発表は見送られたのかな? 』

と思っていたのですが…。

ついに出ましたねぇ。

諦めていた大型、REBELなら乗りたい!

昨年(2019年)度は25,150台のバイクを販売し、トップシェアを獲得したホンダ。

前年度比111.8%とセールスも好調でなわけですが、その内の約30%に及ぶ7,985台を売り、250㏄クラスの販売台数第一位に輝いたバイク。

なんだかわかりますか?

はい、それがこのバイク。

Rebel250

レブル250です。↑

そんなレブルの好評ぶりは日本のみならず。

「豪華さを追求しない」というコンセプト通り、シンプルでありながらちょうどいいボリューム感が、世界のミニマミストたちの志向にジャストフィット。

ビギナーの入門機、あるいはリターンライダーのカムバックモデルとしても親しみやすいモデルです。

現行は250㏄と500㏄のラインナップ。(海外では300㏄と500㏄)

しかし、ツーリングクルーザーとして距離と風景を堪能したいとき、さらにゆったりと力強く回るエンジンを求めるのは自然な成り行き。

そんなファンの期待に応えるように、REBEL1100(欧州名CMX1100 Rebel)が満を持して登場しました。

250/500と同様のシンプルな外観はそのままに、リッターオーバーのゆとりを備えたREBEL1100。

その親しみやすそうな外観は、これまでオーバーリッタークラスを諦めていたライダーに新たな道を拓くきっかけに?

あるいは、リターンライダーの「再入場口」としての役割も期待させてくれますね。

今回はこのREBEL1100の魅力をいろいろな角度から深堀りしていきましょう。



せっかくREBELなんだし…

詳細は後述していきますが、今回のREBEL1100には電子制御による運転支援機能が搭載されています。

ただ、ここ数年の間に登場した新機能については、専門誌などでも知っていることが前提で、初心者の方やブランクの長いライダーにはちんぷんかんぷん。

せっかくこのREBEL1100でライダーデビュー、あるいは久々のリターンを考えたのに、

「カタカナ多くてワケワカメ」…?

大丈夫です!

今回の記事ではエントリーユーザーやブランクの長いリターン志願の方を置いてきぼりにしないよう、カタカナ・横文字の新機能を少し咀嚼しながらお伝えしようと思います。

ですので、「そんなの知ってるよ」と仰る方は、お口チャックでお付き合い願いますね。

さて、前置きが長くなりましたが、ここから話題のREBEL1100を見ていきましょう。

250/500からそう遠くないボディーサイズ

写真は欧州モデルのCMX1100 Rebel

パッと見ただけですと、シート下の「1100」という文字を見るまではそれと気づけない程、シリーズに一貫したコンパクトな外観ですね。

もちろん、たくさん違いがあるわけですが、250/500とはどんな風に違っているのか?

車体関連の諸元を250/500のものと比較しながら見てみることにしましょう。

Rebel 250[は500] REBEL1100[はDCT]
全長(mm) 2,205 2240
全幅(mm) 820 853[834]
全高(mm) 1,090 1,115
軸距(mm) 1,490 1,520
最低地上高(mm) 150 120
キャスター角(度) 28゜ 28°
トレール量(mm) 110 110
フレーム形式 ダイヤモンド ダイヤモンド
シート高(mm) 690 700
最小回転半径(m) 2.8 2.9
車両重量(kg) 170[190] 223[233」
燃料タンク容量(L) 11 13.6

