TIMEWARP RIDERS CLUB

バイクは少年を大人に、大人を少年に還す。

ホンダ製JOG&VINO始動と125㏄車種の発展 原付よどこへ行く?

東京モーターサイクルショー2018.

皆さんはお出かけになられたでしょうか?

筆者は東京モーターサイクルショーの中であるスクーターの存在が気になりました。

今回は原付一種(50㏄)の行方と、進化する125㏄について考えていこうと思います。




JOGとVINOに「HONDA」の刻印

とにかくどのブースも人・人・人だった東京モーターサイクルショー。

目前を遮られないようにカメラを構えるのは至難の業でした。

しかし、ごった返したヤマハブースの中でも、すんなりと取れた写真もありました。

それがこちらの2枚の写真です。

「なんだ原付かよ」なんて言わないでくださいね。

これはこれで事件なんです。

JOGもVINOも、フロントビューはこれまでのイメージをうまく踏襲していて「らしさ」もあり、違和感はありません。

でも、後ろからローアングルで、パワーユニットを見てみると…

お気づきですか?

プーリーカバーには確かに「HONDA」の刻印があるのです。

覚えていますかあのニュース?

「50㏄の原付をヤマハがホンダと協業して造ることになった」というニュース。

※左が本田技研工業株式会社 取締役 執行役員 青山 真二 氏【現 常務執行役員】
右がヤマハ発動機株式会社 取締役 常務執行役員 渡部 克明 氏【現 代表取締役 副社長執行役員】

かつて両社は「YH戦争」を繰り広げたライバル同士。

80年代中盤、ヤマハのJOGの対抗馬としてホンダが放ったDJ・1のネーミングには、「打倒JOG、ナンバーワン」という怨念が込められていたとか、いなかったとか?

( ↑ DJ-1RR スクーターにダブルアールまで造っちゃう松岡修造みたいな熱さが懐かしい。)

2016年年10月、そんな両社が、原付市場の厳しい現状を乗り切るために手を組むというニュースは大きな衝撃をもって伝えられました。

下の表は一般財団法人 日本自動車工業会の国内末端販売店向け二輪車販売統計から5年ごとの原付販売統計と2016年の数値です。

原付一種
(50㏄以下)
原付第二種
(51~125㏄)
1980 1,978,426 200,238
1985 1,646,115 130,574
1990 1,213,512 169,618
1995 884,718 138,115
2000 558,459 102,116
2005 470,922 88,747
2010 231,247 96,368
2015 193,842 94,851
2016 162,130 101,424

参照元;http://www.jama.or.jp/industry/two_wheeled/two_wheeled_2t1.html

ここからは、驚くべき勢いで50㏄は衰退する一方、原付二種市場が盛り返しているのがわかります。

ホンダ・ヤマハ協業のニュースの発表からはや1年半。

「そういえばそういう話もあったなぁ」と最初はぼんやり考えていましたが、ごった返すバイクファンたちの中で、減衰する50㏄の行方に興味がわいてきました。

新しいJOGとVINOの姿には「とうとう来たか」という静かなインパクトがありましたね。



原付たちの125化?

ホンダのブースに行くと、またがりOKな125㏄のカブやモンキーに人だかりができていました。

2018年の東京モーターショーで壇上にあったカブ125。

今回はとにかく人が載っていない状態で撮影するのが困難なほどの人気ぶり。

こうして50cc往年の代表車種が次々「125化」する姿には、嬉しいようでいてちょっと寂しい気持ちが入り混じります。

日常の足として、または手軽な運搬手段として愛されてきた50㏄。

しかし最近では環境規制で価格が上がり、駐輪取り締まりの強化も重なったことから、それまでのお手軽感を失った感があります。

反対に原付二種では、50㏄の30km/h規制や2段階右折といった煩わしさがないこと。

また、法定速度が50⇒60㎞/hにUPされるなど、規制の緩和で通勤の足として見直されるようです。

さらには原油価格の高騰や軽自動車税の引き上げなど、周囲のネガティブファクターは原付二種にとっては追い風。

通勤の足として4輪から乗り換える人も多いようです。

こうした社会的背景に呼応して、関係当局が小型二輪免許の取得簡易化を検討中との噂も。

状況的に今後、50㏄の減少に反して原付二種の活性化する傾向はさらに加速していく見込みです。

原付だからできた文化があった

簡単に言えばカスタムのことですね。

いじって遊ぶ

バイクは、乗って用を足すだけではなくて、気分を満たそうとする部分が大きい乗り物です。

そこに自分なりのアレンジを加えて乗るという、いわば「いじりの文化」があります。

普通二輪以上の車体やエンジンに手を加えるのは、いろいろな面で簡単ではありません。

でも50㏄なら構造も単純ですし、パーツもモノによりますが比較的安く手に入ることが多いですね。

また、二輪免許を持っていなくても、車の免許があれば楽しむことができるのも50㏄ならでは。

その点ありとあらゆるパーツがカスタムできて、プラモデル感覚で楽しめるモンキーは、50㏄の文化を育てた功労車だと言えるでしょう。

やっぱりミニバイクは外せない

原付の文化を考えるのなら、YSR50やNSR50などのミニバイクブームも外せません。

これもやはり、(かければキリがないですが…)いろいろいじって仲間とワイワイやりながらレースに参加したり。

8耐マシンぽい外装をつけてなりきったり。

大きなバイクでは叶わない夢を沢山かなえてくれたのが、このカテゴリーのバイクだったと思います。

2スト規制でこれらのバイク亡き後も、エイプがうまくそれを繋いでくれていましたが、今日では趣味性の高い50㏄ミッション車はほぼ全廃。

50ccの中で築かれてきた熱を帯びた文化。

これが消えてしまうとすればやはり寂しいですよね。

「遊ぶ文化」も125に移行?

