TIMEWARP RIDERS CLUB

バイクは少年を大人に、大人を少年に還す。

ミラノのEIMCA開幕!ヤマハの初見参バイクを熱烈レポート

東京モーターショーが11月5日に終わったと思ったら、6日にはイタリアでミラノ国際モーターサイクルショー(EIMCA)が開幕。

こちらもワールドプレミアバイクが多数初見参します。

現地からLIVEで送られてくるプレスカンファレンスの模様を逃すまいと、筆者は朝も夜もなく臨戦態勢です。

今回は日本時間11月7日午前5時にネット配信されていたヤマハのプレスカンファレンスの模様をまとめながら、それぞれのバイクについて考えていきたいと思います。

早起きしてお父さん頑張ったよぉ~。



進化したMT達

MTと言えばヤマハを代表するブランドで、今や世界のハイパーネイキッドをリードしている存在と言って差し支えないでしょう。

今回のEIMCAではさらにグレードアップした姿を見せてくれました。

注目はMT-09にSPが加わったこと。

MT-09SP


MTでSPと来れば…

先日の愛知取材で乗せていただいた ↑ MT-10SP。

R1sの基本シャーシにR1Mの電脳サスをドッキングさせたリアルハイパーネイキットですね。

今回のMT-09SPの方にもこの電脳サスが期待されたのですが、それはどうやらお預けのようです。

ただ、スタンダードのMT-09とは違ってMT-09SPのフロントにはフルアジャスタブルサスが奢られるようです。

SPとしてのもう一つのバリューはオーリンズ社製のリアサス。

あとはカラーリングがSP専用のものになっているということです。

「何だそれだけ?」

なんて言わないでくださいね。

筆者も何度かオーリンズサスへの換装をしていますが、やっぱりショックの収まり方が全然違いますね。

またセッティングも段付きのノーマルと違って無段設定なので、セッティングの幅も広がります。

単に「高級装備」ということではなくて、これは走りの引き出しをより多く楽しくしてくれるもの。

MT-09でちょっとスパイスの効いた走りをしたい人をこの装備は満足させてくれるでしょう。

そして今売れに売れているMT-07も2018年型が発表になりました。



MT-07 2018年モデル

えっどこが変わったの?

という方のために間違い探しです。

はいこちらが現行モデルです。

現行モデルのイメージがうまく保たれていますが、よく見るとライトの感じもタンクの周りも全然違い、まとまりのいいスタイルになっていますね。

説明によるとどうやらシート形状も変わっていて、ライディングポジションが改善されているということです。

言われてみると確かに違いますね。

エンジン諸元は特に詳しい発表はありませんでしたが、あまり大きな変更はないようです。

後ろからのショットはこれしかないのですが、テールのデザインも大きく変わっています。

また、フロントフォークがよりスポーティーな設定になっているとあります。

あの従順なエンジンですから、走りの幅が広がってよりスポーティーになるのは楽しいですよね。

きっと日本でもさらに多くのファンを取り込んでいくことでしょう。

さて、MTシリーズと言えば「共有プラットフォーム」と言って、フレームやパワーユニットを共有しながら数種のブランドに派生していることで知られています。

例えば、先日MT-07から派生したネオレトロのXSR700、そしてMT-09から派生したTRACER。

今回は人気を博しているアドベンチャーモデルのTRACERにうれしい動きがありました。



TRACERに2つのグレードが登場

TRACER900

TRACERは今回TRACER900として生まれ変わりました。

前回のマイナーチェンジでだいぶ熟成が進んでいただけに、一見すると小変更にも見受けられます。

こちらは現行型ですが、じっくり見比べても名前とカラーリングの変更ぐらいにしか見えないですね。

正解を言うとこれが結構変わっています。

まずライダー側、パッセンジャー側共にシート形状が見直されています。

ライダー側ではシート高がアジャスタブルになっていてるようです。

パッセンジャー側ではグラブバーの形状変更、さらにはフットレストの変更などがなされています。

これらにより総合的に、長距離走行に対する充実化が図られています。

またハンドルの幅がやや狭くなってライダーのポジションもより疲れにくいものになっており、ウィンドウスクリーンもワンハンドで可変するようになっています。

エンジン諸元については850㏄の3気筒というほか発表はありませんが、恐らく従来のCP-3を受け継いでいるようです。

そして写真では分かりにくいところですが、スイングアームもアルミ製で新作になっている模様です。

これらを聞くと、「アドベンチャー」としてかなり熟成が増した感じですね。

「それだけ?」なんていうのはまだ早いですよ。

ヨーロッパで大人気のアドベンチャーバイク市場。

ヤマハはココに隠し玉を放り込みました。

TRACER900GT

それがTRACERのSPに当たる、「TRACER900GT」の登場です。

GTとしての外見上の違いはパニアケースの標準化ですね。

カラーリングも先述のMT-09SPに似ています。

またスタンダードがブラックのフロントフォークなのに対してこちらはゴールド。

ただMT-10SPのような「電脳サス」ではないようです。

それでも、スポーティーな設定が楽しめるフルアジャスタブルなものになっているとあります。

またリアも同様に電脳ではありませんが、リモート調整機構が加えられているので、荷物の多い時、あるいはタンデム走行などのサスの調整に便利です。

ここは個人的にMT-09SP同様のオーリンズが欲しかったような…

それから、TRACERの「いかにもアドベンチャー」というゴツいメーターも好きだったんですが…。

筆者がライブ映像を見て思わず

「おっ!!」

と声を出してしまい、早朝に家族を起こしてしまったのが次のこのショット。


おー!!!