ご覧のように、確かにサイズはひと回り大きくはなっているものの、250/500とはそう遠くないサイズなのがわかります。

そこに1,100㏄のエンジンが収められているのですから、そのマッスルぶりを想像するだけで、思わずニヤけてきちゃいますね。

写真は北米モデルのREBEL1100

250/500とよく似た車体ですが、そこはさすがにリッターオーバーの車両。

車両重量は50㎏以上の差があります。

それでも、250/500とのシート高はわずかに10mm+の700mm。

ただ、全高から察するにハンドルの高さが約100mm程度高くなるようなので、250/500と跨り比べた場合、見た目以上のゆったり感を感じることになるでしょう。

それでいながら、最小回転半径の差は僅か100mm。

そんな取り回しの良さも、「いつかは大型」と願う小柄なライダーにとって魅力的なポイントですね。

250/500に似て非なる外観

よく似た外観。

詳しく見てみるといろいろと違いが判ってきます。

例えば、LEDで統一された灯火類。

ヘッドライトは250と500に2020年から採用されたものに似たロービーム2眼/ハイビーム2眼のLED4眼。

REBEL1100には左右一対の半円型アイコニックランプが追加されているので、正面からの判別はここがポイントになるでしょう。

また、テールランプ・ウインカーはシリーズに共通したもの。

最近街中でRebel250をよく見かけますが、このテールは割と大きさがあって、遠くからの視認性もしっかり確保されていますね。

そして、250/500と同じように見えるタンクですが、ここも結構違います。

膝付近の折り込みが250/500よりも浅く、下部には溶接のふちがないのが1100のタンク。

容量も250/500の11リッターに対し、13.6リットルと大きなっています。

REBEL1100のWMTCモード燃費は18.86km/l(DCT)/20.40km/l(6速MT)ということなので、おおよその航続距離は250km以上。

これはツーリングモデルとして優秀なものと言えるでしょう。

ゆったり感だけではない俊足の足回り

足回りもまた、シリーズに一貫した雰囲気を持っていますが、ここはだいぶ違いがあります。

フロントフォークはπ43㎜のカートリッジタイプ

アウターチューブにダークネイビーの酸化チタンコートが施されています。

加えて1mm厚のスチール製フェンダーをアルミダイキャストのブラケットでマウントするなど、見た目の主張を抑えた機能美と質感が素敵です。

※(ダンパーに、より高剛性と安定した減衰力を発生することが出来る構造。)

1100

さらにブレーキはπ330mmのフローティングディスクを装着。

これを受け止めるキャリパー2ポット)をラジアルマウントとするなど、ここもまた、スポーツマインドを静かに主張しています。

そして、リアにはプリロード調整機構とピギーバック(サス内のガスの副室)を持つツインショックリヤサスペンションを装備。

π50.8㎜の丸パイプのスイングアームの太さもまた、250/500とは違った走りの豊かさを予感させてくれます。

当然ながら、タイヤサイズも異なり、250/500では前後16インチのファットタイヤだったフロントは、REBEL1100では18インチと大径化され、その形状もある程度のスポーツライドを許容するタイプのものに。

Rebel 250/500 REBEL1100
130/90-16M/C 67H 130/70B18 M/C
150/80-16M/C 71H 180/65B16 M/C

また、リアではワイドかつ、このカテゴリーのバイクにしては扁平率が低いタイプをチョイス。

この組み合わせから、ゆったりとしたクルーザーとしての乗り味だけでなく、スポーティーな一面も見せてくれる懐の広さを垣間見ることができます。

ワインディングでこんな走りも…?。

これは楽しそう!!!



アフリカツインのエンジンには、だいぶ手が入っている

アメリカンクルーザー型のバイクと言えばハーレーに代表されるようにV型ツインエンジンのイメージが強いのですが、

REBEL1100ではCRF1100Lアフリカツインのものをベースとし、厳しい環境規制ユーロ5※(文末にて解説)にも適合した1084ccの270度クランク並列2気筒を搭載しています。

V型よりもコンパクトな外観ながら、それに似た鼓動感と素直さを合わせ持つのが270°のクランクの特長。

元々この270°クランクは、砂漠を走るラリーの世界で後輪にしっかりと駆動力(トラクション)を伝え、砂に埋まりにくくするために考えられたもの。

ツーリングモデルのREBEL1100では、不利な路面状況でもしっかりと路面をつかむ駆動力を発揮しながら安全性を高めてくれることでしょう。

そしてこのエンジンではアフリカツインのものをそのまま載せたわけではなく、様々なアレンジを加えながらREBEL1100としてのキャラクターを作り込んでいるようです。

そのエンジンのアレンジ内容については、アフリカツインのものと諸元から比較してみると見えてきます。

CRF1100L Africa Twin REBEL1100
エンジン種類 水冷4ストロークOHC(ユニカム)4バルブ直列2気筒 水冷4ストロークOHC(ユニカム)4バルブ直列2気筒
総排気量(cm3 1,082 1,084
内径×行程(mm) 92.0×81.4 92 x 81.5
圧縮比 10.1 10.1
最高出力(kW(PS)/rpm) 75(102)/7,500 64(85.8)/7,000
最大トルク(N・m/rpm) 105/6,250 98/4,750

ご覧のように、ストローク量(内径に対する行程の長さ)を0.1mmロングにしたことで、排気量がアフリカツインより2㏄UPしているのがわかります。

また、最高出力はPS(いわゆる馬力)にして約16ps落とし、最大トルクも7N・m下げていますが、それらの発生回転数をアフリカツインよりも低い回転数で発生させているのがわかりますね。

つまり、REBEL1100ではアフリカツインよりも、低中速域での加速感にパワーを集中させ、野太さを持たせたものになっていることが予見できるわけです。

実際にサウンド的にも特に4000rpm以下は力強いものになっているのだそうで、低回転域の粘りとドドドッというパルス感(厚みのある鼓動感)も演出されているとのこと。