モンキーがあってエイプ100があって、それらがトランスフォームしてグロムができた?

なんとなくこれまでの変遷を見ているとそんな気がします。

通勤の足として見直され、スクーターをメインに再興した125㏄市場。

業界としても、せっかくの新規客をその後の大型車種の市場拡大に結び付けたいところです。

そんな中登場したグロムは、モンキー的な「遊ぶ文化」を125㏄の中にうまく持ってきてくれた車種として評価したいですね。

小さすぎず大きすぎないミッション車は、通勤の足も立派にこなし、ちょっとした近隣ツーリングなど、幅広い遊び方を多くの層のライダーに提案してくれています。

また、レースのベース車両も発売されていますから、ミニバイクブームの時のようなの楽しみ方もうまく繋いでくれていますよね。

さらに、カワサキに目を向ければZ125 proという車両もあるわけですが、KLX125Lの存在というのもおおいに大切にされるべきだと思います。

オフ車というと、大柄で足つき的に乗り手を選ぶイメージもあるようですが、カワサキはこれを親しみやすい小柄なサイズに造ってくれています。

この車種も通勤時間帯によく見かける車種ですね。

小さなアドベンチャーバイクとして、またオフロードのエントリーモデルとして125の方向性、そして可能性を広げてくれている車種として貴重だと思います。

125の新展開?

筆者が最近興味深く思うのは新型のCB125Rです。

じっくりと実車を見ていくと、その造り込みは125㏄としてこれまでにないほど豪勢なもの。

例えばフロントフォークには41パイの倒立サスがおごられ、

車体構成などを見てみても、「125になぜここまで?」と思うほど細部にわたってがっしりと造り込まれています。

スズキでも同じようにGSX-S125などが注目されていますね。

これらは既にコミューターとしてではなく、かつての、「0.5ファイター」たちの意気込みを感じます。

(経年ライダーならその入門期にお世話になった方も多いのではないでしょうか?)

上級クラスのバイクが持つ楽しさが凝縮され、小さいながらもシリーズのスピリッツを楽しむことができたあの熱い雰囲気。

それが125㏄の中に再燃されようとしていると言ったら言い過ぎでしょうか?

この後50㏄はどうなるの?

ホンダのクロスカブがなんとかその役を保っていますが、現状どのメーカーのカタログからも50㏄のプレジャーモビリティーとしての役割は失われたような気がします。

50㏄は実用的な足として残り、125㏄がバラエティー化。

どうやら一層の「住み分け」が進んでいくようです。

とはいえ、確かに125㏄ミッション車の価格を平均するとだいたい35万円くらい。

やはり少し前まであった50㏄ミッション車より、平均して10万円は高くなるようです。

CB125Rのような付加価値的なモデルも登場しているわけですが、やはりこのクラスはまず、エントリーユーザーに親しまれるものであってほしいと思います。

スズキ自動車の鈴木修会長は、2017年5月の会合で、

「小さい車の下限は今後125か150になり、50㏄はいづれなくなるのではなか?」と話していました。

これは度重なる環境規制に対するコスト増と表にお示したような50㏄の激しい衰退を受けてのご見解。

確かに厳しい状況下、その方向は確かに現実的です。

しかし、筆者は昨年参加したバイクラブフォーラムで、ヤマハ発動機の柳 弘之社長(現会長)は、

「国際的な環境基準で造っていくことには限界がある、それでもやはり50㏄の有用性というのは確保されるべきで、国内独自の規制のありがたを考えるべきではないか?」

とお話になりました。

まさに「鳴かぬなら鳴かせて見せようホトトギス」。

是非これは環境規制だけでなく、30㎞/h法定速度も併せ、現実的に使える環境を整備することで再興を考えてほしいものです。

そのうえで、「これなら買ってみよう」と思える面白さを持った50㏄があれば、楽しもうとする人はいるはずです。

ちょっと変なことを言いますが、言うだけはただなので、妄言を吐いておきます。

「EUヤマハのDT50R、日本で出してほしいなぁ!」

ヨーロッパで良くてなぜ日本では?ズルい!

並行輸入車じゃ悲しいほど部品でないんですよね。

まぁこれは冗談としても、いつかまた、50㏄のMTを手ごろな価格で遊びたいと思うのは筆者だけでしょうか?

ホンダ&ヤマハの努力に期待します!

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