なんとこのGTにはR1やMT-10SPに使われているTFTフルカラー液晶メーターがついているんです。

以前MT-10spを名古屋取材のときに試乗しましたが、このメーターは本当に見やすくて、目にも優しいんですよね。

これは長距離を走る上でもうれしい装備ですし、スポーティーな設定が可能なGTだけにR1ぽい感じもそそります。

そして、「名ばかりのGTは道を譲る…」と言うセリフはどっかで聞いたことがありますが…。

TRACERの900GTには、

  • クイックシフター
  • クルーズコントロール
  • グリップヒーター

など、グランツーリズムを思う存分味わえる装備群がてんこ盛りになっています。

きっと来年、雑誌の「北海道ツーリング特集」の表紙はこのバイクで決まりですね。

さて、MTシリーズのプラットフォームのバリエーションはそ豊富さで知られていますが、今回は更にその幅を広げてくれています。



TENEREシリーズのアドベンチャーが征く

MT-07のCP-2エンジンを搭載したオフロードバイクが出るという噂が、かねてからありましたね。

海外の雑誌などでは「T-7」というコンセプトバイクが紹介され、その登場を心待ちにしていた人も多いのではないでしょうか?

今回はそのコンセプトをより具現化したプロトタイプモデル、TRNERE700となって姿を現しました。

TENERE700現る

4灯のLEDヘッドライトがいかにもアドベンチャーな感じですよね。

先日筆者は同じCP-2エンジンを搭載するMT-07を試乗しました。

幅広い層のライダーに支持されるこのエンジン。

のんびり走るスチュエーションではトコトコと心地よく、ひとたびアクセルを開ければグワッというトルクと共についてきてくれる。

本当にライダーの意思に対して従順なエンジンで、きっと様々なライダーの幅広いスキルや要求にも素直に答えてくれるものだと思います。

このCP-2エンジンは270°相違クランク。

これはSUPER TENERE750に搭載され、パリダカで鍛えられながら発展していった形式です。

この形式のおかげで路面をとらえる力、つまりトラクションが素晴らしくよくなるため、オフロードではスタックをしにくいのだと言います。

従順さに定評のあるCP-2だけに、アクラポビッチのサイレンサーがついているのを見ると、さらにタフな要求も受け入れてくれそうですね。

立ち位置としては、スズキのV-Stromeや海外発売されているTRACER700よりも刺激的なバイクになるでしょう。

オフ車とCP-2エンジンの素直さにあこがれる筆者にとっても、このバイクばかなり触手を動かされる気がします。

SUPER TRNEREはアタマを張れるか

ちょっと昔の言い方をすれば「ビックオフローダ―」

今だと「スポーツアドベンチャー」ですね。

このクラスは国境を越えながらツーリングを楽しむヨーロッパの人々によって大切に育まれてきたカテゴリーです。

国産メーカーではダブルクラッチシステム擁するホンダのアフリカツインが人気であっただけに、ヤマハとしては今回の新型で巻き返しを図りたいところでしょう。

外見上は派手さは感じられませんが、大型のパニアケースなど、「大人のバイク」としての充実した装備が頼もしさを感じさせます。

発表された内容によると、フォグランプが標準装備となり、アルミ製の37リットルパニアケースもついてくるようです。

※トップケースはオプションとあります。

りとしては電子制御サスを備えているとのこと。

荷物の重さやタンデム走行など、シュチエ―ションに合わせ、手元で簡単に設定を変えられるような機構が既にこれはFJR1300などにも使われていますね。

しかし海外メーカーのものを見回すと、このあたりはこのカテゴリーのバイクとして標準的な装備とも言えます。

SUPER TENEREでは実用的にもかなり使える内容になっているものと思われますが、さらに悪路の走破性向上にも大いに貢献している内容になっているでしょう。

きっとこのバイクなら、かなり大きなツーリング計画を立てても、涼しい顔をしてどこまでもお供をしてくれそうですね。



まとめ

これまでモーターショーやモーターサイクルショーでは、各メーカーが先を争うようにスーパースポーツに最新技術を詰め込んでいたイメージがありました。

しかし、2017年のモーターショーと今回のEIMCAまでの流れを見ていると、時代はMTシリーズのような「ハイパーネイキット」と「スポーツアドベンチャー」に主軸が移されたという印象を強く受けます。

先日筆者は、MTシリーズの開発を担当された方と会談させていただき、この流れにとって印象的な言葉を伺いました。

その中でおっしゃっていたのは「ヤマハは公道での楽しみを追求する手段として、240km/h 以上のスピードを捨てた」ということ。

もちろんヤマハで言えばR1やR6といったバイクも当然楽しいのですが、やはり様々なスキルのライダーが彼らの性能をフルに発揮して楽しむのは難しいでしょう。

次期R1・R6のウワサもありますが、今回はR1Mにクイックシフターがダウンシフト対応になっただけで、その他はカラーバリエーションの変更のみにとどまっています。

実際、ヨーロッパ圏ではMTシリーズが猛烈にセールスを伸ばしているそうで、ハイパーネイキット系をリードする存在になっています。

スピード以上の楽しみ方。

つまり「バイクに乗っている」それ自体の楽しみを、このハイパーネイキット、スポーツアドベンチャーは「開発」してくれている。

ということになるでしょうか?

MTシリーズを軸に様々なモデルを展開するヤマハ。

今回発表はありませんでしたが、海外メーカーが小排気量アドベンチャー市場に参入してきているので、筆者としてはMT-25/03が何かに化けるのでは?

と、かねてからにらんでいます。

春には何かやってくれるのかな?ヤマハさん。

この流れをしっかり読んで更にさらに期待していきましょう。



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