写真は北米モデルのREBEL1100

フライホイール(クラッチのはずみ車)も重量をアフリカツインよりも32%増量してこの味付けをしているそうなので、聴覚も含めて五感で味わえる乗り味が期待できそうです。

REBLにこそDCT

そして今回のREBL1100のウリはなんといっても、6速MTのバージョンに加え、DCTによるATのバージョンがラインナップされていること。

DCTをちょっとおさらい

そもそも「DCTとは何ぞや?」という方のために、DCTの基礎知識についてお伝えしておきますね。

DCTとはデュアル・クラッチ・トランスミッションの略。

内部構造(DCT)

その名の通り2つのクラッチがあって、それぞれが1.3.5という奇数ギアと2.4.6という偶数ギアを請け負っています。(上の図では赤側と青側に分けて表示しています。)

例えば1速で走っている際は奇数側のクラッチが駆動力を後輪に伝えつつ、2速が既にかみ合った状態でスタンバイ。

速度が上がってくると偶数側のクラッチにバトンタッチして2速で走行するようになります。

その際3速が既にスタンバっていて、さらに速度が増せば奇数側のクラッチに役目を交代させる。

そういった形で変速ロスを発生させないよう瞬時に効率よくミッションを作動させる自動変速機構です。

REBEL1100のDCTは6速ATとなっており、3種類のDモードに、ユーザーが任意でカスタマイズできるモードを加えた計4モードから、ATのシフトタイミングを走行状況に合わせて選択・変更できるようになっていています。

オートマなのでクラッチレバーはなく、ミラーの根元にはパーキングブレーキが装着されています。

REBEL1100+DCTはベストコンビネーション。

日常の脚からロングツーリングまで、幅広い走行シーンを快適にアシストしてくれることでしょう。



ライディングアシスト機能も充実

反転表示のLCDタイプのメーターには250/500のもと同じく、コンパクトな印象が引き継がれていますがその内容を見ると、

タコメーターのほか「STANDARD」や「P」や「T」、そして「EB」等、ライディングモードの設定表示など、表示内容が多彩ですね。

恐らく電子制御になじみ薄なライダーにとって、この辺が一番「?」となるところでしょう。

REBEL1100ではアフリカツインと同じくスロットルバイワイヤを採用しています。

このスロットルバイワイヤは、ライダーがアクセルをひねるとコンピューターが(その開度とアクセル開閉速度を読み取って)スロットルの開閉を行う仕組みです。

これによって、スポーティーな走りがしたいときや雨天などで路面が悪いとき等に最適なライディングモードをボタン一つで変更でき、エンジン出力を走行状況に見合った最適ものにしてくれるわけですね。

この他にも、巡行速度を一定に保てるクルーズコントロールを装備しているほか、

  • 「P」アクセル開度に対しする燃料の噴射量の濃淡に強弱を持たせるパワーモード
  • 「T」後輪が滑りを検知した時に駆動力を弱めたりするトラクションコントロールの介入度調整
  • 「EB」エンジンブレーキの強弱調整

等のライディングアシスト機能が充実していて、これらの作動は走行状況に合わせて選択できるライディングモードによって最適化されるようになっています。

ライディングモードには、出荷時からプリセットされた

  • スタンダード
  • レイン
  • スポーツ

という3つと、任意調整のできるカスタマイズモードの計4つがあり、

DCTではミッションの動作もこれらに連動。

さらにバイクの姿勢を検知しながら挙動を安定させるIMUも搭載されており、前輪が浮き上がるのを防ぐウイリーコントロールまでが装備されています。

『電子制御』というと「スーパースポーツについている過剰なもの」というイメージが強いのか、「あんなもん俺には必要ねぇ」という先輩方の声を聴くことが多くありますね。

ただ、『門前の小僧習わぬ経を読む』ということわざもありますが、所詮「習わぬ経」は実感にあらず。

電制アシストがスピードの為だけのゼイタク品ではないのがお分かりいただけるのではないかと思います。

実は私も電制アシストのついたバイクに乗っていますが、それらがちゃんと黒子になって助けてくれるので、ライディングは実に快適。

「そうはいっても高いんでしょ?」

とおっしゃる方も多いと思いますが、しっかりした電制アシストを備えながらお値打ち車種が多いのがこの秋発表のモデルたちの特長。

REBEL1100/DCTもご多分に漏れずで、北米では6速モデル$9,299、DCTが$9,999=2020年12月2日正午現在のレートで約97~104万円。

たとえばアフリカツインが1,617,000円~ですから、日本で諸々+20~30万円ほどのプライスになっても、この装備ならかなりお買い得だといえるでしょう。

既にカスタムパーツも多数スタンバイ

REBEL1100のカラーバリエーションは、6速/DCT共に

  • ガンメタル・ブラック・メタリック

 

  • ブロードオーク・レッド・メタリック

 

 という2色がリリースされています。(今後発売予定の日本仕様では異なる可能性もあります。)

ちなみに、ト書きの部分で北米モデルと欧州モデルの表記があることでお気づきでしょうか?

北米仕様のREBEL1100/DCTではタンデムシート・ステップを(車体色に合わせて)オプションで装着することになりますが、

欧州仕様のCMX1100 rebel/DCTとしては標準装備となる違いがあります。

恐らくユーロ規制に倣う日本では欧州と同じ仕様になって、タンデムシートは標準装備となるでしょうね。

また、REBEL1100/DCTではオプション装備が豊富に用意されています。

ライダーのニーズや個性に合わせて、様々にカスタマイズを楽しめるようになっているのがうれしいですね。

日本ではどういったオプションが発売になるのか?

はたまたレブル250sエディションのように、ある程度のものを予め装着して別タイプとして発売されるのかなど、

レブル250-Sエディション

詳細は今のところわかりませんが、いずれにしてもこれらのオプションパーツには期待したいところです。


こんな時代だからこそのREBEL

さて、今回は主にブランクの長いリターン志願の皆様に向けてREBEL1100/DCTの話題をお届けしているわけですが、「REBELって言ったらこの型 ↓ だろ」と仰る方も多いはず。

逆にお若い方は「これがレブルなの?」と仰るかもしれませんね。

そうなんです、これが初代レブル250です。

日本では1998年で生産が終了していますが、海外での人気は続き、2000年以降も発売されていました。

乗りやすく手ごろな車格とメッキパーツの輝きが好まれ、当時上野のバイク街にはレブルコーナーがあったほどアフターパーツが多く、カスタムベースとして日本内外を問わず人気だった初代レブル。

そんな初代レブルは、レプリカ一辺倒だった1985年に堂々と発売されたバイクでした。

当時は「レプリカじゃなければバイクじゃない」みたいな風潮、ありましたねぇ。(あったんですよぉ。←若い方向け)

REBELというネーミングは直訳すると

「反逆」という意味。

そしてコンセプトは、

「お仕着せを排し、自由に行動すること」

だったそう。

つまり、レブルというバイクは当初から、

『時代に振り回されずに自らの個性を解き放つツール』

として存在していたわけですね。

時代が変わってバイクの内容も変わりましたが、どうやらこのコンセプトはREBEL1100/DCTにも脈々と受け継がれているようです。

既にHondaはREBEL1100/DCTを、2021年度中に日本市場に投入することを正式に発表しています。

「時代に振り回されずに自分らしさを捨てずに生き抜くこと」が難しい混迷の時代。

REBEL1100/DCTを登場させたことはホンダからのエールメッセージ?

「雑然とした時代の喧騒を抜けて、本当の自分に会いに行くときの相棒」として迎えたい一台ですね。

 

 

映像・情報参照元;

The Brand New CMX1100 Rebel | Street Bikes | Honda UK

2021 Rebel 1100 OVERVIEW – Honda(北米Honda)

CRF1100L Africa Twin | Honda

Rebel250 | Honda



※  ユーロ5とは?

欧州連合が設けた環境規制で、日本ではこれに準じた年度排ガス規制が施行されており、今後は4年ごとに内容が強化されていきます。

EURO4 (内は上限値) EURO5(内は上限値)
 クラス1
(50~125㏄)
クラス2
(250㏄相当)
クラス3
(400㏄以上)
 全クラス
CO(一酸化炭素)の排出量
(g/Km)
1.14 1.14(1.58) 1.14(1.58) 1.00(1.33)
HC炭化水素
(g/Km)
0.3 0.2(0.24) 0.17(0.21)  0.1(0.13)
NOx(窒素酸化物)の排出量
(g/Km)
0.07 0.07(0.10) 0.09(0.14) 0.06(0.096)
非メタン炭化水素
(NMHC)
規定なし 0.068(0.088)
粒子状物質
(PM)
規定なし 0.0045(0.0063)

ご覧のように、数値がかなり厳しくなっていて、今後さらに様々な車種が消えていくと言われています。

もちろん、地球温暖化は何とかしなくてはならない世界の課題ですが、排ガスがきれいなバイクで焚火をしにキャンプへ行く。(笑)

Co2って何なんでしょうね。

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